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「ハイパーインフレ」の定義とは?我々の生活に与える影響と日本で発生する可能性

2026.01.10

ハイパーインフレの定義や起こる原因、有名な過去の事例を紹介していきます。また、日本で極端な物価上昇の継続が発生する可能性や、家庭でできる対策方法も確認しましょう。

ハイパーインフレの定義と基本的メカニズム

ハイパーインフレは、一般的な物価上昇とは異なる重大な経済危機です。まずは、定義や特徴、社会に与える影響について詳しく見ていきましょう。

■ハイパーインフレの主な定義は2種類ある

ハイパーインフレは、極端な物価上昇を指す言葉です。では、極端とはどのくらいの物価上昇なのでしょうか?

アメリカの経済学者であるフィリップ・ケーガンは、月間の物価上昇率が50%以上続く現象を、ハイパーインフレであると定義付けています。つまり、1カ月で物価が1.5倍になり、それが継続すると急激な物価上昇に該当するということです。

また、国際会計基準審議会が定めている指標によると、『3年間で累積の物価上昇率が100%以上になる』もしくは『100%に近い状態』を、ハイパーインフレであると判断しています。

なお、特定の商品が急激に値上がりしたからといって、ハイパーインフレが起こっているわけではありません。商品・サービス全体の平均単価が極端に上昇し、一定の期間上昇が継続することが条件です。

■通貨価値の暴落と生活への影響

ハイパーインフレが起こると、急激に通貨の価値が暴落します。価値が下がった通貨では、商品・サービスを今まで通り利用することができません。

これまで普通に購入できていた、生活に必要な食材・日用品・その他の必需品なども、購入できなくなってしまうでしょう。

通貨の価値が下がるたびに給料は上がっていくものですが、ハイパーインフレでは通貨の暴落が時間・日にち単位で起こるため、給料が出るまでの間に問題が生じます。

特に、現時点でほとんど貯蓄がない低所得者層にとっては、ある日突然生活必需品が手に入らなくなってしまうため、影響が深刻です。

ハイパーインフレが発生する主な原因と背景

日本銀行
(出典) pixta.jp

突然、物価の上昇が止まらなくなってしまう原因は、いくつかあります。原因と併せて、なぜ極端な物価上昇が起こってしまうのかを確認しましょう。

■政府や中央銀行による過剰な通貨の発行

ハイパーインフレの主な原因の一つは、行き過ぎた通貨発行です。政府の財政赤字が拡大すると、それを補填するために中央銀行に圧力をかけて、紙幣を増刷することがあります。

このような状況では、国民は自国通貨への信頼を失い、別の国の通貨購入や物への投資が加速します。その結果、通貨価値がさらに下落する悪循環に陥るのです。

単に物価が上がるだけでなく、手元の現金が不足する事態も発生し、生活必需品の購入すら難しくなります。許容量を超えた供給によって、価値が下がってしまうのです。

■政治的混乱や戦争など社会的要因の影響

政治的混乱や社会不安も、物価が際限なく上がり続ける要因です。例えば、クーデターが起きるような状況や、政治が機能していないような状況になると、経済政策がうまくいきません。

本来であれば、政治の主導によって国の経済が成長できるにもかかわらず、政治的混乱が続いていると、国の財政赤字や通貨の過剰発行が行われる可能性があります。

戦時中の物価上昇も、政府が戦費調達のために過剰な通貨発行を行うことで発生します。政治的な混乱や戦時下による社会不安も、国民が自国の通貨を信頼できなくなる要因です。

世界で発生した歴史的ハイパーインフレの事例

ジンバブエドル
(出典) pixta.jp

歴史上、さまざまな国と時代で、ハイパーインフレは繰り返し発生してきました。ドイツやジンバブエ、ベネズエラなど、その影響は甚大です。それぞれの事例から、ハイパーインフレの経済的影響について考えていきましょう。

■1923年ドイツ・ワイマール共和国のハイパーインフレ

1923年、ドイツのワイマール共和国でハイパーインフレが発生しました。第一次世界大戦の敗戦国として莫大な賠償金を課されたドイツは、支払いに行き詰まり、紙幣の大量発行を行います。

その結果、極端な物価上昇が起きることとなったのです。外出したときには劇場のチケットを購入できたはずが、目的地に到着するまでに購入できなくなっているような状況も発生したといわれています。

対策として賃金が日払いになったものの、受け取ったその日のうちに物資と交換しなければ、価値がなくなるような状態です。この苦い経験は、現代ドイツの徹底したインフレ対策という伝統につながっています。

■近年のジンバブエやベネズエラの通貨崩壊

21世紀に入っても、さまざまな地域で急激な物価上昇が起こっています。特によく知られているのは、2008年のジンバブエでの物価上昇です。当時のジンバブエドルは、5,000億%ものインフレ率を記録したといわれています。

ジンバブエでは、2015年に当時の自国通貨『ジンバブエドル』が廃止され、その後は外貨が使用されていました。その後、新しいジンバブエドルが発行されるようになりましたが、紙幣不足のため米ドルの流通を一時的に認めています。

また、ベネズエラでは2008年ごろから、断続的な物価上昇とそれに伴う通貨単位の切り下げが発生しています。特に2013年以降はインフレ率が高まり、年率170万%に達した年もあるとのことです。

どちらの国も、政府によって歯止めなく通貨が発行され、最終的には国民の生活基盤が崩壊しました。

日本でハイパーインフレが起こる可能性

経済のイメージ
(出典) pixta.jp

日本経済の先行きを考える上で避けられない論点が、ハイパーインフレの可能性です。現在の日本は、極端な物価上昇というリスクにどれだけ近づいているのでしょうか?

■日本の財政状況と過去の事例

日本では、第二次世界大戦後に物価が数十倍となる急激な現象が起こりました。当時は戦争による経済の疲弊や、社会的な混乱が極端な物価上昇につながったと考えられます。

現在の日本は政府の債務が多くなっており、財政状況が良いとはいえませんが、当時のような戦後の混乱はありません。

政府の債務の多さを考えると、戦後と似たような状況であるといわれているものの、世界で起きているような急激な物価上昇が、日本で発生する可能性は低いと考える専門家が多いようです。

■急激な物価上昇が起きる兆候とは

もし日本で極端なインフレが起きるとすれば、何か兆候はあるのでしょうか?どのような場合に警戒すればよいのか、ポイントを解説します。

まずは、これまでの事例と同じように、政府が通貨を過剰に発行する傾向があれば、リスクが高まっていると考えられるでしょう。

また、戦争・クーデターなど社会的に大きな混乱が起きるような状況も、物価が上がるきっかけになります。

そのほか、消費者物価指数が突然大幅に上昇するなどの問題があれば、ハイパーインフレに突入していると考えられるかもしれません。

ハイパーインフレに備える具体的な資産防衛対策

資産形成
(出典) pixta.jp

物価が上がり続け、通貨の価値が下がるという危機的な状況では、資産を守るための適切な対策が不可欠です。物価上昇が続く事態に備え、どのような資産選択や行動が効果的なのでしょうか?資産を守るための基本を押さえ、いざというときに備えましょう。

■物的資産を活用して資産を守る

急激な物価上昇の際には、物的資産が価値保全の強い味方となります。特に不動産は、物価上昇に連動して価値が上がる傾向があり、賃料の値上げも可能です。

家賃収入も確保でき、インフレ対策になります。ただし、不動産投資には知識や一定のコストが必要で、全ての人に向いているわけではありません。

そのほか、貴金属も有効な選択肢です。金やプラチナは、国を問わず共通の価値を持っています。通貨価値が暴落しても、貴金属を外貨に交換することができるでしょう。

投資方法は現物購入だけでなく、ETFや投資信託を通じた少額投資も可能です。リスク分散の観点から、複数の資産を組み合わせる方が安全性が高まります。

■一般家庭でできるハイパーインフレへの備え方と行動計画

ハイパーインフレに備えるためには、ある程度の資産を投資に回すことが有効です。

特に外貨資産に投資すれば、自国の通貨が暴落した場合でも影響を受けにくくなります。ハイパーインフレに備えるのであれば、外国株や外国の債券、外貨預金などを検討してみましょう。

また、普段の買い物でも、保存の利く日用品・食品のストックを、少しずつ増やしておくことが有効です。ストックが十分にあれば、インフレによって収入が上がるまでの期間を、乗り切れる可能性が高くなります。

ハイパーインフレの対策を考えておくことも態勢

硬貨
(出典) pixta.jp

ハイパーインフレは、急激な物価上昇現象で、通貨価値の暴落を引き起こします。主な原因は、過剰な通貨発行・政治的混乱・財政赤字の増加などです。

歴史的に見ても、戦後の日本を含むさまざまな国で、急激な物価上昇が起きています。現在の日本でも、財政状況によってはリスクが存在し、経済指標や社会状況から前兆を把握することが重要です。

対策としては、不動産や貴金属など物的資産への投資が有効といわれています。

構成/編集部

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