
オフィスでドアを強く閉める人の心理には、「周囲を気にしていない」「習慣化している」「ストレスを発散している」などの要因があります。対処法としては、静音パーツの活用、職場全体でマナーを共有する、自分の受け流す力を育てることが有効です。音の問題にストレスを感じたら、環境を整えたり考え方を変えたりすることで、快適な職場づくりにつながります。
CONTENTS
オフィスで作業をしていると、後ろから「バタン!」と響くドアの音。頻繁に続くと、気になって集中できなくなることもありますよね。「なんでこの人、こんなに音を立てて閉めるんだろう?」「もしかして怒ってるのかな?」そんなふうにモヤモヤしながらも、結局なにも言えずにやり過ごしてしまう。そんな経験、ありませんか?
今回は、職場にいる「ドアを閉める音がうるさい人」の心理背景と、現実的な対処法をまとめました。ちょっとした行動の裏にある無意識のクセを知ることで、気持ちがラクになるヒントが見つかるかもしれません。
ドアを閉める音がうるさい人の心理や特徴とは?
音を立ててドアを強く閉める行動には、本人も気づいていないクセや、意外な心理が隠れていることもあります。中には、無意識のうちにその行動が習慣になっていたり、何らかの感情が関係していたりするケースも。ここでは、よくある心理や特徴を3つに分けてご紹介します。
(1) 周りのことを気にしていない
ドアの音が大きいことを誰かに指摘された経験もなく、自分のたてる音に無自覚なタイプです。相手の気持ちよりも自分のペースを優先しがちで、自分の行動がどう見られているかにあまり関心がない傾向があります。
悪気はないものの、周囲への配慮がやや欠けている、という特徴があるかもしれません。注意されない限り、自分が不快感を与えていることに気づかないこともあります。
(2) 強く閉めるのが当たり前になっている
家庭や以前の職場で、ドアを勢いよく閉めることが日常になっていた人は、それがクセとして染みついていることも。
たとえば、実家のドアが重かった、身近な大人がいつも音を立てていたなど、音を気にしない環境で育った場合、本人は「普通に閉めてるだけ」と感じていて、うるさい自覚がないこともあります。こうした背景から、その人にとってはそれが当たり前になっているケースもあるのです。
(3) ストレスを発散している
仕事の忙しさや人間関係のモヤモヤを、言葉ではなく行動で発散してしまう人もいます。
たとえば、会議で納得できなかったり、ちょっとしたトラブルがあったりしたときに、ついバタン!とドアを強く閉めてしまう。そんな場面に心当たりがある方もいるのではないでしょうか。
これは、気づかないうちに感情を吐き出しているサインかもしれません。また中には、「言わないけれど気づいてほしい」と思っている人もいます。誰かにわかってほしいという気持ちが、無意識のうちに行動として表れていることもあるのです。ドアの音は、そうした感情の出口になっているのかもしれません。
ドアを閉める音がうるさい人への3つの対処法
気になるけれど、注意しづらいドアの音問題。毎日繰り返されるからこそ、じわじわとストレスが溜まりやすく、無視できなくなってしまうこともありますよね。
ここでは、無理なくできる3つの対処法をご紹介します。負担を少しでも減らすために、自分に合った方法を見つけてみましょう。
(1) 物理的な対策を試してみる
まずは、「音そのものを減らす」という視点から対処してみるのもおすすめです。たとえば、ドアクローザーや静音パーツを取り付けたり、市販のクッションテープを貼るだけでも、衝撃音はかなりやわらぎます。
こうした問題は、相手に直接言いづらいもの。だからこそ、環境から整えるアプローチはとても効果的です。自分で対応できないときは、気になるドアについて施設担当や総務に相談してみるのも良いかもしれません。些細な工夫でも、音のストレスは大きく変わることがあります。
(2) 職場全体のマナーとして共有する
本人に直接注意するのは気が引ける……。そんなときは、「みんなで気をつけよう」という空気をつくるのが有効です。
たとえば、「静かにドアを閉めましょう」といった貼り紙を出す、朝礼などで軽く呼びかけるなど。特定の人を名指しするのではなく、職場全体のマナーとして伝えることで、やんわりと本人に届く可能性があります。
また、必要に応じて上司からさりげなく伝えてもらう、という方法もあります。注意のハードルが高い場合は、こうした全体への呼びかけが角が立ちにくくおすすめです。
(3) 自分の「気にしない力」を育てる
とはいえ、すべての音に対処し続けるのは難しいもの。だからこそ、自分の心を守る方法も持っておきたいところです。
たとえば、ノイズキャンセリングイヤホンを使う、ドア付近の席を避ける、「こういう人なんだな」と一歩引いて受け流すなど。気にしすぎない工夫を続けていくことで、気持ちがラクになる場面が増えていくかもしれません。
完璧に気にしないのは難しくても、「まあいいか」と思える回数が少しずつ増えるだけでも、心の疲れ方は変わってくるはずです。
ストレスを溜め込みすぎないように、自分を守る方法を見つけよう
ドアを強く閉める音に、ついイライラしてしまうこともありますよね。相手の行動の背景には、無自覚さやストレスなど、ちょっとしたサインが隠れていることも。
今は、ドアの音をやわらげるアイテムも充実しています。環境面から音を減らす工夫を試してみるのも、ひとつの方法です。
また、「こういう人もいる」と割り切って受け流す力を育てていくことで、気持ちが少しラクになることもあります。ストレスを溜め込みすぎないように、自分を守る方法を少しずつ見つけていきましょう。
文/高見 綾
心理カウンセラー|“質上げ女子”のお悩み相談。カウンセラー養成コースで豊富な臨床経験を積み、心の世界で学んだことを現実に活かすアプローチに高い評価をいただく。相談数4千超。著書は『ゆずらない力』(すばる舎)。
否定から入る人の心理状態とは?職場で出会う〝そのひと言〟の対処法
会議で新しいアイデアを出したとき、「いや、でも…」と即座に返される。そうしたやりとりが続くと、話すのが億劫になりますよね。 否定から入る人に、「なんで毎回こうな...
イライラしている人との上手な付き合い方【職場のストレス解消術】
職場にイライラをまき散らしている人がいると、周りの人までその影響を受けてしまいますよね。話しかけるのにも気を使ったり、「自分のせいかな?」と考えて疲れてしまった...
机が汚い人の頭の中はどうなっているのか?共通する特徴と意外な心理状態
職場でふと隣の席を見ると、山積みの書類、散らばる文房具。「なんでこんなに机が散らかってるんだろう?」と気になったこと、ありませんか? 机が汚いと、職場では「だら...