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トランプ関税の影響が懸念されるメキシコに進出している日本企業746社、生産コスト増加への対応や生産拠点の移管を検討へ

2025.04.08

今回のアメリカ・トランプ大統領による「トランプ関税」で、メキシコは最も影響を受ける国の一つと考えられているが、日本にとっても自動車部品を中心とした現地進出企業も多いだけに、今後の情勢が気になるところ。

そこで帝国データバンクは、保有する企業信用調査報告書ファイル(CCR、約200万社収録)やその他公開情報などを基に、現地企業への出資、現地法人および関係会社・関連会社の設立・出資、駐在所・事務所の設置などを通じて、メキシコに進出している日本企業の分析を行なった。

本稿では同社リリースをベースに、その概要をお伝えする。

メキシコに進出する日本企業746社、6割超が自動車産業

メキシコに進出している日本企業は、2025年3月調査時点で746社に上ることが判明した。第1次トランプ政権期間中の2018年7月調査時(715社)と比較すると、新たに現地法人や工場拠点、駐在事務所などを開設した「新規参入」が163社、拠点閉鎖、倒産・廃業など「撤退・所在不明」が132社判明し、同期間では31社・4.3%の純増となった。

このうち、トヨタやホンダなど国内完成車メーカー8社(バス・トラックを除く)を頂点とした「自動車産業(サプライチェーン)」に属する企業は487社に上り、進出企業全体の65.3%を占めた。

特に、メキシコ国内で北米向けの完成車を製造する日系自動車メーカー4社(トヨタ・ホンダ・日産・マツダ)向けのサプライヤーが多かった。

自動車メーカー別(重複あり)にみると、トヨタ向けに部品を供給するサプライヤーが404社判明し、4社の中で最も多かったほか、進出企業全体の5割超を占めた。以下、ホンダ:302社、日産:268社、マツダ:224社と続き、それぞれ進出企業全体の3割以上を占めている。

なお、自動車産業487社のうち、自動車部品などの製造業(メーカー、349社)が約7割に達している。

日本企業のメキシコ進出をめぐっては、米国向け自動車生産が活発化したことを背景に、ティア2・3に位置する自動車サプライヤーでもメキシコ拠点の新設や拡充計画を実行に移した企業がみられた。

また、メキシコ市場への成長期待から、モノ・サービスの販売拠点や工場設備などのメンテナンス拠点として進出するケースも多い。こうしたなか、米国によるメキシコへの追加関税を受け、足元では生産拠点の米国移管といった事業再編を検討・実施する動きも想定され、メキシコ国内に進出する自動車サプライチェーン全体に対して影響が及ぶとみられる。

■「工場・製造拠点」としての進出が約4割を占める

メキシコへの進出形態では、全746社のうち308社(41.3%)が現地での「工場・製造拠点」として進出していた。このうち、メキシコに進出している自動車産業(487社)では244社(50.1%)が製造拠点として進出しており、自動車産業のうち「製造業」に限定すると、349社のうち217社(62.2%)を占めた。

自動車に関連する部品製造以外では、建設機械や情報通信機器、電子部品、医薬品、食品関連製品など、他の産業向けの製品を製造するケースもみられた。

業種別最多は「製造業」 自動車向けの部品製造が多い

メキシコに進出する日本企業746社を業界別にみると、『製造業』が最も多く(481社)、全体の64.5%を占めた。『製造業』のうち、最も多い業種は「自動車部品製造」(49社)だった。

日系完成車メーカー向けのドアロック製品などセーフティ部品のほか、コンプレッサー、車体部品など、幅広い部品で進出が見られた。

「自動車駆動・操縦・制動装置製造」(26社)は、ハンドル・ステアリング装置やブレーキ装置などの現地生産がみられた。樹脂製品製造が目立つ「工業用プラスチック製品製造」(21社)、自動車用エンジン部品をはじめとする「自動車用内燃機関製造」(14社)など、総じて自動車向け部品に関連するメーカーの進出が目立っている。

次いで多い『卸売業』は133社(17.8%)となり、製造業を含めた2業種で全体の約8割を占めた。『卸売業』では、切削機械などの「電気機械器具卸売」(21社)が最も多かったほか、商社などの「各種商品卸売」(16社)、「鉄鋼卸売」(14社)などが続く。

卸売業でも、自動車向けの加工機や電子部品の輸出入といった事業で、メキシコ現地拠点を有する企業が多数となっている。

■トランプ関税、メキシコ現地での生産活動に影響必至

米国のトランプ大統領は日本時間の3月27日早朝、輸入自動車に対して25%の関税をかけると発表した。これに伴い、対米輸出が多いメキシコや日本国内の自動車産業では北米事業での大幅なコスト増が見込まれ、採算悪化やコスト負担の転嫁に伴う製品価格上昇による販売減といったシナリオが想定される。

メキシコ国内では進出企業の約4割、現地に進出する自動車産業では半数の企業が現地工場や生産活動を行っている。部品を供給している中小サプライヤーのほか、鉄鋼や半導体、工作機械など、幅広い産業に少なくない影響を及ぼす可能性がある。

関連情報
https://www.tdb.co.jp/index.html

構成/清水眞希

 

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