総人件費は平均4.50%増加見込み、中小企業の従業員給与は平均4.48%増と試算
2025年度の自社の総人件費が2024年度と比較してどの程度変動すると見込むかを尋ねたところ、「増加」[1]を見込んでいる企業は73.6%(前年比1.5ポイント増)と、この質問を取り始めた2016年度以降で最高となった。
一方、「減少」すると見込む企業は4.8%(同0.5ポイント減)と3年連続で過去最低を更新していた。その結果、総人件費は前年度から平均4.50%増加すると見込まれる(大企業が平均4.65%増、中小企業が平均4.47%増)。
従業員の給与は、総人件費の伸び率と同程度の平均4.50%と試算(それぞれ平均4.65%、平均4.48%)、賞与は平均4.44%(それぞれ平均4.63%、平均4.43%)、さらに各種手当などを含む福利厚生費も平均4.46%増加(それぞれ平均4.65%、平均4.44%)と試算される。
また、大企業において、総人件費の増加率が5%以上とした企業は27.3%(前年比3.0ポイント増)、中小企業でも総人件費の増加幅が5%以上の企業は29.5%(同1.6ポイント増)となった。
[1] 「増加」(「減少」)は、「20%以上増加(減少)」「10%以上20%未満増加(減少)」「5%以上10%未満増加(減少)」「3%以上5%未満増加(減少)」「1%以上3%未満増加(減少)」の合計
まとめ
本調査の結果、2025年度に賃上げを見込む企業は61.9%となり、調査開始以降で初めて6割を超えた。
特に、ベースアップにより賃上げを進めようとする企業が2年連続で半数を超えており、恒常的な所得の底上げによる個人消費の拡大に向けた流れに進みつつあるようだ。
2024年度の実績では企業の77.1%が賃上げを実施し、過去最高を更新している。2025年度は、最終的にこの実績をさらに上回ることが予想される。
総人件費も企業の73.6%が増加を見込んでおり、2年連続で7割超の企業が増加を予測していた。金額ベースでも約4.50%の上昇が見込まれており、調査開始以降で最も高い上昇率だ。
賃上げを行う理由として7割を超える企業が「労働力の定着・確保」をあげており、高水準な人手不足の状態が引き続き経営リスクとなっている。
企業は「同業他社の賃金動向」を注視しながら賃上げを行う機会が増えている。企業が生き残りを図るためには、継続的な利益の確保が従来以上に重要となる。
2025年の春闘は前年以上の賃上げを求める動きが強まり、政府は大幅な賃上げ実現に向けた後押しを進めている。
さらに、2025年4月入社の新卒社員に支給する初任給を前年度から引き上げる企業は7割に達していた[1]。
2025年は実質賃金の継続的な上昇と個人消費拡大による好循環が焦点となる。これまで賃金と物価上昇の好循環に向けた政策が実施されてきたが、いよいよ実態経済の上昇をともなう次のステージへステップアップする段階に来ているようだ。
[1] 帝国データバンク、「初任給に関する企業の動向アンケート(2025年度)」(2025年2月14日発表)
構成/Ara