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「すき家」でネズミに続いてゴキブリの一部が混入、外食企業初の売上高1兆円達成に影響は?

2025.04.02

「すき家」が異例の事態に見舞われています。

東京都内の店舗で提供した商品にゴキブリの一部が混入し、害虫・害獣の侵入を防ぐ目的で3月31日から4月4日までの間、ショッピングセンターなど一部店舗を除く全店を閉店すると発表しました。

ネズミ混入に次ぐ異物混入で、信頼回復の道のりがいっそう険しくなりました。

東京都だけで年間500件寄せられる異物混入のクレーム

※画像はイメージ

「すき家」を運営するゼンショーは、ネズミの混入を受けて3月27日に具体的な状況についての報告を行ったばかりでした。混入に至る時系列の詳細から、その後の対応まで詳細にまとめられています。また、異物混入と情報の公開が遅れたことについて、改めて謝罪しました。

ネズミが混入した店舗は、大型冷蔵庫が店外に面しており、下に設置されたゴム製パッキンのひび割れから侵入した可能性が高いと結論づけています。

このタイプの店舗は全国1971店舗中72店舗で、特殊な事例だったために情報の公表を見合わせていました。

店舗の害獣施工や保健所の現地確認を経て営業を再開したといいます。同タイプの店舗のパッキンを確認し、その他懸念箇所の修繕も行いました。

すき家は3月22日にネズミが混入したことを認め、従業員が提供前に商品状態の目視確認を行ったためだと説明していました。やはり、この説明だけで消費者の不信感を払拭するのは難しかったのでしょう。3月27日に発表した詳細説明で信頼回復に向けた準備を整えましたが、次なる難題が発生しました。

飲食店や食品を扱う事業者にとって、異物混入は避けて通れません。

東京都健康医療局によると、2023年の食品の苦情件数は4650件。そのうち、異物混入は11.7%の546件でした。前年もほぼ同数。東京都だけで年間500件以上もの異物混入に関する苦情が寄せられているのです。その中でもハエやゴキブリなど虫の混入が多く、防ぐのが非常に難しい様子がわかります。

ポイントは企業がそれにいかに対応するか。かつて「ペヤング」のまるか食品は、ゴキブリの混入写真が出回って生産販売を休止しました。工場設備の改修まで行い、7か月間もの間製造を停止しました。

一連の対応に世間の関心が高まり、販売再開は大いに歓迎される結果となったことはよく知られています。

10%近い驚異的な利益率を誇るすき家

すき家がどれほどの期間で信頼回復が図れるのかは未知数。長期に及べば業績への影響は避けられません。

なにしろゼンショーは業績が絶好調で、2025年3月期に外食企業初の売上高1兆円達成を目前に控えているのです。

稼ぐ力も際立っています。グローバルすき家の営業利益率は9.1%。吉野家の5.6%、松屋の3.7%(吉野家は吉野家事業単体、松屋は他業態を合わせた全体)などと比較をすると、稼ぐ力は競合を大きく引き離しています。

すき家は繁華街やロードサイドなど出店形態を多様化させ、豊富なメニューを取り揃えてファミレス化していました。「炭火焼きほろほろチキンカレー」が大ヒットしたように、牛丼以外の商品開発力も強く、顧客の支持を得ています。

ファミリーレストランのガストやカレーのココイチで食事をすれば、1000円を超えることも珍しくなくなりました。メニューの幅を広げたすき家は、インフレ下において庶民の味方となったのです。

すき家の既存店は2024年4月から2025年2月までの客単価が前年と比べて7.5%上昇していますが、客数も2.8%増加しています。客単価の増加は価格改定の影響が大きいものと考えられますが、客離れが起こっていません。相対的な価格の安さが支持されているのでしょう。

吉野家の既存店は客単価が6.8%上昇した一方、客数は0.7%の増加に留まっています。集客に影響が出ないよう、薄氷を踏むような価格改定を行っている様子が伝わります。

ゼンショーはM&Aによって業態を多角化していることも特徴の一つ。2023年にロッテリアを買収して世間を驚かせました。回転ずし、ハンバーガー、ファミリーレストランなど、業態の幅を広げることはリスクヘッジにもつながります。巧みなM&A戦略を長い時間をかけて進めてきました。

半年で500店舗を海外で出店

海外進出の勢いも強めています。

2024年4-9月における新規出店数は543。そのうち国内は38に過ぎません。実に505店舗が海外への出店なのです。

ゼンショーは2018年10月にアメリカとカナダ、オーストラリアで寿司のテイクアウト店を展開するアドバンスド・フレッシュ・コンセプツ(AFC)を買収していました。出店を強化している業態の一つがこのAFC。海外の日本食、寿司ブームも後押ししてスーパーなどに店舗網を築いています。

日本の飲食事業は内需主導型と言われてきました。しかし、国内の飲食店は飽和しており、人口も減少していることから拡大余地は大きくありません。足元では円安基調が続いていることもあり、外貨の獲得は収益性の拡大において大きなメリットも持っています。

積極的なM&Aや海外展開など、ゼンショーは外食企業の中でもトップランナーとして道を切り開いてきた印象があります。今回の異物混入騒動は、ここ最近で最大の山場と言えるのではないでしょうか。いかにしてこの危機を乗り切るのか。そのかじ取りに注目が集まります。

文/不破聡

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