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ビジネスシーンでどう使う?覚えておきたい「杓子定規」の語源と言葉の意味

2025.12.28

「杓子定規(しゃくしじょうぎ)」は、型通りで柔軟さが足りない態度、やり方を意味する四字熟語だ。ネガティブなニュアンスがある言葉だけに、とくにビジネスシーンでは、使用する際、じゅうぶん注意する必要がある。

この記事では、杓子定規の意味、ビジネスシーンでの使い方を例文や類語、関連用語も挙げながら、わかりやすく解説する。

杓子定規(しゃくしじょうぎ)の意味

まずは、基本的な意味から確認していこう。

■杓子定規(しゃくしじょうぎ)とは?

「杓子定規」とは、すべての物事を1つの基準や規則に当てはめて処理しようとすること。また、融通の利かないやり方や態度という意味だ。

ビジネスシーンでは、「杓子定規な回答」「杓子定規な対応」のように、事務的で紋切り型、血の通わないマニュアル主義といった意味合いで使うことが多い。

■杓子定規(しゃくしじょうぎ)の類語・関連用語

次に、杓子定規の類語や関連用語(対義語・英語表現)を紹介する。

【類語】

・四角四面

まじめすぎて堅苦しく、面白みに欠けること。 

・融通が利かない

考え方や態度が頑なで、改まる様子もないこと

・マニュアル通り

物事の進め方が型にはまっていて、外れていないさま。定石通りに行うという意味がある一方、気持ちの伴わない、形だけの対応というニュアンスもある。

【対義語】

・融通無碍(ゆうずうむげ)

考え方や行動が何ものにもとらわれず、自由であること。「無碍(むげ)」とは、妨げのないことを意味し、仏教に由来する言葉。

・臨機応変(りんきおうへん)

状況に応じて、適切な手段を取ったり、対応を変えること。

・フレキシブル

柔軟な様子、融通が利くという意味。英語の「flexible」に由来している。

ちなみに、働き方改革の一環で導入が進みつつあるフレックスタイム制では、労働が義務付けられている時間帯を「コアタイム」、労働時間を自由に決めることができる時間帯を「フレキシブルタイム」という。そのため、フレキシブルという言葉に馴染みのある方もいるだろう。

・ケースバイケース

 原則や方針にとらわれず、個別の事情に応じて物事に対処すること。

【英語表現】

・rigid

硬直した、堅苦しい、厳正な、融通の利かない。

・inflexible

変更できない、強情な、頑固な、柔軟性のない。

■杓子定規(しゃくしじょうぎ)の語源

「杓子定規」の語源だが、この言葉は、当初「杓子を定規として使う」という意味で使っていた。

ちなみに「杓子」は、丸い皿形の頭に少しカーブした柄がついている調理道具のこと。現在も、「お玉杓子」、ご飯をよそう「しゃもじ」として日常的に使用されている。

そんな杓子を、長さを測る定規として使うには無理がある。そこから、本来、正しくないものを基準として用い、様々な出来事を判断するという意味で使われるようになったといわれている。

※出典:小学館 デジタル大辞泉「杓子定規(シャクシジョウギ)とは?意味や使い方-コトバンク」

杓子定規(しゃくしじょうぎ)の例文

ここからは、杓子定規の例文とビジネスシーンでの使い方を解説しよう。

■杓子定規(しゃくしじょうぎ)の例文

日常生活における杓子定規の例文は次の通りだ。

・配慮に欠けるという意味合いを表現

「窓口で杓子定規な対応をされ、いつもより時間がかかってしまった」

・人や性格を説明

「彼女は杓子定規な人なので、今回の提案は気に入らないだろう」

また、杓子定規は、下記のように強調して使うこともある。 

・強調表現

「この非常時に、彼の対応はあまりにも杓子定規に過ぎる」

■杓子定規(しゃくしじょうぎ)のビジネスシーンの使い方

では、ビジネスシーンでは、どのように使うのが正解なのだろうか。以下、具体的なシーン別に例文を挙げる。

・クレーム案件の報告書

「お客様からのお問い合わせに杓子定規な回答をしてしまい、トラブルに発展してしまった」

・業務効率化がテーマの社内会議の場で

「杓子定規な考え方では、課題を解決できない場合もある。ときには、部署の垣根を超えて柔軟に対応することも必要だ」

・カスタマーセンターの新人研修で

「どんなときも顧客に寄り添い、杓子定規な対応をしないよう、心がけよう」

まとめ

「杓子定規」は、1つの基準やルールのみで物事を判断しようとする、融通の利かない態度などをいう。悪い意味で使われることが多いため、使う場面を選ぶ四字熟語でもある。不適切に用いることで無用なトラブルを招かないよう、ビジネスシーンでは、とくに使い方に気をつけていきたい。

文/木戸史(きどふみ)

立命館大学文学部卒業後、営業、事務職、編集アシスタントなどを経て、社会保険労務士事務所で社労士として勤務。現在はライターとして活動しており、社労士として多くの中小企業に携わった経験を生かし、ビジネスマンに役立つ法律知識をできるだけわかりやすく発信している。

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