「スタートアップは成長第一。部活動のノリも必要」と本田は提言
「今日、4対4のゲームをやってみて感じたのは、(先端技術を活用した)テック色の強いチームは初戦敗退の傾向が強かったということ。スポーツ色を持つ人がテック系の会社には少ないんだろうと感じます。
逆に営業色が強い会社を見ると、チーム全体が部活動のノリで『みんなでガムシャラに売り上げを高めていくんだ』といった機運が感じられる。スタートアップというのはやはり成長第一ですから、そういうパワーが必要なのかなとも思います」と本田はサッカー人らしい発言をしていたが、組織力や一体感、チームで物事を進めていく活力やパワーといったスポーツのいい部分が新進気鋭の企業にもたらされれば、新たな起爆剤になるだろう。単にファンドのトップとして資金を投じるだけでなく、そういったアドバイスも本田は積極的に行っていくことになりそうだ。
元トップアスリートとしてのマインドはスタートアップ企業経営者に響いたはずだ(筆者撮影)
「今回のデカコーンカップには投資家は参加しませんでしたが、実際には『自分たちも出たかった』という声を数多くいただきました。もともと夜の懇親会に来ていただくことにはなっていましたが、やはり4対4で一緒にボールを蹴り、コミュニケーションを図った方がいい。次からは投資家も参加してもらう形で進めていきます」と本田は次回以降のプランも口にしていたが、このイベントが新たな事業資金を求める側と資金を捻出する側がいい関係性を構築する一助になればベスト。そういった場を提供すべく、彼は自身の知名度と資金力、ネットワークを駆使して、大きな輪を作っていくに違いない。
サッカー人という枠組みを越えて、ビジネス界でも存在感を高めていく本田圭佑。そういう人材がスポーツ界からどんどん出てくれば、スポーツの価値も高まるし、資金の有効活用にもつながる。彼を中心により多くのアスリートがスタートアップ企業の支援に注力するようになれば、少子化日本の未来にも明るさが見えてくるのではないか。(本文中一部気省略)
格闘家・皇治とのビジネス面でのコラボレーションも期待される(筆者撮影)
取材・文/元川悦子
長野県松本深志高等学校、千葉大学法経学部卒業後、日本海事新聞を経て1994年からフリー・ライターとなる。日本代表に関しては特に精力的な取材を行っており、アウェー戦も全て現地取材している。ワールドカップは1994年アメリカ大会から2014年ブラジル大会まで6大会連続で現地へ赴いている。著作は『U−22フィリップトルシエとプラチナエイジの419日』(小学館)、『蹴音』(主婦の友)『僕らがサッカーボーイズだった頃2 プロサッカー選手のジュニア時代」(カンゼン)『勝利の街に響け凱歌 松本山雅という奇跡のクラブ』(汐文社)ほか多数。