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人手不足対策として「スキマバイトサービスの利用」が「バイトの募集」に次いで2位にランクイン

2025.03.31

メルカリは、2024年3月に提供を開始したスキマバイトサービス「メルカリ ハロ」に関連して、事業者が次年度の人手不足対策を考える年度末に、スキマバイト利用の多い3業界に焦点を当てた「物流・飲食・小売業界のスキマバイト活用実態」に関する調査を実施。結果をグラフにまとめて発表した。

この調査では人手不足を感じて、スキマバイトを活用している物流・飲食・小売事業者600名を対象として、人手不足課題やスキマバイト活用実態を調べている。

本稿は同社リリースをベースに、その概要をお伝えする。

人手不足対策としてのスキマバイト利用の浸透について

■物流・飲食・小売業界のスキマバイト利用事業者の83.3%は「人手不足が深刻」

人手不足の深刻度について質問したところ、83.3%の物流・飲食・小売業界のスキマバイト事業者が「人手不足が深刻」と回答した。

また、スキマバイト導入のきっかけについても質問したところ、「繁忙期/閑散期に合わせて雇えるため(46.5%)」「短い時間でも募集することができるため(43.2%)」「突発的な人手不足に対応できるため(39.2%)」など、スキマバイトの柔軟性に関する項目が多く挙がったほか、およそ3店舗に1店舗(31.2%)が「スキマバイトがないとお店が回らない」と回答した。

■人手確保が難しい最大要因は「繁忙期・閑散期の差が激しくレギュラーバイト(派遣)を起用するとコストがかかる」

人手確保が難しい要因について質問したところ、「繁忙期・閑散期の差が激しくレギュラーバイト(派遣)を起用するとコストがかかるため(38.0%)」「セールなどの繁忙期が突発的に来るため(37.5%)」「早朝・深夜などの人が集まりにくいシフトもあるため(37.3%)」がトップ3となり、いずれもレギュラーバイトだけでは解決が難しい課題が上位にランクインした。

■人手不足対策の第2位に「スキマバイトサービスの利用(45.3%)」がランクイン

人手不足対策として行っていることとして、「アルバイト・パートの新規募集(75.7%)」に次いで「スキマバイトサービスの利用(45.3%)」が第2位にランクイン。「働き手への賃金の一時的なアップ(44.5%)」「派遣事業者の利用(31.7%)」などを超え、人手不足対策のメジャーな選択肢として定着しつつあることがわかった。

■約6割(57.8%)が直近1年で「スキマバイトサービスの活用が増えた」

スキマバイトサービスの利用開始時期について質問したところ、「直近3ヶ月以内(10.5%)」「直近半年以内(15.5%)」「直近1年以内(34.5%)」で、合計60.5%の事業者が1年以内にスキマバイトを活用し始めたことが判明した。

また、直近1年のスキマバイトサービス活用について質問したところ、「増えた(19.8%)」「やや増えた(38.0%)で、合計57.8%が直近1年でスキマバイト活用が増えたと回答し、直近1年でスキマバイトを利用する事業者の数だけではなく、利用頻度も増加していることもわかった。

■約8割(78.5%)が「スキマバイトサービスに満足している」

スキマバイトの満足度を質問したところ、「とても満足だ(13.2%)」「満足だ(65.3%)」で合計78.5%がスキマバイトサービスに満足だと回答した。

また今後の利用意向についても質問したところ、「非常に活用に前向きである(16.8%)」「活用に前向きである(53.5%)」 で合計70.3%が活用に前向きであるという結果が得られた。

業界別に見るスキマバイト活用の違い

■物流業界は月曜・水曜・木曜日等の平日のスキマバイト活用が多い傾向。飲食・小売業界は週末の金曜・土曜・日曜に集中

スキマバイトを活用する曜日について質問したところ、物流業界では「月曜(26.0%)」「水曜(28.5%)」「木曜(25.5%)」が飲食・小売業界と比較して10〜15pt高い傾向が現れた。

一方で飲食業界においては「金曜(33.5%)」「土曜(39.0%)」「日曜(36%)」が高い結果となり、小売業界は「土曜(30.5%)」「日曜(33.0%)」が高い結果となっている。

■物流業界は早朝・深夜、飲食業界はピーク帯、小売業界はピーク帯の手前が他業界より高い

スキマバイト活用の時間帯についても質問したところ、物流業界はアルバイトや派遣社員が集まりづらい「早朝(4時~7時頃)」「深夜(22時~3時頃)」に人手が足りず、飲食業界は営業ピーク帯である「お昼(12時~13時頃)」「夜(19時~21時頃)」、小売業界は品出し等の準備の際にスキマバイトを活用するケースが多いことから、営業ピーク帯の少し手前の「午前(8時~11時頃)」「夕方(17時~18時頃)」でのスキマバイト活用が他業界より高いことが判明した。

■1回あたり雇用するスキマバイトの人数は物流業界が平均15.7人で飲食業界(平均3.4人)と比較して4倍以上

一拠点あたりで1日に雇用する人数を質問したところ、物流業界が平均15.7人で、飲食業界(平均3.4人)と比較して4倍以上の人数を雇用しており、倉庫で一斉作業をするため一度にたくさんの人手が必要なことが明らかになった。

■物流・小売業界では2割近くがスキマバイト。小売業界では10割スキマバイトで回している店舗も

回答者が勤めている店舗における非正規雇用社員の就業契約の内訳について、「契約・派遣社員」「パート・アルバイト」「スキマバイト」の割合を質問したところ、スキマバイト比率は物流業界と小売業界では平均1.8割、飲食業界では平均1.4 割となった。

また小売業界では、スキマバイトが10割であると回答した店舗もあった。

■マニュアルによる効率化:スキマバイトが働きやすいように工夫していること

スキマバイトの働き手が働きやすいように工夫していることについて質問すると、物流業界は「マニュアルを用意している(43.0%)」が最多で他業界より10pt程度高い。

前述の質問にもあったとおり、物流業界は1回あたりのスキマバイト雇用人数が多いことから、マニュアルによる効率化が重要だとの声が挙がっている。飲食業界では「なじみやすい雰囲気づくりをしている(48.0%)」が7pt程度高い結果になっている。

物流・飲食・小売業界の「メルカリ ハロ」活用実態

■メルカリ ハロ」でも「物流・倉庫」「販売・接客・サービス」「飲食・フード」の募集数がTOP3に

「メルカリ ハロ」の直近半年間の求人募集数を調べたところ、「物流・倉庫」「販売・接客・サービス」「飲食・フード」がトップ3にランクインしており、スキマバイトニーズの高さが推察できる。

■「メルカリ ハロ」での初勤務は約8割(78.0%)が「物流・倉庫」「販売・接客・サービス」「飲食・フード」のいずれか

「メルカリ ハロ」登録後に初めてスキマバイト勤務した業種について調べてみると、約8割(78.0%)が「物流・倉庫」「販売・接客・サービス」「飲食・フード」のいずれかで勤務していることがわかった。事業者の人手不足課題と働き手にとっての働きやすさのニーズがマッチしていると考えられる。

■「想定より幅広い世代の人が来て採用の間口が広がった」という声も

「メルカリ ハロ」を利用する物流・飲食・小売事業者に行ったヒアリングでは「想定より幅広い世代の人が来て採用の間口が広がった」という声が挙がっており、幅広い世代の「メルカリ」利用者が業界にとっての潜在的な働き手になることで、これまで繋がりのなかった働き手との出会いが生まれているようだ。

また、「メルカリ ハロで働いたクルーが店舗でよく買い物をしてくれるようになった」という声もあり、受け取った給与を即座に「メルペイ」にチャージできる機能もあり、スキマバイト後に来店客として店で買い物をする事例も出てきているようだ。

専門家コメント

<株式会社人材研究所 代表取締役社長 曽和 利光氏>

■「スキマバイトは「その場しのぎ」ではなく、企業の競争力を左右する時代へ」

人手不足が深刻化する中、スキマバイトの活用が広がっています。物流・飲食・小売といった業界では、慢性的な人材不足が続いており、正社員やパートだけでは対応しきれない状況です。

調査でも、約3店舗に1店舗(31.2%)がスキマバイトサービスがないとお店が回らないと回答していますが、活用できている企業とそうでない企業には大きな差があります。

ポイントは、「スキマバイトを単なる穴埋めの手段とするのか、それとも採用戦略の一部として位置づけるのか」という点です。スキマバイトを有効に活用している企業では、未経験者でも短時間で業務に適応できるような仕組みを整えています。

業務内容を細分化し、すぐに理解できるマニュアルを用意することで、初日から戦力として働ける環境を整備しているのです。

一方で、「とりあえず人を入れればなんとかなる」と考えている企業では、現場が混乱し、スキマバイトをうまく活用できていません。

スキマバイトを「その場限りの関係」のように扱ってしまうと、継続的に人が集まりにくくなります。一度働いた人がリピートしやすい仕組みを作ることが重要です。

リピーターが増えれば、教育にかかるコストが削減され、即戦力としての定着も進みやすくなります。「スキマバイトばかりでは業務が回らない」と言う企業があるとすれば、それは企業側の受け入れ体制に問題があると考えられます。

スキマバイトはもはや一時的な労働力ではなく、企業の競争力を左右する重要な要素になりつつあります。

「雇ってあげる」という時代はすでに終わりを迎え、「どうすれば選ばれるか」を真剣に考えなければ、人材の確保はますます難しくなっていきます。

スキマバイトを活用する企業は、単なる人手不足を解消するための手段ではなく、「長期的に関係を築ける採用母集団を拡充する戦略」として捉えるべきでしょう。

調査概要
調査タイトル/「物流・飲食・小売業界のスキマバイト活用実態に関する調査」
調査期間/2025年3月4日(火)~2025年3月6日(木)
調査方法/インターネットリサーチ
調査対象/全国、男女、18歳以上の人手不足を感じており、スキマバイトを活用している事業者

関連情報
https://about.mercari.com

構成/清水眞希

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