
自宅やカフェ、コワーキングスペースなど、オフィス以外の環境で業務を行うテレワークが普及してきているが、企業や個人はどのような「セキュリティ対策」を実施しているのだろうか。
NTTドコモ モバイル社会研究所では、2024年2月に全国の15~79歳男女6251人のテレワーク実施者を対象にセキュリティ利用動向について調査を実施した。
テレワーク実施者のセキュリティ利用動向、「最新のバージョンにアップデート」「最新のセキュリティソフト」が約4割
テレワークを実施している人に、テレワーク実施の際のセキュリティ対策を調査した。「OSやソフトウェアを最新のバージョンにアップデート」が36.9%、「最新のセキュリティソフト(ウイルス・危険サイト等への対策)を利用」が36.2%と上位であった。
続けて「信頼できないWi-Fiには接続しない」34.4%、「端末ロック(パスワード、指紋認証等)を利用」34.1%と続いている。
図1.テレワーク実施時のセキュリティ対策(2024年)
テレワーク実施時に、会社貸与のPCを使用しているか、自分のPCを利用しているかで、どのようなセキュリティ対策の違いがあるのだろうか。
会社貸与のPCを利用してテレワークを実施している人のセキュリティ対策は、「端末ロック(パスワード、指紋認証等)を利用」が43.6%、「VPNを利用」が42.7%と高かった。
また自分のPCを利用してテレワークを実施している人のセキュリティ対策は、「OSやソフトウェアを最新のバージョンにアップデートして利用」が47.5%、「信頼できないWi-Fiに接続しない」が42.6%、「最新のセキュリティソフト」が42.2%と高い結果に。
会社貸与のPCを利用しているか、自分のPCを利用しているかで施しているセキュリティ対策が異なることが明らかになった。
図2. テレワーク実施時に利用しているパソコン種別 セキュリティ対策
テレワーク実施頻度が高い人ほどセキュリティ対策を実施
続けてテレワーク実施頻度ごとに、テレワーク実施時のセキュリティ対策を調査。ここでは実施率上位3つを紹介しよう。
「(1)OSやソフトウェアを最新のバージョンにアップデートして利用する」は、全体で36.9%であった。テレワーク実施率が「月1回未満」の人は24.7%であったが、「週に2~3日」の人は46.9%、「週に4~5日」の人は42.6%という結果に。
図3. テレワーク実施頻度別 [OSやソフトウェアを最新のバージョンにアップデートして利用する](2024年)
「(2)最新のセキュリティソフト(ウイルス・危険サイト等への対策)を利用」は、全体で36.2%。テレワーク実施率が「月1回未満」の人は27.3%であったが、「週に2~3日」の人は47.6%、「週に4~5日」の人は39.8%。
図4. テレワーク実施頻度別 [最新のセキュリティソフト(ウイルス・危険サイト等への対策)を利用](2024年)
「(3)信頼できないWi-Fiには接続しない」は全体で34.4%という結果に。テレワーク実施率が「月1回未満」の人は23.4%であったが、「週に2~3日」の人は37.8%、「週に4~5日」の人は39.8%であった。
図5. テレワーク実施頻度別 [信頼できないWi-Fiには接続しない](2024年)
テレワーク実施時に実施しているセキュリティ対策の上位3つ「(1)OSやソフトウェアを最新のバージョンにアップデートして利用する」、「(2)最新のセキュリティソフト(ウイルス・危険サイト等への対策)を利用」、「(3)信頼できないWi-Fiには接続しない」は頻繁にテレワークを実施している人ほど対策をしていることが明らかに。
調査概要
2024年 次世代ライフスタイル調査
調査方法:Web
調査対象:全国・15~79歳男女
有効回答数:6251
サンプリング:QUOTA SAMPLING、性別・年齢(5歳刻み)・都道府県のセグメントで日本の人口分布に比例して割付
調査時期:2024年2月
関連情報
https://www.moba-ken.jp/whitepaper/
構成/Ara