産業医・鄭理香先生に聞く、新社会人の「グラグラワーク現象」と対処法
今回の調査結果から、今春の新社会人はワークライフバランスをとても重視していることが分かりました。
ワークライフバランスとは、「仕事と生活の調和」という意味で、ご自身が望むバランスで両者を充実させながら調和をとることで相乗効果が期待できます。
■新社会人を襲う4月の「グラグラワーク現象」とは?慣れない環境でバランスを崩してグラグラに
新生活が始まる4月、新社会人にとってはさまざまな環境が大きく変わる時期です。学生時代には受動的で許されていたことも、社会人としてのルールに沿った上で能動的な時間の使い方が求められます。
さらに、新しい仕事や幅広い年齢層にまたがる新しい人間関係など、それまでに経験したことがない大きな変化に直面します。その変化に対し、新社会人の多くは頑張って乗り切ろうと努力する。
今の自分がどうなっているのか、仕事と生活のバランスがとれているのかも分からないまま、試行錯誤しながらとにかくがむしゃらに頑張り続けてしまう。
慣れない環境の中で仕事と生活のバランスがうまくつかめず、心身共に不安定でグラグラしてしまう「グラグラワーク現象」に陥りやすい時期です。
■新社会人必携!「グラグラワーク現象」を回避するための、セルフケアの「さ・し・す・せ・そ」
適応しようと過剰に頑張り続ける状態を医学的には“過剰適応”と呼びますが、グラグラのまま“過剰適応”を続けると、ゴールデンウィーク明けにいわゆる「五月病」に陥ってしまう場合もあります。
そんなことにならないよう、この時期に心がけたいことがセルフケア。頑張り過ぎな「グラグラワーク現象」への対策として、セルフケアの「さ・し・す・せ・そ」をオススメします。
何か特別なことをするのではなく、毎日の生活の中で、プチ気晴らしを少しずつ意識して続けることがポイントです。
■新社会人を迎える先輩社会人もセルフケアマインドで! その心配りが“ウェルビーイング企業”へ
今春の新社会人はセルフケアマインドが高いという調査結果も出ていますが、彼らは学生時代にコロナ禍を経験しているので、自分で自分をケアしたり、大切にすることが身に付いているのかもしれません。
それは現役社会人の方も同様で、効率的に働いて無駄な残業をしないとか、ちゃんと休むとか、自分で自分を大切にする意識が高まり、実践されているように感じます。
そんな先輩社員の方たちが新社会人を迎えるに当たり、気を付けていただきたいことは、まずは話しやすい雰囲気をつくること。
仕事中になりがちなしかめっ面をやめて穏やかな表情にするだけでも、新社会人は仕事中に先輩に話しかけて大丈夫なんだとホッとできます。その安心感が新社会人の緊張感をほぐし、自分をいたわるセルフケアへとつながるのです。
第一三共グループでは「ワークライフサイクル」、つまり、バランスを保った生活を循環させる・維持させることが重要と考え、取り組みを行っていますが、今、生き生きと働きやすい“ウェルビーイング企業”が求められています。
そんな職場になるためには、上司も部下も一人一人がセルフケアできる環境づくりが大切です。
新社会人も現役ビジネスパーソンの皆さんも、職場全体がセルフケアをしていただき、誰もが生き生きと働きやすい・相談しやすい職場となることが、“ウェルビーイング企業”への第一歩につながります。
関連情報
https://www.daiichisankyo-hc.co.jp/health/
構成/Ara