
この春、社会人として新たな一歩を踏み出す新社会人たち。彼らは「仕事」と「私生活」のバランスについてどのように考えているのだろうか。
第一三共ヘルスケアは、4月から就職予定の学生(以下、新社会人)を対象にセルフケアに対する意識や新社会人生活への意欲や不安を調査した。
自分自身で健康を守り対処するセルフケア、新社会人の81.0%が認知し、53.0%が実践
この春、新社会人となる学生100人に、「セルフケア」(自分自身で健康を守り対処すること)に関する調査を実施。あわせて、20~60代の現役ビジネスパーソン男女1,000人にも同様の質問を行った。
自分自身で健康を守り対処するセルフケア、新社会人の81.0%が認知し、53.0%が実践。ビジネスパーソンに比べ、新社会人はセルフケアの認知率も実践率も高いことが判明。
新社会人にセルフケアという言葉の認知を聞くと、81.0%が「知っている」と答え、現役ビジネスパーソンの認知率77.5%と比べ3.5ポイント高くなっている。
また、「セルフケアとは、自分自身で健康を守り対処すること」と提示した上で、自身のセルフケアができているかを聞くと、新社会人の53.0%が「できている」と答え、ビジネスパーソンの実践率46.9%と比べ、6.1ポイント高くなっている。なお、新社会人がセルフケアにかけている1カ月の費用は平均で3,126円であった
セルフケアに対する意識を聞くと、新社会人の76.0%が「今後日本ではセルフケアの重要性が増すと思う」、78.0%が「セルフケアのために市販薬は役立つと思う」と答え、73.0%が「セルフケアのため、市販薬についてもっと知識を増やしていきたい」と答えている。
新社会人の多くがセルフケアの重要性や市販薬がセルフケアに役立つことを認識し、市販薬の知識をもっと身に付けたいと感じているようだ。
さらに、社会人になってセルフケアをどうしたいかについては、79.0%が「今以上にセルフケアに取り組みたい」と答え、4月からの社会人生活でも今まで以上に積極的にセルフケアに取り組むことを望んでいることが判明。
就職先選びは仕事内容よりワークライフバランスを重視、ライフとワークの“二刀流”に
続いて新社会人に仕事観について聞いた。まず、就職先を選ぶ際に重視したことを聞くと、「給与」(52.0%)、「勤務地」(47.0%)に次いで、「ワークライフバランス」(45.0%)と回答した人が3番目に多くなっている。
また、4月からの社会人生活で不安なことを聞くと、ワークライフバランスが保てるかどうか、自分のプライベート時間が減ることなどの「ワークライフバランス」(56.0%)を挙げた人が最も多くなっていた。
一方、就職先を選ぶ際の重視点として、新社会人の43.0%が「仕事内容・仕事へのやりがい」を重視し、47.0%が 社会人生活で「仕事内容」に不安を感じていることも判明。
令和の新社会人は、就職先を選ぶときも働き始めるときからも、ワークライフバランスを重視しているが、同時に、仕事を通して成長できるか、チャレンジできるかといった仕事へのやりがいも重視する傾向も見られる。生活を大切にしながらも、仕事にも充実感を求める“二刀流”の傾向が見て取れる結果に。
従業員の心身の健康や幸福、生活の質を重視し、働きやすい環境を提供する企業のことを“ウェルビーイング企業”と呼ぶ。
自分の会社に“ウェルビーイング企業”であることを求めるかと聞くと、新社会人の81.0%が「求めている」と答え、現役ビジネスパーソン(62.2%)より18.8ポイントも高くなっている。
就職先のウェルビーイング施策として期待することを聞くと、「ワークライフバランスの推進」(55.0%)、「働きやすい職場の雰囲気づくり」(50.0%)を期待する声が大きくなっていた。
4月からの希望する働き方について、六つの擬態語の中から一つだけ選んでもらうと、「コツコツ」(40.0%)が最も多く、次いで「さくさく」(21.0%)という結果に。
「ばりばり」(10.0%)や「がつがつ」(5.0%)は少なく、かといって「ゆるゆる」(7.0%)でもない、真面目にコツコツと堅実に努力を続ける、あるいは、仕事をさくさくと効率的に進める働き方をしたいと思う人が多いようだ。
新社会人に初任給を生活費以外でどんなことに使いたいかと聞くと、「自分へのご褒美」(47.0%)や「親への感謝を示すなど親や家族のために使う」(46.0%)といった意見が多くなっているが、4人に1人は、自分自身の健康を守り対処する「セルフケア」(25.0%)に使いたいと回答。
社会人になってからも、「今以上にセルフケアに取り組みたい」と考える今春の新社会人、初任給でセルフケア投資をする人も少なくないようだ。
セルフケアを意識して行うことTOP3は「睡眠」「朝食」「3食きちんと」、セルフケアにかける費用は月額平均4,428円
ここからは20~60代の現役ビジネスパーソン男女1,000人を対象とした調査結果をもとに、これまでの結果と比較していく。
セルフケアという言葉について聞くと、ビジネスパーソンの77.5%が「知っている」と答えた。2024年の認知率(75.8%)から微増となり、日本のビジネスパーソンのおよそ8割がセルフケアという言葉を認知していることが判明。
また、セルフケアの対象となる範囲を聞くと、「からだ」が81.1%、「こころ」が86.8%となり、「こころ」と回答した人の方が多くなっている。しかし経年で変化を見ると、「こころ」と答えた人は横ばいだが、「からだ」と答えた人は増加していた。
「セルフケアとは、自分自身で健康を守り対処すること」と提示した上で、自身のセルフケアがどの程度できているかを聞いたところ、ビジネスパーソンの46.9%が「セルフケアができている」と答え、2024年(44.4%)から2.5ポイント増えている。
年代別に見ると、20代と60代は55.0%と、全体平均より8.1ポイント高くなっていた。
また、セルフケアにかける1カ月の費用を聞くと平均で4,428円となり、2024年(4,173円)と比べ255円増えている。年代別で見ると、60代が5,732円と最も高く、次いで20代が4,488円。60代は昨年に比べ1,392円も増えていた。
ビジネスパーソンにセルフケアを意識して行っていることを聞くと、「十分な睡眠をとる」(40.8%)、「朝食をきちんと食べる」(40.1%)、「1日3食、きちんと食べる」(38.6%)、「野菜を多く摂取する」(37.0%)が上位となり、新社会人もほぼ同様の傾向が見られた。
今春の新社会人はワークライフバランスを重視する傾向が見られたが、現役ビジネスパーソンの実態はどうなっているのだろう。
ビジネスパーソンに現在のワークライフバランスを聞くと、ワークライフバランスが「とれている」59.9%、「とれていない」40.1%であった。
このワークライフバランス別に仕事のやりがいや趣味について聞くと、どちらもワークライフバランスがとれていると答えた人の方がスコアが高くなっている。ワークライフバランスがとれている人の方が、仕事にやりがいを感じ、趣味も楽しめているようだ。
また、セルフケアについてもワークライフバランスがとれている人は実践率が61.1%と高く、ワークライフバランスがとれていない人(25.7%)の2.4倍も高くなっている。
調査概要
「健康とセルフケアの実態調査 2025」
実施時期:2025年2月6日(木)~9日(日)
調査対象:ビジネスパーソン=全国の20~60代の働く男女1,000人 新社会人=2025年4月に就職予定の学生(大学生・大学院生、短大生、専門学校生、高校生)男女100人
調査手法:インターネット調査
調査委託先:楽天インサイト株式会社
※グラフの構成比(%)は小数第2位以下を四捨五入しているため、合計しても100%にならない場合がある。