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採用担当者が好む要素は?転職を成功へと導く「デジタル・エントリーシート」の作り方

2025.03.30

無料のオンラインビジュアルコミュニケーションを提供しているキャンバ(Canva、本社オーストラリア、シドニー)の調査によると、日本の採用担当者の約67%に今後、デジタルポートフォリオを含むクリエイティブな書類が好まれると予想している。

従来のテキストベースの応募書類の存在感は薄れ、写真や図表などを取り入れたデジタル履歴書が一般的になりそうだ。今回は実際にキャンバの人材獲得責任者を担当しているLorraine Dooley(ロレイン・ドゥーリー)さんに聞いた、AI搭載ビジュアルツールキットを使ったエントリーシート作成の現状と、日本での利用状況などについて聞いてみた。

視覚的要素のある履歴書を好む採用担当者

――このほどキャンバが行った調査について概要を教えてください。

ロレインさん 私たちが実施したのは最新の年次レポート「ニューイヤー・ニュージョブ(新しい年、新しい仕事)」という調査です。日本をはじめ、米国、英国、オーストラリア、インド、ドイツ、スペイン、フランス、メキシコ、ブラジルの10か国の採用担当者4,000人と求職者6,000人を対象に調査を実施しました。

この調査は、現代の就職活動におけるAIとビジュアルの役割に焦点を当てると同時に、求職者がキャリアを実現するために必要なリソースを提供することを目的としています。

中でも

1)採用担当者の半数以上が、視覚的要素のある履歴書を好むこと
2)求職者の半数が履歴書の作成にAIを活用していること
3)求職者の 81% が、AI によって求職活動がとても容易になったと認識していること

この三点が大きなポイントです。

この調査は特に、AIとビジュアル・コミュニケーションの変革力と、それらが採用担当者と求職者の双方にもたらす有益な雇用・採用機会について浮き彫りにしています。

――かなり多い数字という印象を受けましたが、なぜ、AIが受け入れられるようになったのか、その理由をキャンバではどう分析されていますか?

ロレインさん AIは今、幅広い職場環境に変化をもたらし、そのトレンドは今後さらに勢いを増していくでしょう。実際に、世界中のユーザーによるAIの採用は過去最高を記録しており、当社のAIツールの使用回数は130億回を超えています。求職市場および採用現場も例外ではなく、AIは採用担当者と求職者の両方に、スピード感とインスピレーションをもたらしています。

AIは生産性を向上し、採用プロセスを効率化するので、例えば採用担当者が雑務に煩わされることなく候補者からの応募書類の整理や、新入社員の入社プロセスを進める際に役立ちます。具体的には、採用担当者の73%が新入社員用ビジュアル資料の作成にAIを使用し、86%が採用プロセスの一部でAIを使用、また90%が入社プロセスを簡素化すると考えているということが明らかになりました。

他方、求職者は、求人情報の検索(36%)や企業研究(35%)、履歴書作成(37%)、面接の準備(38%)に至るまで、求職活動のほぼすべての過程でAIを駆使しているようです。AI機能を取り入れて従来に比べより効果的に自分の能力や経歴をアピールできるようになり、その結果、求職活動の質を高め、数ある応募の中で際立った書類として印象付けることができるのです。

――デジタル履歴書がLorraine Dooleyさんのような採用側の人事担当者にとって良い理由についてもう少し詳しく教えてください。

ロレインさん 視覚的に訴える履歴書やポートフォリオは、求職者の経歴やスキルのみならず、採用担当者の心に響く効果的なアピールにつながります。このようなデジタル履歴書やポートフォリオは、求職者の応募書類に説得力を持たせ、採用担当者が求職者のスキルや経験を書類上のテキスト以上のものにする上で力を発揮します。

採用担当者は、各ポジションに対して何百通もの応募書類に目を通すため、多くの場合、魅力的な視覚要素を持つ履歴書を好みます。実際、採用担当者の59%がウェブサイトやサンプル作品集といったデジタルポートフォリオを重視し、インタラクティブな機能を備えた履歴書を好んでいます。また、日本の採用担当者の67%が、テキストベースの履歴書は時代遅れになりデジタルポートフォリオやクリエイティブな資料が好まれるようになる、と予想しています。デジタル履歴書は単なるトレンドではなく、就職活動の未来を象徴しているのです。

キャリア形成に役立つセルフブランディング

――今回の調査では、実際に履歴書を使う求職者の74%が、履歴書に視覚的要素を加えたいと考えているというデータも明らかになりました。使いたいと言う人は多いのですが、実際に使いやすいデジタルポートフォリオなどツールがなかなか見つかりません。キャンバのツールはどのように利用できますか?

ロレインさん キャンバの使いやすいデザインツールやテンプレートを使えば、誰でも簡単に履歴書やポートフォリオを充実させ、未来の雇用主にクリエイティビティをアピールすることができます。初心者でも気軽に取り組めるものです。

まず、履歴書、カバーレター、ソーシャルメディア、ポートフォリオなど様々なカテゴリーの数千点のテンプレートからご自身の用途やお好みに合うものを選んでください。(日本語版テンプレートページはこちら) 

資料を作成する際は、Canvaドキュメントやマジック作文といったツールを使えばテキスト入力がスピードアップします。マジック作文は、昨年キャンバの履歴書デザインに3億3000万回以上使用された高い好評の得ている機能です。

目を引くビジュアルやインタラクティブな履歴書を作成したい場合は、プレゼンテーションとホワイトボードの使用がおすすめです。

――簡単で、私でも作れそうです!最後に、キャンバではデジタルプラットフォーム上でセルフブランディングを実践することを提案されていますが、セルフブランディングがなぜ重要なのかを教えてください。

ロレインさん セルフブランディングとは、オンラインでのプレゼンスや求人応募、SNSを通じて、応募者としての自分自身をどのようにアピールするかということです。強力なセルフブランディングを確立していれば、将来のキャリア形成においても優位に立つことができるでしょう。今日の雇用市場では、採用担当者はそれらを十二分に活用し業界に知見のある人材として自身の強力なセルフブランディングを確立している求職者に、より高い関心を持つようになっています。

1つのポジションにつき何百もの応募書類を見なければならない採用担当者は、ほとんどの場合、応募者のSNSプロフィールを頻繁にチェックしています。そのため、履歴書からソーシャルメディアアカウントまで、さまざまなプラットフォームで一貫したブランディングを維持し、専門知識を示す候補者は、目立つ可能性が高くなります。業界知識と専門知識に加えて、関連するステークホルダーと効果的にネットワークを構築し、コミュニケーションをとる能力は、採用担当者にとって不可欠です。実際、私たちの今回の調査でも、日本の採用担当者の90%がオンライン上でプレゼンスを確立し、キャリアに関連するソーシャルネットワーキングスキルを持つ候補者を高く評価していることがわかっています。

――ありがとうございました!

日本でもこれからデジタルポートフォリオとAIを活用した履歴書が増加するというキャンバのデータ。ロレインさんが、次世代のインタラクティブな履歴書やデジタルポートフォリオの重要性を教えてくれた。特にセルフブランディングについての内容は、実際に転職しない人でも、仕事の役に立ちそう。

ロレイン・ドゥーリー (Lorraine Dooley)さん 人材獲得責任者
ロレイン・ドゥーリー氏はCanvaのグローバル人材獲得チームを率い、Canvaのシドニー本社を拠点としています。Canvaで5年以上、法務、財務、デザイン、プロダクトなどあらゆる採用業務に携わってきました。また、テクノロジーと採用の交差点、そして人と文化の変化について情熱を持っており、豪州のテレビやグローバルニュースにスポークスパーソンとして出演しています。

「新しい年、新しい仕事」の日本語版サイトはこちら

文/柿川鮎子

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