
2026年春に大学や大学院を卒業する学生向け採用説明会が3月1日からスタートし、いわゆる「就活解禁」となった。大企業を中心に初任給を大幅に引き上げるニュースが相次ぎ、今年も学生優位の「売り手市場」が続く中、学生たちはどのような企業に注目しているのだろうか。
オープンワークはこのほど、転職・就職のための情報プラットフォーム「OpenWork」に登録している26卒の学生ユーザー約19万人が「実際に検索した」企業を調査。検索されている上位の企業をまとめた「26卒就活生の注目企業ランキング」を、注目企業に実際に入社した若手社員の声とともに発表した。
26卒就活生の注目企業ランキング【総合】
26卒の学生が検索し注目している企業を集計した今回のランキング。1位にはNTTデータ、2位にはアクセンチュア、3位にはSkyがランクインする結果となった。OpenWorkの就活レポートに寄せられた先輩たちの「入社を決めた理由」には、充実した社員教育によって自身を成長させたいという声が見られた。
■OpenWork就活レポートに投稿された、先輩による「入社を決めた理由」
「福利厚生が充実しており、ワークライフバランスも比較的安定して、それでいて年収も満足できるレベルだったから。また、官公庁や大手金融機関などをお客様にする、大規模なシステムに関わることができることも魅力的に感じました。(25卒理系、NTTデータ入社)」
「会社の雰囲気が良く、人事の方々も親切で、業務内容にも魅力を感じました。また、新卒レベルとして年収が高めで、研修制度も充実しているため、成長できる環境が整っていると感じました。(25卒文系、アクセンチュア入社)」
「会社の社風が自分に合っていると感じたから。また、教育制度が充実しており、自分の成長に繋がるのではないかと考えたため。(24卒文系、Sky入社)」
26卒就活生の注目企業ランキング【文理別】
文系の学生と理系の学生では注目している企業にどのような違いがあるのか、それぞれのランキングを集計した。TOP2は総合ランキングと同じNTTデータとアクセンチュアがランクインしたが、文系は以前、初任給の大幅な引き上げが話題になったサイバーエージェントなどIT系企業や、保険、メガバンクといった金融業が多くランクインした。一方、理系は3位の日立製作所を筆頭にパナソニックやNECといった“ものづくり”メーカーが多数ランクインする結果となった。
ランクイン企業に入社した先輩達の「入社を決めた理由」には、社風や就活で出会った社員の人柄に惹かれた、業務内容や会社の目指すビジョンが自身の希望とマッチしたという声とあわせて、勤務地が固定または希望の場所であることや、入社前から配属先が確約されていることを挙げる声も見られた。
近年、キャリアやライフプランを主体的に決めていく上で、入社するまで勤務地や配属先がわからない「配属ガチャ」に不安を覚える学生が少なくない。文系・理系両方でランクインした富士通は先日、新卒一括採用の廃止を発表するなど、優秀な学生を採用し早期離職を防ぐべく「地域限定職」や入社前の配属確定、職種別採用を行う企業は今後ますます増えていきそうだ。学生の就職に対する価値観が変化する中で、「学生に選ばれる」には――。売り手市場が続く中、企業側の変化にも引き続き注目が集まりそうだ。
■OpenWork就活レポートに投稿された、先輩による「入社を決めた理由」
「(1)やりたい仕事内容(2)配属選びの選択が可能な点(3)勤務地が東京の3点が自分と本音の就活軸とマッチしていたため。(24卒文系、サイバーエージェント入社)」
「グローバルに働ける企業である一方で、支社が全国各地にあり、一年目は自分の地元で働けるところに魅力を感じたため。(24卒文系、東京海上日動火災保険入社)」
「コース別採用で入社後の業務が明確であったため、勤務地や将来のキャリアプランなど他候補よりも想像しやすい要素が多かった。(25卒文系、三井住友銀行入社)」
「ワークライフバランスが最もとりやすいと感じた。また、配属先も決まっていたため、安心感があったため。勤務地もよかったため。(25卒理系、日立製作所入社)」
「インターン参加した際や、社員さんと話す中で人柄が良い人が多く自分に合っていると感じたため。また勤務地が希望通り通ったため。(25卒理系、パナソニック入社)」
「職種別採用であったことから、勤務地・事業内容・職種が確定していることが大きかった。事業部の中ならどこになっても面白そうだと感じたから。(25卒理系、NEC入社)」
<対象データ>
OpenWorkに登録する26卒学生ユーザー193,578名を対象に検索企業を集計(2025年3月3日時点)
総合評価スコアは2025年3月3日時点
出典元:OpenWork
構成/こじへい