
日本にいながら米ドルで報酬を得る、ドル建て副業。円安時に収益が増え、高単価案件を受注しやすいなどの魅力や、為替リスクなどデメリットについても解説する。
目次
近年、本業以外で収入を得る副業の選択肢が広がるなかで、「ドル建て副業」が注目されている。ドル建て副業とは、日本円ではなく米ドルで報酬を受け取る副業のこと。円安が進み、円の相対価値が低くなっている状況で、外貨での報酬を得ることが収入を安定させるための一つの選択肢になるかもしれない。
そこで本記事では、ドル建て副業の概要やメリット・デメリット、始め方についてわかりやすく解説する。
ドル建て副業とは何か
外貨で効率的に収入を増やすための手段として注目されている、ドル建て副業。概要や当てはまる業務について確認していこう。
■ドル建て副業の概要
ドル建て副業とは、日本にいながら海外の企業や個人を対象にサービスを提供し、米ドルで報酬を受け取る副業のこと。日本円と比較して価値の高い米ドルで収入を得ることで、日本にいるときと同じ金額を稼いでも、換算後の収入が増える点が魅力だ。
■ドル建て副業が注目されている理由
円安が進行する昨今では、米ドルなどの外貨で収入を得るメリットが大きくなっている。インターネット環境さえあれば世界中のクライアントと取引できるため、取り組みやすいのも注目されている理由の一つ。
ドル建ての収入を持つことで、日本円に依存しない収益基盤を構築できるのが特徴だ。また、実質的な利益が増えるため資産のリスク分散にもなる。
■ドル建て副業の主な種類
ドル建て副業に該当する業務には、主にオンラインでのサービス提供やコンテンツ販売、海外向けの商品販売ビジネスなどがある。日本語や英語の講師業、音声の文字起こし、翻訳などの一般的な事務作業を海外のクライアント向けに提供する場合が多い。
コンテンツ販売とは、イラストやデザインなどの制作物を海外のサイトに出品し販売する方法を指す。また、「eBay」など海外向け通販・オークションサイトでの出品もドル建て副業に該当する。
ドル建て副業のメリット3つ
ドル建て副業に取り組むと、どのようなメリットがあるのか。ここから詳しく説明する。
■外貨で収入を得ることができる
ドル建て副業の一番のメリットは、日本にいながら外貨で収入を得られる点だ。円安が進行すればするほど、その追い風を受けて実質的な収益も増える。
日本と同じような内容の仕事をしていても、日本円に換算したときの収入が増えるのが魅力だ。また、グローバルな市場で働くことができれば、自身の成長につながるかもしれない。
■日本よりも高単価の案件を受注できる
海外市場では日本国内よりも高単価な案件が多く、時間単価を上げるのに効果的だ。手紙の代筆や指定されたサイトへの口コミ投稿など、簡単な作業で思わぬ高収入を得られる可能性もある。
特にデザインやプログラミングといった、特定のスキルを活かした仕事では、一件あたりの受注単価が日本と比べて高額になりやすい。
そのため、スキルを活かして副業の収益を伸ばし、安定した収入の確保につなげられるのもドル建て副業の魅力だろう。
■場所や時間に縛られずに働ける
ドル建て副業は海外のクライアントを相手に仕事をするため、オンラインでのやり取りが中心となる。
そのため、インターネットが使える状態であれば、好きな場所で働くことが可能だ。また、海外との時差を活かし、本業を終えてから日本の夜間に海外のクライアントと取引もできる。
自分のペースで仕事を進めやすく、副業としての柔軟性が高い点もドル建て副業のメリットといえるだろう。
ドル建て副業のデメリットと注意点とは?
ドル建て副業には利点がある一方で、デメリットや注意事項も存在する。ここでは留意しておきたい点をいくつか解説する。
■為替リスクがある
ドル建て副業をする際に注意しておきたいのが、為替相場によって収入が変動するリスクがある点だ。円安が続く間は、外貨で稼ぐことが高収入を得られるチャンスになる。
しかし、円高になった場合、想定よりも日本円換算後の金額が減ることを考慮しよう。
どの通貨にしても為替のリスクは避けられないが、常に動向を意識しておくことが大切だ。
■英語でのやり取りが必要な場合がある
ドル建て副業では海外のクライアントと取引するため、英語でのやり取りが基本となる。翻訳や通訳、英語での記事執筆など、ビジネスレベルの英語スキルが求められる案件も多い。
翻訳ツールの活用もできるが、最低限のスキルは身についている前提でドル建て副業に取り組むのがおすすめだ。
特に契約や支払いに関する細かい交渉では、ミスコミュニケーションによりトラブルになる可能性もあるため、不明点があれば事前に確認しておこう。
■支払い方法や税金の管理が必要になる
ドル建て副業で報酬を受け取るには、PayPalやPayoneerなどの国際的な決済サービスを利用するため、指定されたツールのアカウント登録が必須になる。
安心して利用するためにツールの使い方や送金方法、手数料といった項目を事前に確認しておくのがおすすめ。
また、外貨収入は日本の所得税の課税対象となり、原則として確定申告が必要になる点も留意しておこう。
【STEP別】ドル建て副業の始め方
ここからは、ドル建て副業の始め方をステップごとにわかりやすく説明する。興味があるけれどどう始めたらいいかわからない人は、ぜひ以下を参考にしてほしい。
■【STEP1】取り組む副業内容を決める
まずは自分のスキルや興味に合わせて、取り組む副業を選ぼう。翻訳や通訳に関する案件、デジタルコンテンツの販売、海外向けの物販など得意分野を選ぶのがポイント。
自分が自信を持って取り組める業務を見つけて、副業として仕事につなげるのがおすすめだ。
■【STEP2】海外向けプラットフォームに登録する
海外を相手に仕事を獲得するには、海外のクラウドソーシングサービスを利用するのが効率的だ。自分で営業をするよりもハードルが低く、第三者を介することで安全性の確保にもつながる。
サービスごとに取り扱う案件の特色があるため、取り組む業務を決めたらネットで検索し、気になるプラットフォームに登録してみよう。
はじめから一つのサイトに絞らず、複数のサイトに登録して使いやすさや案件の難易度を比較するのが得策だ。
海外のクラウドソーシングの一例
■【STEP3】プロフィールを作成し案件に応募する
サイトへの登録を済ませたら、プロフィールを充実させよう。仕事を獲得するためには、過去の経歴やスキルをアピールし、相手に信頼してもらうことが重要になる。
プロフィールを作成した後は募集案件に応募し、実績を積み上げるのみ。最初は低価格の案件でも積極的に受注して評価を集め、徐々に単価を上げる戦略が効果的だろう。
ドル建て副業は、外貨で収入を得る手段として注目されている副業だ。日本よりも高単価な案件を獲得できる可能性があり、円安が進んでいる現状では、その恩恵を受けてより大きな収益を得ることができる。
一方で、基礎的な語学力が求められることや、為替のリスクなどについて理解しておく必要もある。効率的に副業で収入を得たいと考えている人は、海外向けプラットフォームを活用して、ドル建て副業に取り組んでみてはいかがだろうか。
※情報は万全を期していますが、正確性を保証するものではありません。
文/編集部