COOに求められるスキル・能力
COOに求められる主なスキル・能力は、以下の3点です。
- 把握力
- 統率力
- 実行力
それぞれの内容を解説します。
■把握力
COOには、CEOの意図を適切に汲み取る把握力が求められます。COOはCEOの理念や理想を現場に落とし込む体現者であるため、CEOの意図を正しく理解することが大切です。
また、従業員の心理やスキルも適切に把握している必要があります。CEOの意思決定に対して不満を抱いている従業員がいる場合は、理解してもらえるように働きかけます。
また、適切な人材配置を行うためには、従業員それぞれがどのようなスキルを持っているかを把握していなければなりません。
■統率力
COOには組織をまとめ上げ、適切に導く統率力が求められます。統率力は経営幹部にとって必須のスキルですが、とくにCOOはCEOの意思決定を実行する立場であるため、従業員を率いる能力が不可欠です。
組織の目標達成に向けて、チームを牽引し、業務の遂行を円滑に進めるためのリーダーシップを発揮することが重要です。
■実行力
実行力も、COOに求められるスキルの1つです。CEOが打ち出した経営方針や戦略は、実行されてはじめて意味があります。COOは、策定された計画を確実に実行へと移し、組織全体が円滑に動くようマネジメントする役割を担います。
途中で、想定外の事態が発生することも珍しくありません。そのような状況でも、冷静に判断を下し、必要な決断を迅速に行う胆力が求められます。COOにとって、リスクを最小限に抑えながら、事業を確実に前進させる強い実行力が重要です。
COOになる方法
COOになるための一般的な方法としては、以下の5点が挙げられます。
- ヘッドハンティング
- 転職
- 出世
- 知人からの紹介
- 会社設立への参加
それぞれの方法を見ていきましょう。
■ヘッドハンティング
ヘッドハンティングによって、他社のCOOになるケースは少なくありません。とくに、中小企業では、外部からのヘッドハンティングが多い傾向にあります。
その業界で注目されるような業績や、高度なマネジメントスキルや豊富な経験があると、ヘッドハンティングサービス会社から声がかかる可能性が高まるでしょう。
■転職
COOとして転職を目指す場合、転職エージェントを利用する方法もあります。とくに、経営層の採用に強いエージェントを活用すると、COOのポジションに就くチャンスが高まります。
ただし、自身の経験やスキルを活かせる分野を取り扱うエージェントを選ぶことが重要です。
ある分野のスペシャリストとして専門性やスキルを積んだという経験をもとに、自ら働きかけて転職活動を行う方法も有効です。近年は、仕事を通して培った人脈などを活用し、COOに就任するというケースも珍しくありません。
■出世
企業内での昇進により、内部からCOOに抜擢される方法です。営業・開発・経理などの特定の分野で実績を積み、部門の成長に貢献した人材が、組織全体を統括する立場へとステップアップする形です。
ただし、COOには専門分野の知識や部門のマネジメント力だけでなく、企業全体を俯瞰する視点と経営者としてのスキルが求められます。社内でのキャリアアップを目指す場合は、経営的な視点を養うことが重要です。
■知人からの紹介
COOは企業の中核を担い、信頼できる人材が求められることから、知人からの紹介で就任するケースも珍しくありません。
紹介の機会を得るには、業界内でのネットワークを広げ、実務経験を積むことが重要です。業界のコミュニティや経営層との交流を深めることで、適任者として推薦される可能性が高まります。
■会社設立への参加
新たに設立される企業に創業メンバーとして参加し、COOのポジションを得る方法です。このケースでは事業の立ち上げから携わるため、ビジョンの明確化や起業家精神、経営に対する深い理解などが求められます。また、CEOとの強い信頼関係の構築も欠かせません。
COOの定義や特徴を理解しよう
COOは最高執行責任者のことであり、企業の業務執行を統括する役職のことです。策定された戦略を現場で実行し、組織の運営を円滑に進めます。
COOのポジションを目指す方法としては、ヘッドハンティングや転職、企業内での出世、知人からの紹介などが挙げられます。定義や特徴を正しく理解し、企業の経営に携わるポジションを目指しましょう。
構成/橘 真咲