ゆとり世代と仕事でうまく関わるコツ
ゆとり世代と仕事でうまく関わるコツとしては、以下の7点が挙げられるでしょう。
- 理由を明確に説明する
- 指示を具体的に出す
- わかりやすい目標を設定する
- 安易に競争させない
- ほめて伸ばす
- プライベートに立ち入りすぎない
- 大人の対応を心がける
それぞれの内容を解説します。
■理由を明確に説明する
ゆとり世代には、理由を明確に説明する必要があります。仕事は常に計画どおりには進みません。想定外のトラブルや顧客の要望により、急な変更を強いられることもあるでしょう。
しかし、それによって仕事をやり直さなければならない場合、効率性やプライベートの時間を重視するゆとり世代のモチベーションを大きく下げる要因となりかねません。「仕事だから仕方がない」と有無をいわさずに強制することは避け、経緯や理由を明確に説明したうえで具体的な対応方法を提案する必要があります。
■指示を具体的に出す
ゆとり世代には、具体的な指示を出すことを心がけましょう。行うべきことを明確に示すことで、意欲的に取り組めるようになります。
効率を重視する世代であることから、何をすればよいのか明確でないと非合理的に感じ、仕事に対する意欲が薄れてしまうこともあります。また、主体的に動きにくい世代であるため、漠然とした指示に対して自ら思考をめぐらせ、対応を考えることは難しいかもしれません。やるべきことを明確にすることが、スムーズな業務の進行につながるでしょう。
■わかりやすい目標を設定する
ゆとり世代は、自主的に目標を立てることが苦手な場合が多いため、上司が明確な目標を設定してあげることが重要です。競争意識が強くないうえ、昇進や成長に対する欲求も弱いため、具体的なゴールがないとモチベーションが上がりにくい傾向があります。
そのため、目標は「いつまでに」「どういった状態を目指すか」というように具体的に設定しましょう。明確な目標があれば達成に向けて努力しやすく、結果として仕事への取り組みが積極的になる効果が見込めるでしょう。
■安易に競争させない
安易に競争させないことも、ゆとり世代を育成するうえで押さえておきたいポイントです。
ゆとり世代は、競争よりも協調・協力を重視する教育を受けて育ったため、他者と競い合う環境に馴染みにくいと考えられます。競争心に火をつけるような指導は、やる気を引き出すどころか、むしろ仕事へのモチベーションを下げる要因になりかねません。「誰が一番優秀か」を争わせるのではなく、「チームで協力して成果を出す」ように導きましょう。
■ほめて伸ばす
ゆとり世代は個性を尊重する教育のもとで育ったため、成果のみを見て叱ったり改善点を指摘したりするのではなく、過程を評価することでモチベーションが上がりやすい傾向があります。
定期的な声かけやフィードバックを通じて、「自分の取り組みが評価されている」という安心感を得られると、仕事への前向きな姿勢を維持しやすくなります。
■プライベートに立ち入りすぎない
プライベートに立ち入りすぎないことも、ゆとり世代と仕事でうまく関わっていくコツです。ワークライフバランスを重視し、仕事とプライベートを明確に分けたいと考える傾向があるため、休日の過ごし方や家族のことを過度に聞かれると、不快に感じる場合もあります。
ゆとり世代のプライベートに立ち入りすぎず、適度な距離感を保つことで、スムーズなコミュニケーションがとれるでしょう。
■大人の対応を心がける
ゆとり世代に接する際は感情的にならずに、大人の対応を心がけるとよいでしょう。競争を強いられたり厳しい叱責を受けたりした経験がほとんどないことが多いため、感情的な言葉をかける、威圧的な指導をするといった対応は禁物です。
指導をする際は、感情的に怒るのではなく、「なぜ改善が必要なのか」「どのようにすればよいのか」を論理的に冷静に伝えることが重要です。強く叱るよりも、アドバイスを意識した伝え方をするように意識すると、ゆとり世代に受け入れられやすくなるでしょう。
ゆとり世代の年齢や特徴を理解しよう
ゆとり世代とは、一般的に1987年から2004年に生まれたゆとり教育を受けた世代を指し、2025年現在のゆとり世代の年齢は、21歳から38歳です。
ゆとり世代はITリテラシー・スキルが高く、自己肯定感が高いといった特徴を持つほか、ストレスに弱く競争意識に乏しい、受け身といった側面もあります。そのため、仕事では指示を具体的に出す、なぜそれを行うのかの理由を明確に伝える、安易に競争させないといった点を押さえて接することがポイントです。
ゆとり世代の年齢や特徴を理解したうえでその強みを活かし、組織の生産性向上につなげましょう。
構成/橘 真咲