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「歩合制」と「インセンティブ制」の違いとは?覚えておきたい給与形態の基本とメリット・デメリット

2025.05.07

歩合制とは、「成果報酬型の給与形態」のことを指します。歩合制と固定給は双方にメリットとデメリットがある制度です。そのため、自分や会社にとってどちらのほうがいいのかなどと不安に思うこともあるでしょう。 この記事では、歩合制の意味や固定給・インセンティブ制との違い、2つの種類、メリットデメリットをわかりやすく解説します。会社で導入する際に知っておくべきポイントや注意点も、あわせて確認しましょう。

歩合制は、企業の生産性を高め、従業員のモチベーション向上にもつながる制度です。一方で、導入には注意すべきポイントもあります。

本記事では、歩合制の定義と種類、固定給・インセンティブ制との違い、そして企業・従業員の双方にとってのメリットとデメリットを整理して紹介します。

歩合制とは?読み方など基礎知識をわかりやすく解説

歩合制の読み方は「ぶあいせい」です。求人情報の給与欄の記載や、働いている企業で導入が進められた際などに、歩合制という言葉を目にすることがあります。

はじめに、歩合制の意味や固定給・インセンティブ制との違い、歩合制が多い職業を確認していきましょう。

■意味は「成果報酬型の給与形態」のこと

歩合制とは、「成果報酬型の給与形態」のことです。また、歩合とは「数字の割合」を意味する言葉です。

個人の業績や成果が直接的に報酬に反映される仕組みになっているため、本人が成果を出すほどに給与を増やせます。キャリアに関係なく収入アップが目指せる制度だといえるでしょう。

成果報酬型の給与形態では、成果がどれほどの報酬となるかは契約によって定められています。この給与形態を取り入れている場合、「売り上げなどの成果の何%を報酬として受け取れるのか」を「歩合率」と表現します。

■固定給との違いとは

歩合制と固定給は、どちらも給与形態の種類を意味する言葉です。それぞれの違いは、個人の業績や成果が直接的に報酬に反映されるのか、一定額が支払われる給与形態なのかという点です。

「固定給」と表現する場合は、「出来高などに関係なく、一定額が支払われる給与形態」のことを指します。固定給であれば、給与はほとんど変動のない金額を受け取ります。本人の出した成果によっては固定給でも給与金額に反映されていくこともありますが、その場合でも反映までに時間がかかるのが特徴です。

■インセンティブ制との違いとは

インセンティブ(incentive)という英語の意味は「刺激」「動機」「奨励」です。ビジネスシーンで「インセンティブ制」と表現する場合には、「成功報酬型の給与形態」を意味します。

それぞれの違いは、言葉の用い方によっても異なります。インセンティブ制を歩合制の一部として用いる場合もあれば、別個のものとして表現する場合もあるのです。

別個のものとして用いる場合は、歩合制とインセンティブ制の違いを以下のように表現しています。

<歩合制>
成果や実績に応じた報酬が一定の割合で支払われる。

<インセンティブ制>
ノルマに対してあらかじめ決められた報酬があり、ノルマ達成時にその報酬が支払われる。

インセンティブ制の場合は、金銭による報酬だけではなく「評価インセンティブ」や「物質的インセンティブ」などもあります。評価インセンティブは昇給や昇進、物質的インセンティブは褒賞旅行などです。

■歩合制が多いのは営業職・タクシー運転手など

職種によって、歩合制を導入する企業が多いものと歩合制を導入しにくいものがあります。歩合制がよく導入されている職種は、営業職・タクシー運転手・美容師・エステティシャン・販売職などです。

歩合制を導入しやすい職種の特徴として、個人の業績や成果によって企業の利益に大きな影響がもたらされることが挙げられます。たとえば、営業職の場合は個人の能力や知識、接客態度などによって成果が大きく左右され、その成果が会社の売り上げに直結します。

歩合制はモチベーションアップや業績アップにつながるため、営業職は歩合制が導入されやすい職種です。販売単価が高い金融関係や不動産の営業は、とくに歩合給の割合が多く設定されやすい傾向にあります。

歩合制の2つの種類

歩合制には「完全歩合制」と「固定給+歩合制」があります。これらの違いは、支払われる給与が歩合制のもののみか、それとも固定給もあわせて支払われるかという点です。

それぞれどのような違いがあるのかを確認していきましょう。

■1.完全歩合制

完全歩合制とは、「歩合制による給与のみが支払われる仕組み」のことです。この場合、固定給は一切支払われません。完全歩合制は、「フルコミッション制」とも呼ばれます。

労働日数や労働時間にかかわらず高収入を得られる可能性があるのがメリットです。一方で、まったく成果を上げられなければ収入が0になる可能性もあります。

なお、企業が従業員を正社員・契約社員・アルバイトなどとして雇用する際は、一定の収入を保障する必要があります。そのため、これらのように雇用契約を結ぶ場合には、完全歩合制を導入できません。完全歩合制が導入可能なのは、個人事業主などと業務委託の契約を締結する場合のみです。

■2.固定給+歩合制

固定給と歩合制の2つの仕組みをどちらもともに取り入れた給与形態もあります。この場合、一定の給料を支払ったうえで、本人の上げた成果に応じて歩合給もあわせて支払う仕組みです。

固定給+歩合制の場合は、成果を出せなかった月でも一定額の給与は確保されています。固定給の割合がある程度高いと毎月の給与の金額が安定しやすいです。一方、固定給の割合が低いと支給額が安定しないものの、成果を上げた月の給与はその分増えやすいでしょう。

歩合制と固定給、それぞれのメリットとデメリット

それぞれのメリットなどは、以下のとおりです。

<歩合制のメリット>
従業員のモチベーションアップ・業務の生産性の向上・従業員のスキルアップなど

<歩合制のデメリット>
チームワークの悪化・収入が不安定・精神的な負担の増加

<固定給のメリット>
収入の安定性・短期間での成果にとらわれ過ぎずに仕事可能

<固定給のデメリット>
短期間での収入アップが困難・モチベーションの低下

それでは、これらの特徴と違いをさらに詳しく確認していきましょう。

■歩合制のメリット

企業が歩合制を取り入れるメリットは、以下のとおりです。

  • 従業員のモチベーションアップにつながる
  • 業務の生産性の向上が可能
  • 従業員のスキルアップにつながる

また、従業員が歩合制を取り入れた企業で働くメリットとして、以下が挙げられます。

  • 個人の実力や頑張り次第で収入アップが可能
  • 工夫次第で固定給の場合よりも労働時間を短縮可能

歩合制を取り入れた職場では、従業員が頑張ればその分収入としてしっかりと報酬が得られます。また、仕事さえできていれば報酬が得られるため、従業員が自発的に労働時間を短縮しようと取り組み、残業時間の短縮や生産性の向上につながるでしょう。

■歩合制のデメリット

一方、企業が歩合制を導入するデメリットは以下のとおりです。

  • チームワークが悪化する
  • 離職者が出る可能性がある

また、歩合制を導入した企業で働くデメリットは以下のとおりです。

  • 収入が不安定になる
  • 成果を上げられずに労働時間が長くなる恐れがある
  • 人によっては精神的な負担が増える可能性がある

先述のとおり、「労働時間を短縮しても仕事さえできていれば報酬が得られること」は歩合制のメリットのひとつとして挙げられます。しかし逆に、成果が上げられなければ十分な報酬を得られない可能性があること、成果を上げるために労働時間が長くなる恐れがあることも、歩合制のデメリットだといえます。

■固定給のメリット

固定給のメリットは、以下のとおりです。

  • 収入が安定する
  • 生活が安定する
  • 短期的な成果にとらわれずに仕事を進められる

固定給の場合は個人の成果にかかわらずにほとんど一定の給与が支払われるため、いつも収入が安定しています。収入が安定していれば「毎月〇万円までの住宅ローンならば支払えるな」などと見通しを立てられ、安定した生活を送れることもメリットです。

また、歩合制のように成果次第で給与が変わると、仕事をする際に短期的な成果を気にしすぎてしまう恐れがあります。短期的な成果にとらわれずに仕事を進められることは、従業員と企業どちらにとってもメリットだといえるでしょう。

■固定給のデメリット

固定給のデメリットは、以下のとおりです。

  • 短期間での収入アップが困難となる
  • モチベーションが低下する

固定給になっていると、受け取れる給与がほぼ一定になるのが特徴です。そのため、大きな成果を上げたとしても短期間で大幅な収入アップは望めません。成果が収入アップにつながりにくいことで、従業員のモチベーションが上がりにくいこともデメリットです。

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