
『レビュー』は、英語の『reviwe』を由来とする言葉です。ビジネスシーンでは業界によって異なる意味を持ちますが、主に製品・サービスの販売促進に影響する重要な要素となります。
目次
言葉としてはよく耳にするレビューという言葉ですが、意味を理解していますか?ここでは、レビューが意味することや、どのように活用すればいいかを解説します。
レビューとはどういう意味?
まずは、レビューの基本的な定義や言葉の由来について見ていきましょう。混同されがちな、『口コミ』『フィードバック』との違いについても解説します。
■評価・検討を行うプロセス
レビューとは、英語の『review』に由来し、『評価』『再検討』『復習』という三つの意味を持つ言葉です。ビジネスシーンでは何かを評価・検討し、改善点・成功点を明確にするプロセスを指します。
ビジネスシーンで使用される場合、業界・分野によって、レビューの種類や活用方法が異なります。例えば、セールスやマーケティング分野では、製品・サービスに対する顧客からの評価のことを指すのが一般的です。
また、IT分野ではソフトウエア開発における、成果物や進行プロセスを評価するために活用されます。ほかにも、ISOや会計監査でもレビューという言葉が登場します。
いずれの分野においても、レビューを効果的に活用するには、目的を明確にすることが重要です。
■口コミ・フィードバックとの違い
類似している言葉に、口コミやフィードバックがありますが、目的や特徴が明確に異なります。
レビューは評価者の客観的な判断が中心になるのに対し、口コミはうわさ・伝聞情報による評判になることが少なくありません。情報の確かさという点では、直接的な体験によるレビューの方が信頼できるといえるでしょう。
また、フィードバックは改善を目的とした評価です。レビューが単に感想・意見を伝えるのに対し、フィードバックは対象の行動・結果を第三者目線から評価し、改善点を伝えるプロセスです。
ビジネスで活用されるレビューの種類
ビジネスシーンで活用されるレビューの種類を、詳しく見ていきましょう。ここでは、主に4種類のレビューを紹介します。
■製品・サービス評価としてのレビュー
製品・サービスを評価するレビューは、ECサイトなどにおいてよく見られるものです。実際に購入または利用した顧客による評価で、製品・サービス自体の品質や機能だけでなく、企業の対応など多岐にわたる意見を含んでいます。
星評価などで視覚的に表現されることも多く、ユーザーにとって直感的に理解しやすい形式となっています。
製品・サービスの評価としてのレビューは、消費者・企業双方にとって貴重な情報源です。レビューの内容が、製品の売り上げや企業イメージに、大きく影響することも珍しくありません。
■IT分野でのレビュー
IT分野でのレビューは、ソフトウエア開発や、各種プロジェクトの品質向上に欠かせないプロセスです。これは単なる評価ではなく、成果物の検証・議論を通じて品質を高める重要な工程として、位置付けられています。
IT分野におけるレビューの大きな利点は、開発の早い段階で不具合を発見できる点です。システム稼働後に問題が見つかった場合と比べて、修正コストを抑えられるほか、IEEE国際標準規格で定められた手法を用いることで、体系的な品質管理が実現します。
効果的なレビュープロセスの実施によって、あらゆる工程の品質向上が可能になり、最終的なシステムの信頼性を高めることにつながります。
■ISOにおけるレビュー
ISOにおけるレビューとは、設定された目標を達成するための取り組みに対し、適切性・妥当性・有効性・効率性などを判定することを意味します。
ISOの規格の中には、レビューが重要な位置を占めているものもあり、特に『マネジメントレビュー』はISO取得において必須のプロセスです。これは経営者がISOシステムに関わる責任を持ち、改善指示を行う活動のことを指します。
また、製造業においては、より良い製品開発のためにコストや安全性・機能性などを評価する、『デザインレビュー』なども行います。
■監査法人が行うレビュー
金融・財務関連では、監査法人が行う『ショートレビュー』という評価もあります。ショートレビューとは、株式上場を考えている企業が監査法人に依頼し、上場基準を満たしているか評価してもらうものです。
通常の監査とは異なり、ショートレビューでは主に企業へのヒアリングと財務数値からの分析によって実施されます。監査のような厳格さはなく、あくまでも簡易的な評価となるのが特徴です。
しかし、上場を目指す企業にとっては、ショートレビューの結果によって改善点などをあぶり出すものなので、最初の関門とされています。
ビジネスにおけるレビューの重要性
ビジネスにおいて、レビューは消費者と企業の双方に大きな価値をもたらします。消費者と企業それぞれにとってのレビューの重要性について、詳しく見ていきましょう。
■消費者にとっての重要性
レビューは、現代の消費者にとって、製品・サービスを選ぶ上で欠かせない情報源となっています。多くの消費者が購入前にレビューを参考にしており、その重要性は年々高まっているといってよいでしょう。
レビューが、消費者から信頼される理由は明確です。企業ではなく、実際の利用者による中立的な意見であること、ネガティブな情報も含まれる正直さ、そして複数の人が同じ内容を述べる一貫性が、説得力を生み出しています。
使用感・品質を事前に知ることで、自分に合った製品を選べるようになるため失敗するリスクが軽減し、安心感を持って購入できるでしょう。
■企業にとっての重要性
企業にとっては、ビジネス成長の重要な推進力となります。ECサイトにおけるレビューは、製品の信頼性向上に直結します。
実際の購入者による生の体験が客観的な情報として伝わるため、企業の一方的な発信よりも訴求力が高まるからです。
また、SEO対策にも効果を発揮します。サイト内のコンテンツとして検索エンジンに認識されるため、自然な形で検索順位の向上が期待できるのがメリットです。潜在的な顧客の集客に、つながる可能性もあるでしょう。
さらに、SNS上でのレビュー投稿は二次拡散につながりやすく、顧客ロイヤリティを高められます。
レビューを活用するメリット
レビューの活用は、ビジネス成長に欠かせない戦略の一つです。ここでは、レビューを活用する三つの主なメリットについて解説します。
■顧客視点を製品・サービス改善に生かす
顧客視点を生かした、製品・サービスの改善が可能になります。顧客が何を期待し、何に不満を持っているかを正確に把握することで、より的確な改善策を講じられるためです。
例えば、製品を購入した顧客から『部品が壊れやすい』というレビューがあれば、耐久性を向上するなど具体的な改良が可能になります。社内の関係部署と共有することで、より良い製品の開発へとつなげられるでしょう。
レビューを活用した製品改善は、顧客満足度向上だけでなく、長期的なブランド価値の強化にも貢献する重要な取り組みです。
■購買決定を促す
顧客の購買意思決定にも、大きな影響力を与えます。レビューをもとに購買を決める人が多くいる中で、特に若年層ほど重視する傾向があるといわれています。
近年はSNSの普及が急速に広まり、中でもデジタル世代と呼ばれる人々にとっては、さまざまな情報を得る重要なツールとなりました。
家族・友人などの身近な人だけでなく、インフルエンサー・タレントといった影響力の強い有名人のレビューによって、購入決定を後押しされる人も多いでしょう。企業側は、この消費者心理を活用することで、販売促進につなげられます。
■否定的なレビューも参考にする
レビューは、実際に製品・サービスを購入した人の体験によって評価されるものなので、ポジティブな意見ばかりが集まるとは限りません。しかし、否定的なレビューも、実はビジネス成長のための貴重な資源となり得るのです。
消費者は、悪い評価が全くないレビューより、否定的な評価も含めた正直な意見を求めています。むしろ、良いことばかりが書かれているレビューは、消費者からの信頼を得にくいでしょう。
また、否定的なレビューには、具体的な改善ポイントが含まれていることが少なくありません。製品・サービスの弱点を把握するための、貴重な情報源となります。
否定的なレビューだからといって、排除したり無視したりするのではなく、誠実に対応することが大切です。