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部下の成長につながる「1on1」ミーティングの進め方

2025.03.25

部下の成長につながる1on1

人材育成を重視する組織風土のもとでは、部下の成長度が高くなった。「誰でも活躍しやすい環境」「仕事・ポジションの明示」「教育・訓練の手厚さ」に『あてはまる』と回答した部下は、成長度(10点満点)が7.2~7.4点と高く、『あてはまらない』場合(6.3点)と比べおよそ1.0ptの差があった。

上述した「誰でも活躍しやすい環境」「仕事・ポジションの明示」「教育・訓練の手厚さ」の要素が1on1を通じた部下の成長にもプラスの影響を与えていることが確認された。部下が目標設定しやすく、学びの機会も豊富にあり、どのような従業員であれ活躍できるような人材育成を重視する組織風土のもとでは、1on1の効果も高まることを示唆している。

部下は「面談について学ぶ仕組みがない」ことに困っており、1on1を良くするには「人材育成」を重視する組織風土が必要と考えていた。そこで、1on1に関する研修として、「傾聴スキル」「コーチングスキル」の研修受講経験を見ると、部下の受講率は、上司よりも低く30pt以上の差があった。

上司・部下それぞれに研修が役立つかを尋ねると、上司・部下ともに約6~7割が役立つと回答した(「傾聴スキル」は上司、部下ともに約7割、「コーチングスキル」については上司が約7割、部下が6割)。

部下の1on1に関する研修経験の有無と成長の関係を見た。傾聴スキル研修やコーチングスキル研修を受講した部下は、研修を受講していない部下よりも成長度が高かった(傾聴スキル「研修経験あり」7.1点、「研修経験・自己研鑽なし」6.5点。コーチングスキル「研修経験あり」7.1点、「研修経験・自己研鑽なし」6.5点)。

1on1に関する自己研鑽の有無と部下の成長の関係を見た。「面談に関するマニュアルを読む」「面談に関する本を買って読む」「面談に関する勉強会に参加する」といった自己研鑽を行った部下は、それらの自己研鑽を行っていない部下よりも成長度が高かった(面談に関するマニュアルを「読んだ」7.2点、「研修経験・自己研鑽なし」6.5点等)。

1on1時に「上司が本音を話してくれている」と部下が感じることが、部下の成長に最もプラスの影響を与えていた。次いで、日頃から上司が自分(部下)に対して配慮してくれている(自分のアイデアを尊重してくれる、自分の業務進捗をマメに確認してくれる、励ましてくれる)、加えて「上司が新たな視点を提供してくれる」と部下が感じることが、部下の成長にプラスの影響を与えていた。

1on1時に上司より部下の話す割合が高い方が部下の成長度も高くなっていた(「部下の話す割合が高い」6.8点、「上司の話す割合が高い」6.3点)。また、1on1時に上司より部下がその日に話すテーマを決めているほど、部下の成長度も高くなっていた(「部下がテーマ設定」6.9点、「上司がテーマ設定」6.4点)。

1on1の実施頻度別に、1回あたりの実施時間と部下の成長度を見た。最も成長度が高いのは、月2~3回以上という高頻度かつ1回あたりの時間が30分以上1時間未満の1on1であった(7.4点) 。逆に最も成長度が低いのは、月2~3回以上という高頻度かつ1回あたりの時間が1時間以上の1on1であった(6.0点)。1回あたりの時間が長すぎるのも逆効果であることが示された。

調査結果からの提言

1. 上司も部下も手探りで1on1を進めている

本調査から、上司も部下も1on1について学ぶ仕組みのなさ、上司の多忙による1on1のスケジュール設定の難しさなどに困っており、また1on1の効果をなかなか実感できていないことが明らかになった。

この背景には、組織が1on1導入にあたって従業員に何のために、どのように1on1を実施するのかについてきちんと説明せず、1on1について学ぶ機会も十分な形で提供していないことがあると思われる。上司と部下は手探りで1on1を進めている様子がうかがえる。

2. 「育成」を重視する組織でこそ1on1は部下の成長を促す

上司も部下も1on1の改善には「人材育成」を重視する組織をつくることが必要と考えていた。本調査以前にも、1on1で部下の成長を促すためには上司のスキルが重要であることは繰り返し指摘されてきた。

本調査でも、上司のマネジメント行動が部下の成長に対してプラスの影響があることを確認している。当然、上司は日頃から部下を配慮し、部下が自分ひとりではなかなか気づかない視点からの助言をすることも大切である。部下からすれば、日頃から自分をサポートしてくれる上司だからこそ、1on1時の上司の率直な発言を自分の糧にできるのではないだろうか。

しかし、上司の個人的な奮闘だけでは十分ではない。組織として「育成」に取り組むことが重要になる。組織は上司にも部下にも1on1に関する学びの機会を提供すること。上司だけではなく部下にも1on1に関する学びの機会を提供することは重要な意味を持っている。

1on1に関する学びの機会を得た上司と部下が、従業員の成長を支える組織でコミュニケーションをする。その結果、部下の成長は促されると考えられる。

部下の成長に影響する4つのポイント別に、部下の成長に繋がる1on1のあり方を整理した。

出典元:パーソル総合研究所

構成/こじへい

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