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〝2500円超のパフェ〟〝3000円超のイタリアン〟デニーズの有名店監修メニューに隠された新戦略

2025.04.10

「これがファミレスの料理?」

そう思わず声に出してしまうような本格メニューが、今、全国のデニーズで提供され話題となっている。

アロマフレスカ銀座監修の「シェフのおすすめパスタ・ハンバーグセット」3300円

3000円超のイタリアンに、1400円超のラーメン、そして2500円超のパフェ

現在提供されているのは、イタリアンの名店「アロマフレスカ銀座」の原田慎次シェフが監修した「シェフのおすすめパスタ・ハンバーグセット」。見た目の美しさ、食材へのこだわり、そして丁寧な味付け、そのすべてが“ファミレス”という言葉から想像される料理のイメージを良い意味で裏切ってくる。価格は、ファミレスとしてはちょっと強気の3300円。とはいえ、このボリューム感で名店のセットが食べられるなら、むしろリーズナブルに感じるくらいだ。

らぁ麺 飯田商店監修の「味噌らぁ麺~五重の味噌」1419円

さらに2024年12月には、6月の第一弾に続きラーメン界の名店「らぁ麺 飯田商店」による監修メニューが実現。行列必至の名店の味がファミレスで食べられるという情報はSNSでもバズり、多くの客が店舗に足を運んだ。

サダハル・アオキ・パリ監修の「あまおうとピスタチオのマカロンサンデー 」2585円

ほかにも、直近では「サダハル・アオキ・パリ」が監修する2585円のパフェ(※4月8日で終了)など、我々の常識をはるかに超えるメニューを展開。デニーズのメニュー開発が、単なる期間限定の企画ではなく、企業の戦略的な方向転換であることがうかがえる。

3000円超のイタリアンに、1400円超のラーメン、そして2500円超のパフェ――。繰り返しにはなるが、従来のファミレスの価格帯を超えている。そんな斬新な戦略にデニーズが踏み切るのはなぜか。

そこには、50周年を迎えた企業としての「新しいファミレスのあり方」を模索する姿勢と、食への本気の姿勢があった。

デニーズが名店による監修メニューを始めたワケ

監修メニューを始めた背景について、デニーズを運営するセブン&アイ・フードシステムズ PRSP部 広報統括マネージャー 杦谷大樹(すぎたにひろき)さんは次のように語る。

「創業50周年のキャンペーンを企画していく中で、『デニーズの商品力向上のため、著名なシェフの方々の力を借りることができないか』という提案が、社長の小松から直々にありました。もともと小松は商品開発を担当していたこともあり、社長就任前から調査にために食べ歩きを続けていたといいます。そんな経緯もあって、自身の食べ歩きで気になっていたシェフたちに社長自ら直接交渉を行ない、著名なシェフによる監修メニューを実現させていったのです」

当初は2023年の1年間だけの予定で始まった企画だったが、今までデニーズに足を運ぶことのなかった層が監修メニューを目当てに来店するなど徐々に人気となり、50周年キャンペーンから2年経った今も続いている。

コンスタントに続いている同企画だが、監修が決まったからといって、すぐに店頭でシェフの料理を再現できるわけではない。全国の店舗で提供するための商品開発には、多くの工程と苦労が伴うことも。

商品開発担当者も料理のプロフェッショナルであるが、何度もダメ出しを受けることがあるらしい。そのたびに改良を重ね、再度試食をシェフにお願いし、細かな調整を行なう。これは、デニーズの商品開発チームのスキル向上にもつながっているそう。

「商品開発担当者は、監修先のシェフのアドバイスを受けながら試作を重ね、最適なレシピを確立していきます。このプロセスを通じて新たな発見が生まれることも多いと聞きます。シェフの調理技術を学ぶことで、新しいスパイスの使い方や味のバランスの取り方を知ることができるそうです」

有名シェフ監修に対してメリットを感じるのは、商品開発担当者たちだけではない。この企画は、メニューを提供するシェフたちからも好評だ。

「もっと多くの人に自分が監修した料理を食べてほしいという思いをかなえられ、今までとは違う人たちが自分の料理を口にしてくれることに対し、シェフから喜びの声をいただくことも多いですね」

それにしてもお値段、ちょっと高くないですか?

監修メニューの有効性については、なるほど納得できたが、「お値段、ちょっと高くないですか?」という疑問が残る。従来のファミレスの常識を超えた豪華なメニューは、顧客にすんなり受け入れられるものなのか。

 そこでストレートに、価格設定の意図について聞いてみた。すると、顧客の価値観の変化が見えてきた。

「最近は、どんなに安くてもおいしくないものにはお金をかけたくないと考える方が多くなってきているように感じます。確かに監修メニューはファミリーレストランの通常メニューよりも高い価格設定ですが、ありがたいことに『このクオリティーだったらお金を出してもいい』と感じてくださるお客様がお店へ足を運んでくれています。

また、現在提供している原田シェフのメニューを考えたら、『アロマフレスカ銀座』に行けば3300円でセットはとても食べられません。それに銀座までのアクセスを考えたら、近くのデニーズで体験できることに価値を感じるというお声もいただいています」 

「ちょっと高くて良質なもの」は今のトレンドだ。身近な例でいえば、コンビニのプレミアムおにぎりやスイーツ、高級レストラン監修の冷凍ミールセット。飲食業界以外にも、安さが売りのユニクロだって、最近は「ユニクロC」といったちょっと高価格で質の良い商品が売れている。

「少し贅沢だけど、高品質」は今、みんなが求めている傾向だ。

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