ファミレス業界はもはや“ファミリー”を狙っていない?
「デニーズはファミリーレストランですが、最近は、ファミリー以外でご来店いただく方が増えています」と杦谷さん。
つまり、“ファミレス=家族連れ”という固定観念は変わりつつあるようで、最近はソロ利用や友人同士での利用が増えている。取材時の店舗でも、仕事をしながらひとりで食事をする客や、友人同士のグループが見られた。自分ひとりの飲食代を払うだけなら、上述のご褒美のような豪華メニューがあるのはうれしいし、手も出しやすい。
ひとりで使いやすい席の展開も進んでいる
デニーズでは広めのひとり席や電源、Wi-Fi環境もあり、テレワークをする顧客も歓迎している。3月からはソロ活シーンに注目したキャンペーン「めざせ、ソロデニマスター」を展開し、ひとり利用のさまざまなシーンに最適なメニューを提案。ファミレスはひとりでも入れる場所であることを訴求し、ソロ客を狙った新しいファミレスのあり方を模索しているのだ。
もし、しばらくファミレスを利用していないのであれば、仕事の合間や友人との食事など、家族で訪れる以外の使い方を試してみてほしい。“ファミリー以外”も取り込んでいくデニーズの斬新な戦略は、まだまだ続く。
取材・文/内山郁恵