
転職・就職のための情報プラットフォーム「OpenWork」を運営するオープンワークは、「働きがいのある企業ランキング2025」を発表。2万484社中、第1位に選ばれたのは顧客や社会が抱える課題を解決するために統合的なソリューションを提供し、進化を続ける広告会社の電通だった。
このランキングは、匿名の現職社員または1年以上在籍した元社員による「OpenWork」の評価スコアが分析対象となっており、「社員の相互尊重」「待遇面の満足度」「社員の士気」といった8つの項目から総合スコアの高い企業がランキングされている。
電通は、「社員の相互尊重」で4.5/5点、「社員の士気」「風通しの良さ」「20代の成長環境」でそれぞれ4.4/5点と高評価を獲得。
そこで、入社5年以内の電通社員を対象に「働きがい」を取材した。
四人の社員から集まった声を前・後編に分けて紹介したい。
(前編はこちら)
「働きがいのある企業」1位は電通、若手電通社員は何に働きがいを感じているのか?【前編】
転職・就職のための情報プラットフォーム「OpenWork」を運営するオープンワークは、「働きがいのある企業ランキング2025」を発表。2万484社中、第1位に選...
「休暇取得がしやすく、リフレッシュできる」(入社3年目)
プライベート時間を充実できる生活を送れてこそ、仕事にやりがいを感じるものだ。第1CRプランニング局Dentsu Lab Tokyo 1部に所属するクリエイター職の柏木梨佐さんは、休暇取得のしやすさに驚きを隠せない。
「わたしは、家が集中できる場所なので、比較的、在宅勤務をする割合が多くなることもあります。ずっと家に籠っていることが多いので休日は山や自然を感じる場所に出かけます。
電通に入社してから驚いたのが、先輩たちもそれぞれが働きやすい方法で仕事をして、プライベートを充実させていることでした。電通には、毎月1回の休暇取得奨励をする『有休奨励日(インプット等有休奨励日)』という制度もありますし、休暇の取得や申請も部署や会社が積極的に勧めてくれる。この前も同期とモンゴルへ旅行に行ってきました。」
柏木 梨佐
第1CRプランニング局 Dentsu Lab Tokyo 1部
2023年入社。デジタルクリエイティブ職。CM映像からテクノロジーを用いた体験まで、幅広いプランニング業務を担当。
「休暇が取得しやすいと、オンとオフ、自分のタイミングで気分をリフレッシュできるので、仕事のスイッチも入れやすい。私の場合、都会から離れることで気持ちを切り替えることができるので制度が充実していることは本当に助かっています」
電通は休暇の取得だけでなく、労働時間に関しても積極的に改革を進めている。2024年度の法定外労働時間は月9.5時間であり、世間のイメージ以上に働きやすい環境が整いつつあるようだ。
「コミュニケーションのプロたちと今までにない仕事に挑戦できる」(入社3年目)
dentsu Japan(国内電通グループ)は近年、BX(ビジネス・トランスフォーメーション)領域の拡張に力を入れている(参考:dentsu Japan事業紹介)。従来の広告やマーケティングを超えたより広い領域から顧客企業の成長をサポートし、社会全体の成長に貢献する〝真のIntegrated Growth Partner〟を目指していると佐野社長は宣言をしている。
クライアント企業の事業成長と企業変革を担うのがBX領域であり、これからの電通を担う大切な存在だ。そのBX領域を担当する第2ビジネス・トランスフォーメーション局に所属する高野倉健生さんに話を聞いた。
「私はマーケティングに興味があって、前職の営業から第2新卒で電通に入社しました。面接でも『企業のマーケティング戦略に携わりたい!』と話したのですが配属されたのはBX局でした。私自身『なぜ?』と感じたのですが、働き始めるとまさに私が興味のある領域だったんです」
高野倉 健生
第2ビジネス・トランスフォーメーション局 変革パートナー4部
国内SIerを経て、2023年に第二新卒で電通入社。顧客企業のブランディング戦略策定やDX支援業務を担当。
「面接で色々と話をしている中で、私が企業経営に興味があってそのためにマーケティングを学びたいということを人事の方がしっかりと見極めてくれていたんです。BX局は、クライアント企業の事業戦略や経営方針を一緒に考えることができます。新規事業のブランディングをどのように展開していくかといったクライアントの課題を共に考えていくこともあり、”働きがい”で言うと、私の場合は仕事内容がダイレクトにやりがいになっています」
電通グループのすべてのクライアントがBX局の担当クライアントにもなり得る。その大きさにやりがいを感じると同時にそれができるのは、多くの電通社員が持つ人間性があるからだと高野倉さんは続ける。
「人間関係が良い意味で”ウェット”で、社員の皆さんが案件に深く関わってくださるんですよ。電通の社員はコミュニケーションのプロとよく言われますが、本当にその通りで、人と人とのつながりで新たなお仕事が出来上がっていく。こうしたウェットな関係性があるからこそ、電通にとって新しい領域であるBXにおいてもプロフェッショナルなメンバーとともにプロジェクトを進めることができるんです。」
「働きがい」は新しい電通の体現
電通は、企業や社員の持続的な成長のために「心身ともに健康に働くことができる環境づくり」や「多様な価値観、多様な働き方を通じ、従業員が自己の成長を実現できる環境づくり」を進めている。2024年1月に就任した佐野傑社長が一貫して語る「古い電通のイメージを変える」との理念は、一歩ずつ「社員の働きがい」という形で表れてきているのかもしれない。
取材・文/峯亮佑