
知らないうちに自分の評価が下がってしまうサイレント減点。本記事では、その概要や対象となり得る具体的な言動と、サイレント減点を回避する対処法について解説する。
目次
仕事で成果を上げているのに正当に評価されない。大きなミスをしたわけでもないのに評価が低い。そう感じている人は、サイレント減点されている可能性がある。
本記事では、知らないうちに評価が下がってしまうサイレント減点について、概要と減点対象になり得る言動や行動について解説する。サイレント減点を回避するための対処法も紹介するので、自分の言動または行動を見直し、ビジネスシーンに活かしていこう。
サイレント減点の概要
サイレント減点は、その文字から察すると、静かに行われる減点を表す。具体的にどういった減点で、それが自分の評価にどう影響するのか。まずは、サイレント減点の概要について確認しておこう。
■サイレント減点とは、表立った指摘なく評価を下げられること
サイレント減点は、他者から直接の指導や忠告もなく評価を下げられることを指す。例えば、仕事上のミスや業務に影響する言動があった場合、上司や先輩などから注意を受け、今後に活かせるフィードバックをもらえるだろう。
しかし、サイレント減点は主に業務に直接関係がないところで起きる。そのため、他者から指摘されることが少ない。相手は「この言動は良くない」と感じたとしても「業務には関係がないから」などの理由で、意見を控えてしまう。
■サイレント減点は自身の評価にどう影響するのか
サイレント減点は、何かペナルティーが生じるわけではない。給料にもすぐに影響するわけではないだろう。しかし、誰にも指摘されず改善もされないため、少しずつ積み重なって個人の評価を下げていく。その状況が続けば、不本意な評価につながる可能性がある。
サイレント減点が積み重なると、重要な仕事を任されなくなったり、企画や提案が通りにくくなったりする。
その結果、仕事が順調に進まないようになり、出世が遅くなることも考えられるため、最終的には給料に影響することになる。
サイレント減点の具体例6つ!当てはまるものがないかチェックしよう
どのようなことがサイレント減点の対象になってしまうのか、具体的な言動・行動を6つ紹介する。自身に当てはまる部分がないか確認してみよう。
■報連相が不十分である
報告・連絡・相談は社会人としての基本だ。報告が遅かったり、相談が必要な部分を自分の判断で決めたりなど、他者に迷惑がかかるような行動はサイレント減点の対象になる。
例えば、「○○さんに報告したから上司にも伝わるだろう」と他人任せにし、自分で報告をしなかった場合。確かに、人づてで上司に情報は伝わるかもしれない。
しかし、上司は「きちんとした報告がない」と判断し、「仕事に対して無責任だ」という印象を持つだろう。業務に支障が出なかったのであれば、このような行動は指摘されないかもしれないが、上司の中での評価は下がってしまう可能性がある。
■社員同士の交流に消極的である
社員同士の交流に消極的なことも、サイレント減点の対象になり得るだろう。会社は仕事をする場所ではあるが、その仕事は多くの社員が関わり協力し合って成り立つ。
他の社員とのコミュニケーションを怠っていると、「自分が業務をこなすことしか考えていない」「非協力的だ」と思われる恐れがある。他者との信頼関係を築けず、チームワークを乱す存在だと評価されてしまうかもしれない。
また、会話などの交流以前に挨拶すらしないようでは、人として基本なことができていないとみなされるだろう。人間関係も仕事の内だと理解せず、良好な関係を構築しない人はサイレント減点される可能性が高い。
■会社独自のルールを守らない
会社には、就業規則のほか、直接関係のない些細なルールがある。例えば、社内での資料は基本的に白黒でコピーするなどが一例だ。
こういった会社独自の慣習は近年「謎ルール」として話題になっており、ルールに従いながらも「何の意味があるのか」と思う人は多いだろう。
しかし、意味がないと無視していると、サイレント減点につながってしまう可能性がある。中には古い慣習を重視する人もいるため、「ルールを守らない社員は協調性がない」と判断されることも少なくない。
意味のないルールでも定着してしまっていると「不要だ」と声を上げにくく、変えることも難しい。違法性のあるルールやハラスメントに該当するものは問題だが、取るに足らないルールであれば、それに従うのが無難な対応だ。
■ネガティブな感情を表情に出す
ネガティブな感情を表情に出すことは、サイレント減点につながる。ミスや不注意を指摘されたときや急な仕事を頼まれたときなど、自分にとって不都合が生じた際にネガティブな感情が生まれることは誰しもあるだろう。
しかし、表情に出さずに真摯に対応する社員と不服そうに対応する社員では、たとえ業務上の対応が同じでも相手が抱く感情には大きな差が出る。
人とのコミュニケーションにおいて相手を不快にさせるような言動は、サイレント減点される傾向にある。
■調べればわかることや同じことを聞く
仕事をする際に慎重であること、ミスをしないように周りに確認を取ることは大事だが、調べればわかる内容、何度も教わっている内容を聞いていないだろうか。
マニュアルで確認できることや以前も教えたことであれば「自分で解決できない」「覚えていないのにメモを取らない」と思われ、評価が下がるだろう。
また、相手は質問に対して答えやヒントを教えるために、自分の作業を中断して時間を割く。何度も同じことを繰り返す人は「相手のことを考えていない」とも思われ、さらに評価を下げてしまう可能性がある。
■自己中心的な態度や発言をする
先述した例にも共通するが、自己中心的な態度や発言はサイレント減点につながる。
例えばコピー用紙の補充をしない、使う人が掃除をする決まりの喫煙スペースを掃除しない、自分への来客で使用した食器を片付けないなど。
謎ルールとは異なり、皆が納得して行っている業務以外のルールも多くあるはずだ。自分さえよければ他のことは気にかけない、といった行動は好ましくない。
また、自分の主張を通そうと相手を批判したり、何かを頼まれても必要な協力をしなかったりといった自己中心的な行動はチームワークを乱す。他者を軽んじて自分のことしか考えない人の評価が低いのは必然といえるだろう。
サイレント減点されないための対処法
仕事できちんと成果を上げていても、サイレント減点の原因となる行動が多ければ評価を下げてしまい、出世は遠のく。仕事で成功を収めるには、成果を上げるだけでなく、それを評価してもらうことも重要だ。そのためにはサイレント減点を回避する必要がある。
サイレント減点されないための対処法を確認し、自身の言動・行動に活かしていこう。
■報連相を怠らない
社会人の基本である報連相は、何よりも意識して徹底することが大切だ。仮に業務の進行に問題はなくても「予定通り進んでいるから報告は不要」と判断せず、進捗状況を報告しよう。
自分の評価をする上司だけでなく、チームの同僚や取引先なども同様だ。定期的な報告や連絡をすることで、相手に安心感を与え、仕事に対する責任感も伝わる。
■コミュニケーションを円滑にする
業務を滞りなく進める上でも、社内でのコミュニケーションを円滑にすることは重要だ。良好な人間関係を築き、ポジティブな言動を心がけるとチームワークが高まり、仕事がスムーズに進む。自分の業務だけでなく、周囲にも良い効果を生むだろう。
全体のことを考えて行動し、他者への感謝や協力の姿勢を持てばマイナスな評価にはつながらないはずだ。
■マニュアルやメモを活用し、解決力を身に付ける
わからないことはすぐに聞くのではなく、自分で解決する力を身に付けよう。マニュアルを確認したり、メモを取ったり、どうすれば問題を解決できるのかを考えることが大切だ。
仕事では、わからないことや難しいことは必ず出てくる。その際に、人に聞いて答えを教えてもらうのは簡単だ。
しかし、まずは自分にできることがないか、解決の方法がないかを考えて行動すると、自ずと成長につながる。そういった仕事に対する姿勢も、評価される要素の一つだ。
■自分の行動を振り返る
定期的に自分の行動を振り返り、問題点や反省点がないかを見直すのも重要だ。さまざまな点に気を配っているつもりでも、慣れや忙しさが原因でつい怠っていることがあるかもしれない。
日々の言動を意識的に見直して小さな努力を継続することが、最終的な評価につながる。
※情報は万全を期していますが、正確性を保証するものではありません。
文/編集部