
モチベーションは行動の原動力で、低下すると意欲的な取り組みが難しくなります。目的を明確にし、小さな目標の達成で成功体験を積み、仲間と励まし合うことが、維持・向上の鍵となります。
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「やる気が起こらない」
「継続して続けることができない」
といった悩みを抱えているのなら、それはモチベーションが維持できていないからかもしれません。
モチベーションが上がらなかったり、続かないことは誰でも経験したことがあるはずです。その状態が短期間であれば問題ありませんが、長く続いてしまうとモチベーションだけでなく、本来できていたことさえできなくなってしまう可能性もあります。
今回は、モチベーションとはどのようなものなのか、そしてモチベーションを上げるためにまず取り入れてもらいたい3つの方法をご紹介します。
モチベーションとは?
まずはモチベーションとはどのようなものなのかを説明してきます。
1.意味
小学館の「デジタル大辞泉」によると、モチベーションとは
・動機を与えること。動機づけ。
・物事を行うにあたっての、意欲・やる気。または、動因・刺激。
とされています。
動機とは、人が意志を決めたり、行動を起こしたりする直接の原因を指します。なので、モチベーションとは簡単に説明すると、行動するための原動力となる気持ちのことです。モチベーションが下がった状態だと行動を起こすこと自体が億劫になったりするのは、行動を起こすための気持ちが少なくなってしまっているからです。
2.モチベーションを上げることのメリット
モチベーションを上げると、
・ポジティブ思考
・行動の促進
・パフォーマンス力のアップ
といったことに期待できます。
モチベーションが下がった状態では、仕事は自分から取り組んでいるのではなく、誰かにやらされているという思いが強くなります。一方のモチベーションが上がった状態では、自分から意欲的に取り組め、気持ちが前向きになります。
気持ちが前向きになると、自らの意思で意欲的に取り組むようになり、その意欲によって仕事の効率や精度が向上するなど、パフォーマンス力がアップしていきます。
3.モチベーションの種類は2つに分けられる
モチベーションには、そのやる気の源になるものが、外発的なもの(周囲の環境や出来事)と、内発的なもの(自分の心の中で起こっていること)の2種類に分けられます。これを「外発的動機付け」と「内発的動機付け」と言います。
「外発的動機付け」は、
・この仕事を頑張ったら報酬を得られる
・これが終わったら好きなものを買ってもらえる
・この仕事が失敗したら上司から叱責されてしまう
といった外部からの刺激によって起こるものです。報酬などの良いものだけでなく、叱責といったマイナスなものもこれに該当します。
もう一方の「内発的動機付け」は、
・上司の役に立ちたい
・この仕事を成功させて成長したい
・この勉強は自分の役に立っている
といった、自分の内面にある使命感や達成感、やりがいといったものがこれに該当します。
上記の2つはどちらが良い、悪いとされるものではありませんが、「外発的動機付け」のほうが持続力は短いとされています。外部からの刺激に慣れてしまう可能性があるからです。また、外部からの刺激によってなので自発的な行動がなくなってしまうといったデメリットもあります。
一方の「内発的動機付け」は長期的なものとはされていますが、コントロールが難しいことが難点と言えます。
モチベーションを上げる3つの方法
モチベーションを上げるためにはさまざまな方法があります。ここでは、モチベーションを長続きさせるためにまず取り入れてもらいたい3つの方法をお伝えします。
1.目的、ゴール地点を明確にする
モチベーションが上がらない理由として、今取り組もうとしていることによってどうなりたいのかが明確になっていないことが挙げられます。目的がわかっていないと、人は自分で取り組んでいるというよりも、誰かにやらされているという思いが強くなるのです。誰かにやらされていることに対しては、報酬などの「外発的動機付け」が必要となり、これでは長続きしません。
まずは、今取り組んでいることのゴールを明確に立てましょう。仕事であれば「〇件アポイントを取る」、勉強であれば「〇年後までに資格を取る」などわかりやすいものにしてください。
2.小さな目標を立て、成功体験を重ねる
日々の取り組みに対して、小さな目標を設定して、それをやり遂げていくことがモチベーションを上げる方法として有効です。
目標は、「資格の本を昨日より5分多く読む」「会社へいつもより5分早く行く」など簡単なものにしてください。達成できないような高い目標では、達成できなかったときにモチベーションはより下がってしまうからです。
小さい目標をやり遂げるという成功体験を積み重ねていくことで達成感という「内発的動機付け」を高めていくことができます。
3.同じ目標を持つ同僚や仲間を見つける
同じ目標を持ち、それを共有できる仲間を見つけてください。仕事であれば同じ仕事を取り組む同僚、勉強であれば同じスクールに通う人などです。
同じ目標を持つ相手と励まし合ったり、競い合ったりすることでモチベーションの維持や向上につながります。
文・構成/藤野綾子
ライター・編集者。産業カウンセラー、EAPメンタルヘルスカウンセラー、メンタルヘルス・マネジメント検定Ⅱ種の資格を持つ。大学に通い直し、心理・福祉の国家資格取得に向けて勉強中。教育施設、就労移行施設などでカウンセラー研修、実務も続けている。
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