
「皆さんの会社には定期的な会議はありますか?」
この質問に対して、皆さんはどのようにご回答いただけるでしょうか?弊社が独自に行った調査では、66.4%(単数回答、回答数2268件)の方が定期的な会議があるとお答えいただいている一方で、「会議に出て意味がないと感じたことはありますか?」という質問に対しては実に75.0%(単数回答、回答数300件)の方が、意味がないとご回答いただいております。
時間は有限である為、意味のない会議には参加したくないと感じるのが当然だと思います。今回は意味のない会議を無くし、生産性を上げるために必要なことを上司の立場、部下の立場双方でお伝えします。
上司の立場の方へ。会議の目的とは?
会議を主催する側は、部下より上司側が多いのではないでしょうか?では、上司の立場の方にお伺いいたします。「会議の目的とはなんですか?」
おそらく、いろんな目的があるのではないでしょうか?
・情報共有の会議?
・目標に対する進捗を確認する会議?
・ブレインストーミングのような意見出しの会議?
上記に、詳細なテーマが掛け合わされれば、無数に目的は存在します。
目的を持って始めた会議が、なぜ意味のない会議と言われてしまうのでしょうか?実は意味のない会議にはある特徴があります。それは、「なにが決まったか、わからない会議」です。会議主催者から提示されたテーマの下、活発な議論が行われれば、一見中身のあるように見え、その場では意味のある会議に感じます。しかし、なにも決まっていなかったら、会議の参加者は現場でなにをすればいいか迷ってしまい、結果を出すことができず、会議に出ても意味がなかったと感じてしまうのです。もし仮に、会議が終わった後、自分がなにをすればいいかが明確になっていれば、現場に戻った後すぐに行動でき、成果を上げる確率が高くなります。会議で決まったことを実行し、成果がでれば、自分が参加した会議に意味がないと感じる人は減るはずです。
では、なぜ何も決まらない会議になってしまうのでしょうか?何も決まらない会議にはある誤解が発生しています。それは「会議は議論を行う場」という誤解です。
会議で「議論」を行なわない方がいい理由
会議の時間や頻度についてのアンケートにおいて、約60%の人は適切とご回答いただいています。
(頻度:61.3% 時間の長さ:58.7% 回答数300件)
意味がないと感じている人が75.0%いるにも関わらず、頻度や時間については適切と感じている人が多いという結果になっています。これは主催者側も参加者側も会議は議論を行うものという誤解をしているからではないかと考えます。
では、会議で議論を行うことが、なぜ誤解と言えるかを単純な事実から考えていきたいと思います。会議で行われる議論の内容を考えてみましょう。
「なぜ、そんなことが起きたのか?」
「いつ、そのようなことが起きたのか?」
上記のように、会議の場で議論を行おうとすると原因分析のような過去の話題になることが多いです。ここで注目していただきたい事実は「過去は変えることができない」という事実です。変えられないことに対して、議論を行うことは生産的とは言えないのはお分かりいただけると思いますが、会議だから議論をしなければならないと誤解している人が多ければ、過去の話題がどんどん掘り下げられ、いたずらに時間が過ぎてしまうということになります。アンケートにあるように、会議の時間は適切と感じている人が多いことから予定の時間になれば、そのまま会議は終わっていき、結果、「なにが決まったか、わからない会議」になってしまうのです。
本来、会議は物事を良い方向に進めるために行います。「物事を良い方向に進める」という表現は過去の話ではなく、未来の話であるべきです。その辺りから考えても、会議で議論を行うことは必要最低限にすべきだと考えます。
会議で未来の話を行うことの重要性
前段で、「何が決まったか、わからない会議」にならないために、会議の場で過去の話になりやすい議論を行うべきではないとお伝えしました。そして、物事を良い方向に進めるためには未来の話を行うべきともお伝えしました。では未来の話ができる会議とはどのような会議なのでしょうか?
それは、次の会議までになにを行い、どのような状態にするかを約束している会議であり、会議とは上司と部下が「約束をする場」という認識で行うという事です。
約束が明確に設定されていれば、部下は現場でなにをすればいいかに迷いを持つことはありません。仮に迷いが残っていたとしても、まず上司との約束をやろうとするはずです。そうなれば、行動が止まることはありません。行動を起こすことができていれば、良くも悪くも変化を起こすことができます。その変化を根拠に改善すべき点を考えれば、よりよい未来に向けて物事を進めることにつながります。そうすれば、会議を通じて、日々の仕事に良い変化が生まれ、目標進捗などが好転していけば、会議に意味がないと感じる人は減るのではないでしょうか。このように会議とは、次の会議までの約束をする場にすべきであると言えます。
ここで約束をする際の注意点もお伝えしたいと思います。それは根拠のない約束にしないという事です。根拠のない約束は約束とは言えず、気合や意気込みになってしまいます。約束の根拠を明確にするためには、過去の原因分析も必要です。ただ、過去の話は会議ですべきではないとお伝えしているので矛盾を感じてしまう方もいるのではないでしょうか?このあたりについて、部下が会議のために行うべき準備というテーマでご説明したいと思います。
部下の立場の人へ。会議で準備すべき事。
会議には上司と部下という登場人物がいます。会議を上司と部下が約束する場にすれば「何が決まったか、わからない会議」にはならないとお伝えしていますが、上司から部下に約束を設定したら、これは部下の立場で約束と認識できそうでしょうか?残念ながら、部下の立場からするとそれは約束ではなく、上司からの業務指示という認識になってしまいます。そうすれば、やらされ感が出てしまい、成果につながる可能性も減ってしまいます。
会議で実施される約束とは部下から上司に対しての約束であるべきです。次の会議までにどのような状態にするかを部下から約束し、それが上司に承認されれば、現場に戻ってからの部下の行動変化が速くなるはずですし、やらされ感はなくなります。ということは、部下は会議に参加する際に、上司が承認できるような根拠のある約束を準備して会議に参加する必要があります。
では、約束の根拠とはどのように作ることができるのでしょうか?それはすでに出ている結果を分析し、あるべき姿からのギャップを捉え、そのギャップがなぜ発生したかの原因分析を行い、再発防止(改善)策を考えるという事です。再発防止(改善)策を根拠に約束を考えれば、上司もその約束に根拠を感じることができ、約束が承認しやすくなります。
このことから、部下は会議に参加する際は、過去の原因分析を終わらせた状態で参加すべきであり、約束の根拠になるような分析が行えていれば、会議が議論を行う場になる可能性も低くなるのです。
まとめ
意味のない会議とは「何が決まったか、わからない会議」という特徴を説明しました。会議で議論を行えば、この意味のない会議になる可能性が高く、参加者は議論に疲れ、現場に戻る前に休憩所に向かいます。
一方で、会議は約束をする場という認識で行えば、「何が決まったか、明確な会議」になり、意味のある会議になる可能性が高くなります。また約束の根拠が改善策なのであれば、未来に向けた成功イメージを持つことができ、いち早く現場で行動したいと思えるのではないでしょうか?そうなれば、会議を通じて生産性を上げることも可能です。是非、会議は約束をする場として運用し、会社の生産性を高めていってください。
文/識学