
国内電通グループのデジタル領域をけん引する電通デジタル、CCI、電通、セプテーニの4社は、電通が2025年2月27日に発表した「2024年 日本の広告費」の調査結果のうち、インターネット広告媒体費の内訳を、広告種別、取引手法別などの切り口で分析。らに2025年の予測を加えた「2024年 日本の広告費 インターネット広告媒体費 詳細分析」を発表した。
本稿では電通デジタルのリリースをベースに、その概要をお伝えする。
インターネット広告媒体費の広告種別構成比
■ビデオ(動画)広告は前年比123.0%の8439億円と、最も高い成長率
2024年のインターネット広告媒体費は、前年比110.2%の2兆9611億円(電通「2024年 日本の広告費」より)であった。
インターネット広告媒体費を広告種別で見ると、ビデオ(動画)広告は前年比123.0%の8439億円と最も高い成長率となり、構成比でもディスプレイ広告を上回る28.5%となった。
検索連動型広告は推定開始以降はじめて1兆円を突破した2023年から更に増加し、2024年は前年比111.2%の1兆1931億円となった。【グラフ1】
<広告種別の定義>
・ビデオ(動画)広告:動画ファイル形式(映像・音声)の広告
・ディスプレイ広告:Webサイトやアプリ上の広告枠に表示する画像、テキストなどの形式の広告
・検索連動型広告:検索サイトに入力した特定のワードに応じて、検索結果ページに掲載する広告
・成果報酬型広告:インターネット広告を閲覧したユーザーが、あらかじめ設定されたアクションを行った場合に、メディアや閲覧ユーザーに報酬が支払われる広告
・その他のインターネット広告:上記以外のフォーマットのインターネット広告、メール広告、オーディオ(音声)広告など。タイアップ広告を含む
【グラフ1】インターネット広告媒体費の広告種別構成比
インターネット広告媒体費の取引手法別構成比
■運用型広告は2兆6095億円、インターネット広告媒体費の構成比は9割に迫る
インターネット広告媒体費を取引手法別で見ると、運用型広告は前年比111.1%の2兆6095億円で、インターネット広告媒体費に占める構成比は88.1%となった。
予約型広告は前年比105.4%の伸長で2789億円となり、成果報酬型広告は前年比99.3%とわずかに減少して727億円となった。【グラフ2】
<取引手法の定義>
・予約型広告:純広告やタイアップ広告として、代理店・メディアレップ経由、もしくは直接広告主に販売されたもの、およびデジタル・プラットフォーム(ツール)やアドネットワークを通じて非入札方式(固定価格)で取引されるもの
・運用型広告:検索連動型広告、およびデジタル・プラットフォーム(ツール)やアドネットワークを通じて入札方式で取引されるもの
・成果報酬型広告:インターネット広告を閲覧したユーザーが、あらかじめ設定されたアクションを行った場合に、メディアや閲覧ユーザーに報酬が支払われる広告
【グラフ2】インターネット広告媒体費の取引手法別構成比
インターネット広告媒体費の広告種別×取引手法別構成比
■ビデオ(動画)広告は運用型が前年比123.0%、予約型も前年比123.2%といずれも大きく伸長
広告種別×取引手法別では、運用型の検索連動型広告がインターネット広告媒体費全体に占める構成比が最も高い40.3%。次いで運用型のビデオ(動画)広告が運用型のディスプレイ広告を推定開始以降はじめて上回り、24.0%となった。【グラフ3】
【グラフ3】インターネット広告媒体費の広告種別×取引手法別構成比
ビデオ(動画)広告市場
■インストリーム広告とアウトストリーム広告の構成比はほぼ同水準
ビデオ(動画)広告は、前年比123.0%の8439億円と、広告種別で最も高い成長率となった。
その内訳は、動画コンテンツの間に挿入されるインストリーム広告が4260億円(構成比50.5%)、Webサイト上の広告枠や記事のコンテンツ面などで表示されるアウトストリーム広告が4178億円(構成比49.5%)となり、ほぼ同水準であった。
また、取引手法別では運用型広告が84.4%を占めた。【グラフ4】
<ビデオ(動画)広告の定義>
動画ファイル形式(映像・音声)の広告。以下のようなものを含みます。
・インストリーム広告:動画コンテンツの前、中、後に再生する動画ファイル形式の広告
・アウトストリーム広告:ディスプレイ広告枠などの動画コンテンツ外で表示される動画ファイル形式の広告
Web上の広告枠や記事のコンテンツ面などで表示されるインフィード広告で動画ファイル形式のものも含む
【グラフ4】ビデオ(動画)広告の広告種類別・取引手法別構成比