
医療人材総合サービス、事業場向け産業保健支援を提供するエムステージは、同社が運営する「Dr.転職なび」「Dr.アルなび」の登録医師のうち874名に「睡眠時間」に関するアンケート調査を実施し、その結果を公開した。
睡眠時間が6時間未満の医師は約4割
3月14日は「世界睡眠デー」。この「世界睡眠デー」は、健康的な睡眠の重要性や正しい知識の普及などを目的に、国際組織である世界睡眠学会(旧世界睡眠医学会)により制定された世界的な記念日だ。
厚生労働省が公表する「健康づくりのための睡眠ガイド2023」によると、成人の適正な睡眠時間は「個人差があるが、6時間以上を目安として必要な睡眠時間を確保する」とされている。日本人の睡眠時間は、世界的に見ても短いと言われているが、日々多忙を極める医師の睡眠時間はどのような状況なのだろうか。そんな疑問を解決すべく、同社では、医師874名に「睡眠時間」に関するアンケートを実施した。
・睡眠時間「6時間未満」約4割
まず、「ここ半年の一日の睡眠時間はおよそ何時間ですか?」と質問したところ、最も多い回答が「6~7時間未満」で37.5%となった。次いで多い回答が「5~6時間未満」で29.3%、「7~8時間未満」で18.6%となり、睡眠時間が6時間未満の医師は、39.3%と約4割に上る結果となった。
また、「十分な睡眠時間がとれていると感じますか?」という質問では、「感じる」が39.1%、「感じない」が39.5%という結果に。
さらに、「少しでも良質な睡眠をとるために、行っている工夫などありましたら教えてください」という問いに対しては、「就寝前に考え事をしない(60代前半/放射線科)」「スマホは早めに電源オフ。入浴して湯たんぽ、とにかく温かくして寝る(50代前半/精神科)」「就床前に足先を温める(70代以上/精神科)」「パジャマを疲れの取れるものにしている(30代前半/泌尿器科)」「枕をオーダーメイドのものに変えた(30代前半/小児科)」「夕方からカフェインをとらない(50代前半/健診・ドック)」「夕食を食べすぎると眠りが浅くなるため、少なめにしている(40代前半/健診・ドック)」といった声があがった。
・睡眠時間の確保に「医師の働き方改革が影響」約1割、睡眠時間が「増えた」約7割
続いて、「ここ半年の睡眠時間の確保に、医師の働き方改革が影響していると感じますか?」と質問したところ、「感じる」は11.3%と約1割に留まる結果となった。
また、「感じる」「やや感じる」と答えた人に影響の内容を聞いたところ、70.7%が「睡眠時間が増えた」、29.3%が「睡眠時間が減った」と回答。「睡眠時間が増えた」と感じる理由については、「当直回数が減った」「深夜勤務のあとは休みやすくなった」など、勤務体制が変化していることがわかるコメントが多くみられ、「睡眠時間が減った」と感じる理由では、「支援が減り勤務数が増えた」「スポット当直が増えた分」など、変化したことへの対応によるものが多くみられた。
・およそ3人に1人が「休息時間の確保」を目的に転職を検討
さらに、「睡眠時間をはじめとする休息時間を確保するために、転職を検討したことはありますか?」と質問したところ、「ある」と回答した医師は32.2%となり、およそ3人に1人が、休息時間の確保を目的とした転職を検討したことがある結果となった。
【調査概要】
調査対象:エムステージが運営する「Dr.転職なび」「Dr.アルなび」に登録する会員医師
調査日:2025年2月12日~2月17日
調査方法:webアンケート
有効回答数:874
構成/立原尚子