ビジネスにおけるマジョリティ層の理解と活用
ビジネスでは、主にマーケティングで『マジョリティ』が重要になります。多数派であるマジョリティに対しての理解や、基本的な用語についても見ていきましょう。
■マーケティングで重要なマジョリティ層の特性
マーケティングに関するマジョリティの意味を説明するには、イノベーター理論が役立ちます。イノベーター理論は、1962年にスタンフォード大学の教授によって提唱されたものです。
イノベーター理論では、商品・サービスを消費する人を5種類の層に分割しています。
- イノベーター
- アーリーアダプター
- アーリーマジョリティ
- レイトマジョリティ
- ラガード
消費行動において、イノベーターは早い段階から商品・サービスの利用に積極的な意思を見せます。アーリーアダプターがイノベーターに続き、その後にマジョリティ層が続いていく形です。
この中で、マジョリティ層に分類されるアーリーマジョリティとレイトマジョリティは、リスクを避けつつ慎重な判断をする特性を持っています。ラガード(遅滞者)は保守的で、新しい商品・サービスをなかなか受け入れない層です。
■アーリーマジョリティとは
アーリーマジョリティとは、新商品・サービスが広まる過程で、重要な役割を果たす消費者層です。
イノベーターやアーリーアダプターの次に製品を取り入れる層で、全体の約34%を占めています。『慎重さ』が主な特徴で、新しいものに飛びつくというよりは、他の人の使用実績・レビューを参考にしながら、リスクを最小限に抑えて購入を決める傾向です。
製品の信頼性・安定性を重視し、周囲の評判に敏感に反応します。アーリーマジョリティを取り込むことができれば、その後の市場拡大が一気に加速するため、マーケティングでは重要視される層です。
マジョリティ層の中でも、比較的早い段階で新しい価値を受け入れる、重要な消費者グループといえるでしょう。
■レイトマジョリティとは
レイトマジョリティとは、新商品・サービスの普及過程において後半に位置する消費者層で、全体の約34%を占めます。
この層は、他の多くの人々が既に製品を使用し、その信頼性が十分に証明された後に初めて購入を検討します。リスクを回避しようとする意識が強い層といえるでしょう。
新しい技術・サービスに対して疑念を持っており、安全が分かるまで様子見の姿勢を取り続けます。価格にも敏感で、コストパフォーマンスを重視する傾向があるため、値下げ・キャンペーンに反応しやすいのが特徴です。
ビジネスでレイトマジョリティを意識したマーケティングを行うには、価格戦略の最適化や、『多くの人が既に利用している』という安心感を与えるのがよいといわれます。
マジョリティは日常でもビジネスでも使われる言葉
マジョリティとは、一般的に『多数派』を意味する言葉です。ビジネスマーケティングでは、商品・サービスの消費行動が慎重で、リスク回避を重視する層をマジョリティ層と呼びます。
マジョリティを知る上で欠かせない要素が、対義語である『マイノリティ』です。少数派や、社会的に弱い立場にある人を意味します。言葉の意味を理解して、日常やビジネスに役立てましょう。
構成/編集部