
心身ともにウェルビーイングな状態でいるために、食を意識している人は多いだろう。身体に良いものを食べ、健康に気を遣い、“より良い状態”を目指すことは、身体だけでなく心の安定や満足感にもつながる。しかし、食への意識を突き詰めることで制限がかかり、無理や我慢をしてしまっては、逆にストレスがある状態になってしまう。
五感を満たしながら身体にも心にも負担をかけず、ウェルビーイングな状態を実現する食事ができるとしたら――そんな思いを形にしている企業がある。プラントベースフードブランド『2foods(トゥーフーズ)』を手掛ける株式会社TWOだ。
2foodsのEver Cheese(エバーチーズ)とEver Egg(エバーエッグ)(左から)
2foodsは植物由来食品が持つ魅力に注目し、常識にとらわれない独自の視点とテクノロジーを掛け合わせたアイデアで、「誰もが欲しい2つ」を欲張りに追求したフードを展開している。
「誰もが欲しい2つ」というのは、「おいしさ」と「ヘルシーさ」。例えば、ニンジンや白いんげん豆を原材料に使い、ふわとろの卵らしさを追求した『Ever Egg』や、 糖質をカットし、コレステロールゼロを実現したリッチな味わいの新感覚クロワッサン『2Breadクロワッサン』、まるでチーズのような濃厚さを実現したプラントベースチーズ『Ever Cheese』、ゼロカフェイン、ゼロカロリー、ゼロシュガーの3つのゼロを実現した新時代のエナジードリンク『2Energy(トゥ―エナジー)』ど、さまざまな商品を開発している。
3月3日に発売となった2Gummy LIPOSOME VC(トゥーグミ リポソームビタミン ブイシー)
さらに、2025年3月3日には、日本初リポソームビタミンCを配合したグミ『2Gummy LIPOSOME VC(トゥーグミ リポソームビタミン ブイシー)』が発売した。さまざまな食のシーンから誰もが楽しめる新しい食の選択肢を提案している。
今回は株式会社TWOの代表取締役CEO東義和氏に、2foodsの特徴や魅力などを伺った。
「ヘルシアなものを食べる時」の選択肢に
2foodsはヘルシーさを兼ね備えた植物由来食品でありながら、「ジャンキーなおいしさや見た目」を実現している。通常、ヘルシーさを追求すると味や見た目がどうしても気になってしてしまうが、2foodsではおいしさにも妥協せず、「誰もが欲しい2つ」を実現。
Ever Eggを使ったエバーエッグオムライス(プラントベースデミグラスソース)
銀座ロフトにある2foodsの店舗では、Ever Cheeseと植物由来パティ『ミラクルミート』を使用したボリュームたっぷりな『ハンバーガー』や、リッチな味わいの『2Breadクロワッサン』に、2種の植物由来クリームや、味わいのアクセントとして旬の果物や食感が楽しめる素材をサンドしたスイーツ仕立ての『クロワッサンサンド』、特殊製法の超微粒玄米粉で作った白砂糖不使用・グルテンフリーの『生食感のガトーショコラ』など、フードからスイーツまでさまざまなメニューが注文できる。
濃密レアチーズケーキは、レアチーズムースの部分に天然素材のいちごポリフェノールを使用。グルテンフリーながら濃密でなめらかな食感を実現したメニューだ。
2foodsのグルテンフリースイーツ:超微粒玄米粉使用のガトーショコラと濃密レアチーズケーキ
飲料商品では、エナジードリンクの『2Energy』を展開。カフェインの代替素材として注目されている「Zynamite(R)」を配合した、カフェインもカロリーも糖類も気にしなくていい、新時代の植物由来のエナジードリンクだ。エナジードリンクは通常、身体を“無理やり元気にさせる”イメージがあるが、2Energyの場合は爽快感や刺激感を再現しながらも、実際は植物由来で作られているため体に優しい。
これらの商品は、一見するとグルテンフリーや植物由来食品であることは分からない。見た目はカラフルでジャンキー。ボリュームもたっぷりで、実際に満足できる味合いだ。ECサイトや店舗も、あえて「エシカル」や「ヴィ―ガン」のようなイメージは打ち出していない。むしろジャンキーさが目立つようなビジュアルになっている。消費者は、写真映えするような見た目もかわいらしい・美しい料理を、「おいしさ」などの五感を満たしながら食べることができ、食べた後も罪悪感を抱かないですむ。
「おいしさ」と「ヘルシーさ」という、食において「誰もが欲しい2つ」を兼ね備える2foodsは、このような食品を手掛ける企業の中でも注目されている。
――東さんはもともとPR会社を設立され、その後、中性重炭酸入浴剤『BARTH』ブランドも手掛けられました。現在はウェルビーイング事業を行う『2foods』を展開していますが、プラントベースフードにたどり着いた理由を教えてください。
東義和氏(以下、東)「植物由来食品に行きついた理由は、まずマーケットとしてポテンシャルがあると考えたからです。今、地球が抱えている問題がある中で、例えば、人口増加の問題により、動物性食品を求める人の数に対し、生産と供給は追いつかなくなる。今はまだその段階まできていないためイメージしづらいかもしれませんが、間違いなく“そういう時代”は近いところまできていると考えます。このような問題が起きている背景からも、“植物由来のオプション“というものが台頭してくる可能性が見込まれていたという点や、その分野をやっているリーダーはその当時いなかったということもあり、挑戦していくことにしました」
――プラントベースフードに対する周囲や消費者の反応はいかがですか。
東「植物由来食品やプラントベースフードという言葉も含めて、流行しつつあるものと感じています。ただ、『代替肉でしょう?』『味気なさそう』といったイメージで捉えている人も多いのが現状です。元来、日本は豆乳、納豆、豆腐、精進料理など、植物由来の食事が身近にあります。それらの身近な植物由来食品に対して、多くの人がポジティブな印象は持っており、遠い存在とは感じていないようなのです。しかし、『植物由来食品・プラントペースフードを食べたいですか?』『知っていますか?』と聞くと、『進んで食べることを選ばない』『知らない』と答える人が多いです。『植物由来食品』『プラントベースフード』という言葉で、新しいカテゴリーの食と感じてしまうのか、普段食べている食事と全く別物と捉えてしまうところが、難しさでもあります」
――言葉のイメージで『よくわからないもの』に感じてしまうのかもしれませんね。
東「なので私たちは、植物由来食品を豆腐や納豆などと“同じ価値”があり、『おいしく取り入れられるもの』とわかりやすく伝えてあげることで、ポジティブな印象になり、そして新しい食の選択肢として選んでもらうきっかけになるのではないかと思っています。
私たちとしては、このポイントこそが事業として前進していくために重要な部分だと考えています。それには、マーケティング戦略など、テクニカルな部分が必要ですが、そこはPR会社出身という私のバックグラウンドも含めて、意識を持って取り組めているのではないか思います。このようなことから、今後を見据えたときにさまざまなチャンスがあるということも考えられたため、プラントベースの分野に取り組もうと思いました」
――プラントベースフードというと、代替肉などのイメージがありますが、2foodsは卵やパン、スイーツと幅広いラインナップがありますね。こうしたメニューを選んだ理由を教えてください。
東「まずは、植物由来の卵から始まり、その後も“分かりやすい代替食”として、お肉のカテゴリーで『Ever Chicken Nugget(エバーチキンナゲット)』を発表しました。また、クロワッサンやお菓子、エナジードリンクなどの植物由来と言われると驚きがあるような変化球の商品も展開しています。
代替食と言われるカテゴリーは一般の方からすると少しハードルが高いイメージがあると思います。価格も高単価に設定されているものが多く、味も動物性と同じような理想の味わいを実現することには難しさがあります。そういったことからも『食べる必然性』に欠ける部分があるというか、『食べる理由』が難しいと思います。
一方で我々が展開しているエナジードリンク『2Energy』は、一般的なエナジードリンクと味わいにもギャップが少なく、植物由来ということが“付加価値のひとつ”として昇華できているため、手の届きやすい商品になっているのではないかと思っています。
プラントベースフードをマス層に広げるためには、動物性食品に対して味に違和感のないおいしさを実現することが重要です。欧米でも当初、分かりやすく流行している代替食は市場を牽引してきていますが、今伸びているカテゴリーはお菓子やドリンクなどの商品があります。また、今や流行の発信地としても認知されている韓国でも、昨今、プラントベースのヨーグルトや、ドリンクといった商品がZ世代を中心に広がり、関心が高まっています。
いわゆる“代替食”という商品ではないカテゴリーの中でも、プラントベースフードは『比較的ヘルシアなものだよね』という認識をされています。味は一般的な動物性食品と変わらないけれど、“植物由来の原材料”であるということが『コレステロールが低い』といった身体に対して、ポジティブな付加価値になると認識されています。『プラントベースフードを食べる!』というよりは、『ヘルシアなものを食べよう』という時の、ひとつのオプションになっているのです。
日本では受け入れてもらうまでに少し時間がかかるかと思いますが、2foodsの商品でも、変化球の商品の方がマス層により広がって受け入れられる可能性があると思っています。代替食には今後も取り組みながらも、このような変化球の商品開発にも注力して取り組んでいきたいと考えています」
――エナジードリンクの2Energyは、イメージと中身に良い意味でもギャップがありますね。
東「『2Energy』は、カフェインの代替素材として注目されているマンゴー葉乾燥エキス『Zynamite(R)』を使っています。カフェインは良い部分もたくさんありますが、一般的には、過剰に摂取するとネガティブに反応してしまう場合もあるといいます。現代人の生活は、コーヒーやエナジードリンク、お茶などでカフェインを過度に摂る生活スタイルになっています。その結果、寝られないなど睡眠の問題もあります。エナジードリンクをよく飲む方はエナジードリンクを1日2本飲んでいる方もいたり、ここぞという時、徹夜で頑張るために飲んでいたりする人もいます。植物由来の原材料であるマンゴー葉乾燥エキス『Zynamite(R)』使うことで、『カフェイン量をコントロールできれば』というコンセプトで展開しています」