CSVファイル取り扱い時の注意点
CSVファイルは、業務で頻繁に使われる便利なデータ形式ですが、いくつかの注意点があります。データの正確性を維持するための技術的なポイントや、セキュリティーリスクを把握しておきましょう。
■適切な文字コードを選択する
ダウンロードしたCSVファイルをExcelファイルで開く際、文字化けが起こる場合があります。CSVファイルに含まれる日本語は、文字コードが『UTF-8』ですが、Excelファイルでは文字コードのデフォルトが『Shift_JIS』に設定されているためです。
異なるソフト・ツール間でCSVファイルをやりとりする場合は、文字コードの変換を行うのを忘れないようにしましょう。また、CSVファイルと出力するファイルの文字フォントが異なるときにも、文字化けが起こりやすくなります。
■データクレンジングを行う
大量のデータをインポート・エクスポートする際は、事前に『データクレンジング』を徹底し、CSVファイルの信頼性と互換性を高めましょう。
データクレンジングとは、CSVデータ中の不適切なデータ(重複・欠損・表記揺れ・不要な空白・特殊文字など)をあらかじめ修正・削除しておく作業です。
- 重複データの削除
- 異常値の削除
- 不要なスペースの削除
- データの表記形式の統一
- データ型や単位の変換
- 名寄せ
- 表記揺れのチェック
データクレンジングには、Pythonのデータ解析ライブラリ『Pandas』やExcelなどが活用できます。
■セキュリティーリスクを知る
CSVファイルに機密情報・個人情報が含まれる場合は、取り扱いに細心の注意を払いましょう。パスワード保護やアクセス制限、ファイルの暗号化などの対策が講じられていないと、情報漏えいのリスクが高まります。
『CSVファイルを経由した標的型攻撃』も、重大なリスクです。標的型攻撃とは、機密情報やアカウントを盗み出したり、嫌がらせをしたりすることを目的としたサイバー攻撃の一種です。
悪意のあるコードを含むデータが開かれると、悪意のあるプログラムがマクロ実行される恐れがあります。詳細が不明のCSVファイルは開かないように注意するとともに、適切なセキュリティー対策を講じることが重要です。
CSVの活用で業務効率化を目指す
CSVファイルは、カンマで区切られたシンプルなテキスト形式のデータです。Excelとは異なり軽量で汎用性が高く、異なるシステム間でのデータ交換に適しています。
基本操作として作成・開く・編集・保存方法を習得することで、データのインポート・エクスポートなどさまざまな業務シーンで活用できます。
ただし、数値のゼロ落ちや文字化けなどの問題点があるため、適切な対策が必要です。また、セキュリティー面では、機密データの取り扱いにも気を付けなければなりません。CSVファイルの特性を理解し、正しく扱うことで業務効率化につながります。
構成/編集部