
キリンの独自素材「プラズマ乳酸菌」を配合した大人気シリーズ「iMUSE」から、新商品『キリン iMUSE(イミューズ)グリーン』が2024年11月に発売された。発売からたった5日間で、年間販売目標の約7割となる540万本を突破した大ヒット商品だ。
今回は、キリンビバレッジ株式会社 マーケティング部 ブランド担当の阿戸 瑛理子さんに、本製品の開発背景や差別化ポイント、ヒットの要因を伺った。
*本稿はVoicyで配信中の音声コンテンツ「DIMEヒット商品総研」から一部の内容を要約、抜粋したものです。全内容はVoicyから聴くことができます。
免疫ケアをもっと身近に。『キリン iMUSE グリーン』の新提案
はじめに、阿戸さんは『キリン iMUSE グリーン』の特徴を次のように話す。
「プラズマ乳酸菌1,000億個と1日分のビタミン(B1・B6・C)を配合した、機能性表示食品の飲料です。グレープフルーツミックスのすっきりとした甘さで、日常の水分補給やリフレッシュにぴったりの味わいになっています」
乳酸菌とプラズマ乳酸菌との違いについて、こう続ける。
「一般的な乳酸菌は、一部の免疫細胞のみを活性化するのに対し、プラズマ乳酸菌は免疫の司令塔『pDC(プラズマサイトイド樹状細胞)』を直接活性化するのが特徴です。活性化した司令塔の指示命令により、免疫細胞全体が活性化され、外敵に対する防御システムが機能します。これが、プラズマ乳酸菌が健康な人の免疫機能の維持をサポートするメカニズムです」
プラズマ乳酸菌をあらゆる味覚と合わせる技術を持つキリン。ヨーグルトテイストのドリンクや緑茶にプラズマ乳酸菌を配合したものなど、さまざまな製品を展開している。そんな中、『キリン iMUSE グリーン』を開発するきっかけとなったのは、日常的に取り入れられる製品を作りたいという思いからだった。
「これまでのiMUSEシリーズは、体調管理への意識が高い人をターゲットにしている印象がありました。よりライトなお客様の健康もサポートしたいと考えたとき、着目したのがビタミンです。“体調管理のために摂取するもの”という考えが一般的に定着しているビタミンを入口にすることで、iMUSEを日常的に取り入れていただけるのではないかと考えました」
阿戸さんは、「美味しさ」と「健康価値」を同時に伝えるため、プロモーションの検証方法にも工夫を凝らしたと振り返る。
「通常は文章のコンセプトとして『免疫ケアに役立ちます』と魅せることが多いんですが、本商品は文章ベースではなく、デザインを何案も書き起こしてお客様に評価してもらう検証をしました。お客様は『美味しいものを飲みたい』と思いながら、売り場に行きます。なるべく売り場に入るときの気持ちに近い形で、評価してもらいたいと考えたんです」
こだわったのは、美味しさが伝わる見た目と健康を届ける味わい
健康感と美味しさを両立するデザインを目指し、使用するカラーにもこだわったという。
「棚をパッと見たときに目につきやすく、健康によさそうな印象を持っていただけるよう、ナチュラルなイメージが伝わるグリーンを採用しました。また、スポーツドリンクと低果汁飲料の中間の味わいを表現するため、液体の色を見せることで商品の特徴が直感的に伝わるよう工夫しています」
免疫ケアに役立つ機能性が、大きな特徴である本製品。一方、飲料として手に取りやすい製品にすることも重要視した。
「『確かな健康価値を、手に取りやすいかたちで』。ここをバランス良く両立するところに、差別化ポイントがあると考えて開発を進めました。免疫ケア商品には、サプリメントや小型飲料などさまざまなものがありますが、一番お客様接点が広いものが500mlペットボトルです。手軽に免疫ケアを取り入れて欲しい思いから500mlペットで展開しようと考えました」
狙い通り、性別・年代問わず多くの方に受け入れられている『キリン iMUSE グリーン』。阿戸さんは、味わいにも注目してほしいと続ける。
「忙しい毎日の中でも手軽に美味しく健康を取り入れてもらえるよう、飲みやすい味わいに仕上げています。また、お得感が感じられる工夫をしているのも特徴です。例えば、ビタミンを複数配合していたり、グレープフルーツをベースにしつつリンゴやレモンを配合していたり、マルチな補給感を感じていただけるようにしています」