
厚生労働省に設置された労働基準関係法制研究会は、労働者の「14日以上の連続勤務」を禁止する改正労働基準法を議論している。
「法の抜け穴」として、長らく問題視
現状、事業者は労働者に対し、最低週1日の休暇、もしくは4週間で4日の休暇を与える義務がある。しかし、これでは最初の4週間の頭に4連休を設けた後、24日の連勤が可能になってしまう。さらに、次の4週間で24日連勤、後に4連休を設けることもでき、その場合は実に48日もの連勤が設定される可能性も。これは大きな「法の抜け穴」として、長らく問題視されてきた。
2024年11月12日に開催された同研究会の第14回会合で、「13日を超える連続勤務をさせてはならない」という規定を改正労基法に加えることがひとつの案として示された。ただし、災害復旧等の事情がある場合は例外措置として、労使の合意の上で14日以上の連勤を可能にする案も議論されている。なお、休日に仕事の電話やメールの対応を拒否できる「つながらない権利」についての検討も進められている。
以上はまだ〝たたき台〟にすぎない。同研究会は今後も会合を開いていく予定だ。
【DIMEの読み】
昨今の労働者の実情に合った改正労基法の検討が始まったのは大きな一歩。これに限らず、テレワークやAIによるデジタル化など多様な働き方に対応する法整備は今後も進められていくだろう。
現在の労働基準法は最大48日連勤が可能
法の抜け穴をくぐると48連勤が可能となってしまう現在の労基法は、労働者へ多大な負担を強いる可能性をはらむ。心身の健康を保ち、幸せに働き続けられる社会を築くために法改正は急務ともいえる。
つながらない権利も確立
研究会の資料には、欧州などで提唱されている「つながらない権利」について明記されている。すでに法制化しているフランスの例を参考に、勤務時間外の連絡を制限する法運用も同時に行なわれるかもしれない。
取材・文/澤田真一 編集/井田愛莉寿