DIME MAGAZINE
3月14日は「世界睡眠デー」。仕事の効率を上げるため、昼寝を取り入れる企業が増え、睡眠に対し関心は高まっているようだ。しかし、十分な睡眠をとれている人はどれほどいるのだろうか。
睡眠時無呼吸症候群（SAS）や慢性呼吸器疾患（COPD等）の医療機器を製造販売するレスメドは、世界睡眠デー（3月14日）に合わせ、「レスメド 世界睡眠調査2025」を発表し、世界中の人々を悩ませている睡眠課題の深刻さを改めて浮き彫りにしたので、概要をお伝えしよう。
回答者全体の平均睡眠時間は7.09時間で、日本は最も短く6.56時間。日本の回答者の37%が週に3日以上入眠に苦しんいる
13の国と地域を対象にした最新の「レスメド 世界睡眠調査2025」では、日本人の平均睡眠時間は6.56時間と3年連続で最下位であった。
質と量ともに良い睡眠が取れる日が週に3日以下と答えた人も、昨年の57%から59%に増加し、睡眠をめぐる状況は悪化している。
日本人の3人に1人が「睡眠の質が悪くてもそのまま過ごす」と答え、睡眠リテラシーの低さが浮き彫りに。特に女性ではその傾向が強く、3割以上の人が眠気を抱えたまま過ごすと答えていた。
良質な睡眠によるたくさんのメリットや睡眠状況の悪さが認識されているにもかかわらず、実際に改善の行動につながるケースは多くないようだ。
このような結果を踏まえると、近年睡眠の質を改善するための様々なアイテムやスリープテックが発展しているにもかかわらず、活用している人は少ないと推測される。
調査結果によると日本人の約21%しか睡眠の状況を記録しておらず、世界平均の約55％と比べるとかなり低くなっていた。
レスメド最高医療責任者（CMO）であるカルロス・M・ヌネス医学博士は次のように述べている。
「人々は睡眠が自分の健康に影響を与えることを認識していますが、多くの人々は沈黙の中で苦しむことを選んでいます。この研究は、認識と行動における大きなギャップを強調しており、これは世界的な睡眠の健康を改善するために緊急の注意を要する問題です」
世界全体では、回答者の71%が睡眠の質が原因で病欠。日本人においては41%
さらに、この調査では睡眠の質と職場の生産性の間に重要な関連性があることが明らかに。全世界では働いている人の71%、日本では41%が質の悪い睡眠で疲れがとれず病欠したことがあると認めている。
このように睡眠と仕事のパフォーマンスの明確な関連性があるにもかかわらず、従業員のほぼ半数（47%）が、自分の雇用主は睡眠の健康を気にかけていないと考えているようだ。
世界調査によると、18%の人がいびきや落ち着きのなさを理由にパートナーと別々に寝る「睡眠離婚」を選んでいる。日本では世界平均を大幅に上回る37%の人が毎晩「睡眠離婚」をしていると明らかになった。
また今回の調査では、世界的に見て女性は男性よりも睡眠の質が悪いと感じていることがわかった。
女性は男性よりも質の高い睡眠がとれた夜が少ないと報告している（女性は週3.83回、男性は週4.13回）。
特に更年期は、睡眠に影響を与える重要な要因だが、見過ごされがちだ。更年期の女性の44%が、週に少なくとも3回は入眠困難を経験していると報告している。
「慢性的な睡眠不足は、人間関係や職場での生産性に影響を与え、認知機能の低下、気分障害、心不全や脳卒中などの深刻な健康状態のリスクを高めます。
治療を受けていない、あるいは治療が不十分な睡眠時無呼吸症候群の患者にとっては、これらのリスクはさらに高くなります。そのため、睡眠障害の治療について医師と相談することが重要です」とカルロス・M・ヌネス医学博士は示唆している。
調査方法
「レスメド 世界睡眠調査2025」は、アメリカ合衆国（5,000人）、中国（5,000人）、インド（5,000人）、イギリス（2,000人）、ドイツ（2,004人）、フランス（2,001人）、オーストラリア（1,501人）、日本（1,500人）、韓国（1,500人）、タイ（1,519人）、ニュージーランド（1,000人）、シンガポール（1,000人）、香港（1,001人）の30,026人を対象に調査を実施した。各市場でのサンプルは、人口の性別および年齢の構成を代表するもの。この調査は、2024年12月12日から28日までPureSpectrumによって実施。
関連情報
https://sleepspot.resmed.jp/online-sleep-assessment
構成／Ara
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