
スズキ「ジムニー シエラ」の5ドアモデル、「ジムニー ノマド」が2025年1月30日に発表。同4月3日から発売されます。そこで、ジムニー ノマドの価格と受注状況をご紹介。スペックを確認しつつその魅力を探ってみます。
目次
「ジムニー」「ジムニー シエラ」は3ドアモデルで誕生しました。発表されると両車とも大人気になりましたが、当時から「5ドアモデルが欲しい」という要望がありました。
スズキはそんなファンの熱望に応え、5ドアモデル「ジムニー ノマド」を発表しました。
今まで後席ドアが無いことから、家族のために購入をためらっていたファンも、ジムニー ノマドなら利便性がアップ。発表されるやいなや、予約が殺到する大人気となっています。
そんなジムニー ノマドを新車で買うと、総額はいくらになるのでしょうか? また値引きは可能でしょうか? 価格の状況と、ジムニー ノマドとはどういう車両か? あらためて人気モデルの実態に迫ってみましょう。
新型スズキ「ジムニー ノマド」の新車価格
まずは、新車価格からチェックしてみましょう。
■ジムニー ノマドはシンプルなワングレード
ジムニー ノマドはシンプルに「FC」のみのワングレードとなっています。5速マニュアルと4速オートマチックが選べます。
「FC」4WD・5MTの価格
265万1000円
「FC」4WD・4ATの価格
275万円
■新車の乗り出し価格っていくら?
クルマは新車で買えばすぐに乗れるわけではありません。自動車税や自動車取得税、自動車重量税などの税金、自賠責保険料にリサイクル料金、登録(届出)諸費用などがかかります。
スズキは自社のホームページに、便利な「見積もりシミュレーション」を持っていますので、そちらで実際に計算してみましょう。
まずはジムニー ノマドを選択しましょう。ワングレードなので、「ジムニー ノマド FC」、駆動方式は「4WD」の一択です。
次に、トランスミッションを選択します。最低価格をチェックしたいので、今回は「MT」を選択しています。
続いてボディーカラーを選択します。ジムニー ノマドはシンプルな6色が選べますので、ここは追加料金が発生しない「ジャングルグリーン2」を選択しました。
メーカーオプションについてはジムニー ノマドには現状、選択肢がないので、そのまま進みます。
そして、ディーラーオプションを選択します。必要に応じてセレクトして下さい。今回は乗り出し最低価格を調べたいので、いずれも選択しないようにします。
例えば、サイドデカールなどイメージ画像が用意されているオプションを選ぶと、画像イメージに反映されます。イメージは回転することも可能です。
また、インテリア画像にも切り替え可能です。
最後に、「お見積り結果の確認」をクリックします。
今回は、シンプルにオプションの選択なしで見積もりシミュレーションを行いました。その結果、2025年2月時点での乗り出し価格(お見積もり合計金額)は、283万6975円ほど(登録費用などで前後します)になりました。
車両本体価格が265万1000円なので、18万5975円ほど乗り出し費用が別途かかります。このほかにも任意保険やメンテナンスサービス費なども考慮し、購入予算の目安としてください。
クレジットでは毎月いくらの支払いが目安?
スズキの見積もりシミュレーションでは、クレジットの目安も出せます。
ちなみに、頭金ゼロ。ボーナス払い無しの60回払いのスズキ残価設定クレジット「かえるプラン」では、初回支払い額が3万9576円、2回目以降の支払い金額が3万8100円の58回が目安として表示されました。
さらに、スズキクレジット試算も可能。こちらは頭金ゼロでボーナス払い無しの72回払いで試算したところ、初回支払い額が5万4811円、2回目以降の支払い金額が4万8000円の71回が目安として表示されました。
■値引き価格はいくらくらい?
ジムニー ノマドの値引き状況は、0〜5万円が目安になっているようです。中には10万円近い値引きを実現した、購入希望者も居るようです。
ただし、詳しくは後述しますが、受注停止の現状で値引きは正直、期待薄。ご自身に下取り車両があれば、下取り価格の上積みに期待ができるかも? といった状況でしょう。
ジムニー ノマドの中古車価格の相場は?
ジムニー ノマドの中古車価格を大手中古車販売サイトで検索しましたが、発売前の車両のため、2025年2月末現在で掲載車両はありません。中古車相場は形成されていません。
ただし、新車の受注を停止している状況です。中古車が新車価格よりも高くなる、いわゆるプレミア価格がジムニー ノマドの中古車に発生する可能性は、否定できません。
5ドアで人気沸騰! ジムニー ノマドとは?
ここまで、ジムニー ノマドの価格を中心に見てきましたが、改めて同車の実態に迫ってみましょう。
■発表日と発売日
2025年1月30日に新車発表を行いました。
発売日は2025年4月3日です。全国のスズキ代理店、スズキアリーナ店、スズキ販売店で販売します。
■たった4日で受注停止。その理由と予約殺到で受注台数5万台って本当?
ジムニー ノマドは発表の4日後の2025年2月3日に受注を一時停止。スズキの発表によると、受注台数が約5万台に達したとのことです。
そのため、スズキは公式に注文停止を発表。お客様に対してお詫びする異例の事態となっています。
そもそもジムニー ノマドは、目標販売台数を月間1200台で計画しており、5万台の受注は単純計算で40か月以上納車待ちとなる可能性があります。
スズキが注文停止に至ったのは,やむを得ない措置と言えそうです。
■ジムニー ノマドとは? 仕様も改めて確認
人気沸騰のジムニー ノマド。ここからは改めて、ジムニー ノマドの仕様などについて解説していきます。
〝ノマド〟(NOMADE)とは、フランス語で遊牧民を意味する言葉です。そして、ジムニー ノマドという車名を見て、「懐かしいなぁ」と思われた方もいらっしゃるかもしれません。
その理由は、「エスクード ノマド」というクルマがかつて、スズキから販売されていたからでしょう。
スズキは、3ドアの初代「エスクード」を、1988年に発表していました。
エスクードはラダーフレームをもつFRベースの本格的な4×4クロカンモデルですが、オンロードでの走行性能に重きを置き、ファッション感覚も高めた新しいタイプの都市型4WDとして誕生。
エクステリアはブリスターフェンダーなど、曲面の多いフラッシュサーフェイス化を図っており、その新鮮なフォルムにより、大人気となりました。
一方、エスクード ノマドは、標準モデルに対して全長を415mm、ホイールベースを280mm延長し、後部ドアを追加。ステーションワゴンとして高い実用性を持つモデルとなり、こちらも人気となりました。
当初は排気量1590cc、最高出力100PS/6000rpmのガソリンエンジンでしたが、後に、エンジンバリエーションを増やし、J20A型2L 4気筒DOHC16バルブエンジンやRF型2Lディーゼル・インタークーラーターボエンジン、H20A型2L V型6気筒DOHC 24バルブエンジン、同2.5Lエンジンも追加しました。
エスクードは2024年4月に国内販売を終了しています。その代わりとして、エスクードの直接的な後継車ではないですが、2024年10月16日から国内販売を開始した、コンパクトSUVの「フロンクス」が、実質的にエスクードの役割を担っています。
残念ながらエスクードは販売を終え、ノマドの系譜も途絶えましたが、ジムニーが2025年に伝統の名称を復活させたというわけです。
■デザイン
新型「ジムニー ノマド」は、「本格的な悪路走破性を持つ5ドア コンパクトクロカン4×4」をコンセプトにしています。
特徴的な5スロットグリルを継承しつつも、クロームの縁取りとガンメタリックの塗装を施したジムニー ノマドの専用グリルを採用。上質感が演出されています。
ジムニーシリーズと共有するスクエアボディーは、車両の姿勢や状況を把握しやすいため、車両感覚が掴みやすくなっています。
また、無塗装樹脂のバンパーやフェンダーのプロテクター部品は、石はねや泥はねなどでもボディーパネルに傷がつきにくいタフなもの。そして、前後バンパー下部を切り上げた形状にし、最低地上高も210mmを確保。悪路での走破性を高めています。
■サイズ、車両重量
ジムニーシリーズ最大の魅力である悪路走破性を維持しながら、ジムニー シエラに対して全長とホイールベースを延長しています。
そのサイズ、車両重量をジムニー シエラと比較してみましょう。
全長
ジムニー ノマド:3890mm
ジムニー シエラ:3550mm
全幅
ジムニー ノマド:1645mm
ジムニー シエラ:1645mm
全高
ジムニー ノマド:1725mm
ジムニー シエラ:1730mm
ホイールベース
ジムニー ノマド:2590mm
ジムニー シエラ:2250mm
車両重量
ジムニー ノマド:1180kg(5MT)、1190kg(4AT)
ジムニー シエラ:1080kg(5MT)、1090kg(4AT)※「JC」「JL」共通
■インテリア。実は4人乗り
ジムニー ノマドのインテリアは、過酷な環境での操作性を追求した、質実剛健なインストルメントパネルを持ちます。
全長とホイールベースの延長により、後席乗員の着座位置を50mm後方に移動。膝周辺のスペースを拡大しています。
さらに、後席乗員間の距離を90mm拡大。リヤドアの採用も伴って、ジムニー ノマドは後席の乗降性・居住性向上と荷室空間の拡大が可能に。ロングドライブでの快適性も高まった4人乗りのモデルです。
ジムニー ノマドのリヤドアは、最大70°まで開口します。
そして、開口幅は300mm確保されています。
拡大された車室スペースを、ジムニー ノマドは巧みに活用。また、後席の乗員が快適に座れるよう、シートに厚みを持たせています。
シートアレンジも多彩で、荷室スペースを拡大したり、
フロントシートを倒してリヤシートとの座面をフルフラットにすることで、室内での休息なども、快適になりました。
さらに、ラゲッジは荷物の滑りにくいカーペットを採用。ホイールベース延長により、4名乗車時の荷室床面長を、ジムニー シエラに対して350mm拡大することに成功しました。
左右独立リヤシートリクライニング機構により、大型の荷物も積載しやすくなっています。
さらに、フロントシートのリクライニングを併せると、長尺物も積載しやすいです。
車室内寸法
ジムニー ノマド:長さ1910×幅1275×高さ1200mm
ジムニー シエラ:長さ1795×幅1300×高さ1200mm
■ボディカラーは6種類
ボディカラーは6種類から選べます。
2トーンルーフ仕様車は、「シズリングレッドメタリック ブラック2トーンルーフ」、「シフォンアイボリーパールメタリック2 ブラック2トーンルーフ」の2色を設定。
モノトーンカラーは、「セレスティアルブルーパールメタリック」、「ブルーイッシュブラックパール4」、「ジャングルグリーン2」、「アークティックホワイトパール」の4色を設定しています。
■エンジン、燃料タンク容量、燃費
ジムニー ノマドは、ジムニー シエラと共通で定評のある、K15B型エンジンを搭載します。
1460cc、水冷4サイクル直列4気筒DOHC16バルブで、吸気側にVVT(可変バルブタイミング)を採用します。
最高出力は75kW(102PS)/6000rpmで、最大トルクは130N・m(13.3kgf・m)/4000rpmを発揮。燃料タンク容量は40Lで、無鉛レギュラーガソリンを使用。
可変バルブタイミングや電動パワーステアリング、アイドリングストップシステムなどの燃費向上対策により、燃料消費率は、5MTが14.9km/L、4ATが13.6km/L(共にWLTCモード)を実現します。
■走行性能
ジムニーシリーズの特長であるラダーフレームをジムニー ノマド用に新たに製作し、サスペンショには、3リンクリジッドアクスル式サスペンションを採用。優れた悪路走破性を実現します。
そして、パートタイム4WDは、路面状況などに応じて、任意に2WDと4WDを切り替えて走行可能。2H(2WD)、4H(4WD高速)、4L(4WD低速)のモード切り替え操作は、機械式副変速機が実現します。
操作は室内のトランスファーレバーにより、簡単に行なえます。
■タイヤサイズ
タイヤサイズは4輪とも、195/80R15 96Sを採用しています。
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※当記事に掲載している価格などのデータは2025年2月時点での記事公開時のものです。
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文/中馬幹弘