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社会保険や有給休暇はどうなる?フリーランスから会社員に戻る人がおさえておくべきこと

2025.03.04

最近フリーランスから会社員へ回帰する人が増えている。フリーランスは自分のスキルを活かして、自由な働き方ができるのが大きなメリットだが、一方でデメリットもある。フリーランスが会社員へ回帰する理由を、会社員のメリットと比較しながら解説する。

フリーランスと会社員の比較

フリーランスの大きなメリットは、自由な時間、自由な場所で働くことができることだ。介護や子育て等の事情があって出勤できなくても、自分のスキルを活かして働き続けることができる。また、会社への出社、会社での人間関係に縛られず、リゾート地やキャンプ場など自由な場所でストレスなく仕事をすることができる。さらに、自分のスキルに見合った報酬を受け取ることができる。

日本の会社では基本的に解雇されることはないため、仕事をあまりしていない人でも給料を受け取れたり、スキルだけでなく人間関係も重視されたりすることから、自分に見合った報酬を受け取っていないと感じるかもしれないが、フリーランスでは自分のスキルに直結した報酬を受け取ることができる。

一方、税制上や社会保険上は、自営業者となるため、自分で確定申告をし保険料は全額自己負担で健康保険に加入しなければならない。以下の表で、会社員との違いを一覧にまとめてみた。

自営業者の場合、必要経費を支払うと、収入から必要経費として控除することができるが、それは逐一レシートの保存や帳簿への計上が求められるため、その作業は煩雑である。そして、収入は安定しておらず、会社員のような有給休暇はなく、病気になったとき等自分が働けなくなるとその期間の収入はなくなる。

会社員の場合は、保障制度が充実していることが大きなメリット。フリーランスが全額自己負担で社会保険に加入するのに対して、会社員は会社が保険料の半額を負担してくれ、厚生年金の年金受給額はフリーランスが加入する国民年金より充実しており、会社によっては、企業年金制度、退職金制度があり、老後の保障が充実している。

さらに、会社の健康保険組合の取組による定期的な健康診断は、フリーランスが加入している国民健康保険より、会社負担でできる検査項目が充実している。会社の健康保険組合によっては、保養施設を有し、安く温泉施設やホテル等を利用できることもある。

また、フリーランスにはなく、会社員にあるのが、失業保険、教育給付制度、資格奨励金制度、旅行補助制度等だ。失業保険は、仕事を失ったときに失業手当を受取ることができる制度だが、フリーランスが不景気になって請負元から仕事をもらえなくなったとしても、もちろん手当を受け取ることはできない。資格奨励金制度は、会社が特定の資格を取得すると、奨励金を給付してくれる制度だ。会社によっては、社内試験により、海外の大学院やビジネススクールに留学させてくれるところもある。

教育給付制度は、一定の資格取得のための講座、大学院等の仕事に役立つ勉強のために支出した教育費用の20~80%を補助してくれる制度だ。フリーランスは基本的にこの制度を利用することができない(会社を離職してから1年以内または、妊娠、出産、病気等の場合最大20年延長可能)。フリーランスは、スキルアップのために大学院やビジネススクール等に通うために支出する費用が、基本的に自己負担となってしまう。

フリーランスへの転向は慎重に

フリーランスが会社員へ回帰する理由として多いのが、「収入の不安定さ」だ。最近の物価高により、会社員は賃上げがすすむものの、フリーランスは収入は不安定で物価高に対応できていない。さらに、フリーランス間で競争が激化しており、会社等に属していれば会社のネームバリューで仕事をとることもできたが、フリーランスではスキルだけでなく、自分で仕事をとる営業力がないと仕事を増やすことができない。

そして、フリーランスは基本的に業務委託契約により、仕事を請け負っていることがほとんどだが、請負元である発注事業者とフリーランスの間では、発注事業者が有利な立場にあり、報酬の不払いや減額等、報酬額をめぐるトラブルが多い。これを受けて、フリーランスを守る法律が、2024年11月に「フリーランス新法」として施行された。フリーランス新法では、以下のように取引の適正化と就業環境の整備を定めている。

・書面等による取引条件の明示
・報酬支払期日の設定、期日内の支払い
・受領拒否、報酬の減額、返品、買いたたき、購入・利用強制、不当な経済上の利益の提供要請、不当な給付内容の変更ややり直し等の行為の禁止
・募集情報の的確表示
・育児介護等と業務の両立に対する配慮
・ハラスメント対策に関する体制整備
・中途解除等の事前予告・理由開示

なお、フリーランス新法におけるフリーランスは、従業員を雇用していないフリーランスで、主に従業員を使用して業務委託契約を行う発注事業者が対象となる。そのため、消費者と直接やりとりするフリーランスは含まれない。

また、フリーランスは会社員のように有給休暇制度がない。短期間のみ仕事ができない場合はまだよいが、もし病気で長期間働けないときは収入がなくなる可能性がある。そのため、所得補償保険、フリーランス協会が提供する「収入・ケガ・介護の保険」に加入することを検討するとよいだろう。

さらに、フリーランスには退職金がなく、年金受給額が会社員より少ないため、iDeCoを検討するのがおすすめだ。掛金は全額所得控除を受けることができるから、所得税と住民税を減らすことができる。掛金を拠出できる金額は職業ごとに決まっているが、自営業は月額6.8万円(年間81.6万円)と会社員より拠出上限額が大きくなっている。掛金で運用した資金は、60歳以降受け取ることが可能で、一括で受けとった場合に、会社員が退職金受取時に適用できる、iDeCoの加入期間に応じた退職所得控除を受けることができる。

フリーランスには、会社に縛られない働き方ができる大きなメリットがあるが、その一方で、病気等で働けない期間は無収入となること、社会保険制度、請負元との関係等のデメリットもある。フリーランス新法で、フリーランスを守る動きも出ており、働けない期間については保険、老後の保障に対してはiDeCoで準備するという手もある。しかしながら、会社員でもコロナ禍後には在宅勤務も増えてきており、やはり収入が安定しないフリーランスへの転向は慎重に検討したほうがよいだろう。

(参考)
日経新聞朝刊2024年12月21日「会社員に転職、5年で3倍」
公正取引委員会フリーランス法特設サイト | 公正取引委員会

文/大堀貴子

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