却下されても「よし」!組織が持つ習慣とは
──好き放題意見を言われて、イラっとすることはないんですか?
ポジティブに捉えられますよ。例えば私が何か提案しても「以前、お客様の意見を伺った時、別の意見がありまして~」などと華麗に却下されることがあるんです。でもその瞬間「よし」と思います。忖度がなく、組織がお客様目線で動いている証拠だからです。
──社長の意見も否定できるのは距離感が近いから?
あるかもしれません。(広報担当を振り返り)彼ともカラオケで一緒に歌ったり、お酒を飲んだりしますよ(笑)。逆に経営陣と距離が遠く、現場に「何か言っても変わらない」と諦められてしまったら停滞が始まります。よく「組織はトップの器以上に成長しない」と言いますよね。だから私は、皆から意見を頂いているんです。
──LINEヤフーグループ全体に意見を聞く習慣があるとか?
濃厚にあると感じます。例えば私自身がグループの幹部に意見をもらった時も、調査の結果、「お客様はこうお考えです」とデータを出せば、幹部は自分の意見が否定されても「なるほど」とお客様の意見を優先してくれます。
──フラットな組織をつくるなら、社長の意見も却下されるくらいがちょうどよいのかもしれませんね。ところで、最後に仕事以外の習慣も伺いたいのですが?
無駄をなくす習慣が多いですね。例えばコートは着ません。電車もオフィスも暖房が効いていて、脱いだコートはかさばります。「家から駅、駅から会社までの数分寒いだけ」と着なくなりました。
移動時間の無駄を減らすために電車の何両目に乗るかも気にします。ただ、妻と一緒の時に「向こうなら階段の渋滞に遭わずにすぐ改札を出られる!」と言ったら「まぁいいじゃない」と笑われてしまったのですが。
──それも貴重なご意見ですね。どうしたんですか?
もちろん彼女の意見を尊重しましたよ。それくらいがちょうどよいので。
Rule.01|何事にもフィードバックをもらう
Rule.02|誰もが言いたいことを言える環境をつくる
Rule.03|意見をもらったら必ず返信
取材・文/夏目幸明 撮影/干川 修 編集/石﨑寛明