2025年は玉川さんが好きで興味のある「京都」を探究!
玉川 大学院に通っていた頃を含めて京都大学での6年間は、京都の表面的な部分だけ味わって、離れてしまいました。「僕にとっての京都は『青春時代の思い出』という程度のものでもいいかな」と思っていたんですけど、最近、京都の深い部分をもっと感じたくなってきたのです。
京都には千年以上も前から人々が大切にしてきた文化や風習がたくさんあるのに、僕はそのほとんどに触れることすらなかった。京都大学の近所にある吉田神社では毎年、節分になると参拝者が火を付けた縄をクルクルと回して歩く姿をよく見かけていたんです。実は当時、その様子について何とも思いませんでした。しかし、その意味を改めて知り、京都に根付いた伝統と奥深さに驚いたのです。
──本連載の取材を通じて、玉川さんにとって知られざる京都を探究していただくのはもちろん、京都でどのような仕事をしてみたいと考えていますか?
玉川 連載を通じて新しく何かを生み出したいという思いがあります。例えば音にこだわったホテルとか。僕の体験ではアッパークラスの高級ホテルでも、外の音が響いてくることは少なくありません。京都には有名な旅館がありますが、古い木造建築において隣人の音はどのように聞こえるか、体験してみたいですね。京都の不動産にも興味があり、地価が上がりつづけている物件を見に行きたいです。
京都の「食文化」も深いものがあります。例えば、名産品の宇治茶。玉露は平安時代から現在まで、お茶の木に簾を掛けて栽培しています。そうすることでテアニンという精神を安定させる効果がある旨味成分を増やすことができるとか。
また、京都は歴史ある料亭がたくさんあり、長年にわたってトップの座にある老舗に興味を持っています。以前、取材したお店では、和食文化を継承するために、子どもの学校給食に関する取り組みもされていました。
さらに京都は関西圏では珍しく納豆の老舗企業も多い。その理由を探りながら製品開発につなげられたらいいかも。ちなみに、学生時代に飲んだキリンビールの『京都1497』という地域限定ビールがとてもおいしかったのを覚えています。復活してほしい味のひとつです。
──次回以降、どのような取材になるのか。今後の展開にご期待ください。
今後の連載で取材予定!玉川さんが気になる京都のあれこれ
「京都は千年以上にもわたって育まれてきた、いろいろなものが深い。それを味わうことなく離れてしまったことについて、とても後悔がある」という。そんな玉川さんが、2025年の連載取材を通じて大好きな京都の「食」や「住」などを掘り下げていく予定。最終的なゴールは「花街にお客様を招待すること」と、新しい商品やサービスを作り出すこと。京都の企業でご興味があればDIMEへご一報を!
取材・文/柿川鮎子 撮影/湯浅立志(Y2) 編集/田尻健二郎