
ヒューマンホールディングスは、「シニアの仕事観とキャリアに関する実態調査2025」の第2弾を公開した。
Z世代と比較するとシニアは“なりたい自分”の姿が明確な人が多い
2025年、日本では5人に1人が75歳以上という新たな局面を迎えている。高齢化の進行により、社会保障や労働市場への影響が懸念される一方で、労働人口減少への対応策のひとつとして、豊富な経験や知識を活かしたシニア世代の就労が期待され、定年延長や再雇用制度の充実、柔軟な働き方の推進などの取り組みが進められている。
そのような背景から、同社は、シニア世代の就労の実態や働き方に対する意識を明らかにすることを目的として、定年退職後に働いている65~74歳の男女を対象に、「シニアの仕事観とキャリアに関する実態調査2025」を実施。
2025年1月に第1弾として、働く理由や就労の状況について発表したが、今回は第2弾として、定年後のキャリアプランや、目標とする貯蓄額と現在の貯蓄額を公開。さらには、「自分らしく働いていると思うシニア芸能人・著名人」ランキングや、「年下上司になってほしい芸能人・著名人」ランキングも発表した。
【調査結果】
■65~74歳の半数以上が「今後の“なりたい自分”を思い描けている」
「今後の“なりたい自分”の姿を思い描けていますか」という質問には、51.3%が思い描けていると回答している(「しっかりと思い描けている」(10.9%)と「ぼんやりとだが思い描けている」(40.4%)の合計値)。以前、同社が実施したZ世代を対象とした調査では、「思い描けている」と回答したのは約3割だった結果と比較すると、シニアは“なりたい自分”の姿を思い描けている人が多いことが明らかになった。
■6割近くは「定年後のキャリアプランを持っていない」
「定年後のキャリアプランをお持ちですか」という質問に対しては、6割近くが「持っていない」(58.6%)と回答。
これは、定年退職後も働く世代として初めてのケースが多く、ロールモデルが少ないこと、また、2020年以降、“キャリア自律”が注目され、企業では30~40代の従業員を対象としたキャリア研修が行われることが増えているが、このようなキャリアプランを考える指針や知見が不足していることなどが考えられる。今後、定年後のキャリア構築のための研修やツールが求められるかもしれない。
■「定年後のキャリアプランの検討時期」は、1位「60代後半」、2位「50代後半」
一方、「定年後のキャリアプランを持っている」と回答した414名に検討を始めた時期を聞いたところ、「60代後半」(34.5%)が最多で、次いで「50代後半」(21.5%)、「60代前半」(18.6%)という結果になった。
定年退職の年齢は異なるため一概には言えないが、定年退職後に検討を始める人が多い傾向はあるものの、定年退職前からセカンドキャリアについて検討していた層も多いことが推察される。
■「目標とする貯蓄額」「実際の貯蓄額」ともに「3000万円~5000万円未満」が最多
「目標とする貯蓄額」については、「3000万円~5000円未満」(14.4%)が一番多い結果となり、「2000万円~3000万円未満」(14.2%)が続いた。
「現在の貯蓄額」についても「3000万円~5000万円未満」(10.8%)が最多、次いで「2000万円~3000万円未満」(10.4%)と、目標額と大きな差がない状況が見られる一方、「1万円~100万円未満」(10.1%)が3番目に多く挙げられていることから、シニアの現在の貯蓄額については、「2000万円以上」と「100万円未満」の二極化の状況にあることがうかがえる。
■「自分らしく働いていると思うシニア芸能人・著名人」、1位は「所ジョージ」
「自分らしく働いていると思うシニア(65歳以上)の芸能人・著名人」(自由回答)の1位に輝いたのは、「所ジョージ」さん。理由としては「いきいきしている」「楽しそう」「仕事と好きな事、趣味との両立」が多くを占めた。
2位は、「明石家さんま」さんで、こちらも理由としては「いきいきしている」「元気」などが多くみられた。3位は、「タモリ」さんで、「自由」「知識が豊富」「無理なく仕事をしているように見える」という理由が挙げられた。
■「年下上司になってほしい芸能人・著名人」、1位は「天海祐希」
「年下上司になってほしい芸能人・著名人」(自由回答)の1位は、「天海祐希」さんで、「ついていきたいと思わせる何かがある」「公正な判断力」「的確な指導力」などの理由が多く挙げられた。
2位は「大谷翔平」選手で、「自分を持っている」「説得力がある」「生き方が素晴らしい」などの理由が多くみられた。3位は「所ジョージ」さんで、「楽しそう」「あまり細かいことを言わない」「見守ってくれる」「ある程度権限を与えて任せてくれそう」「自分を否定されないように思う」といった理由が挙げられた。
【調査概要】
期間:2025年1月9日~1月15日
対象:定年退職後に就労している65~74歳の男女
回答数:1000名(男性:600名/女性:400名)
方法:インターネット調査
構成/立原尚子