ビジネスでも日常でもよく聞く「未満」という言葉の意味を、誤って理解している方もいるのではないでしょうか。未満とは、その数は含まず、その数字よりも小さいあるいは少ないことを意味する言葉です。 今回は、未満の意味や「以外」との違い、類似表現などを詳しく解説します。
目次
未満とは

未満とは、ある数を境として、その数量や数値は含まず、それよりも少ないことや小さいことをあらわす言葉です。未満の「未」には、「未だ(いまだ)満たない」という意味があることを押さえておきましょう。
たとえば、「5未満の整数」に該当するのは「4、3、2、1」で、5は含まれません。
また、「3歳未満のお子様は、ご参加をご遠慮いただいております」のように、注意書きに用いられることもあります。このケースでは3歳の子どもは参加できますが、0〜2歳の子どもは参加できません。
参考:デジタル大辞泉
■記号であらわした場合
未満は、算数や数学で使われる「不等号」という記号への置き換えが可能です。たとえば、「5未満」を不等号を用いてあらわした場合、「x<5」となります。
■未満の語源
未満の「未」には、未だにいたっていないという意味があります。「未完」は未だ完成していないことを、「未解決」は未だ解決していないことを指す言葉です。
また、「満」には「満ちる」や「満たす」などの意味があります。そのため「未」と「満」を組み合わせた言葉である未満は、完全に満たされた状態にいたっていない状況をあらわし、その数そのものは含まずにそれよりも小さいこと、少ないことをあらわします。
■反対の意味の言葉は「超過」
未満の反対の意味を持つ言葉としては、「超過(ちょうか)」が挙げられます。超過は、数量や時間などが定められた限度を超えることを意味する言葉です。
「超過勤務」は、決められた時間を超えて勤務することです。また、「超過料金」は決められた時間を超えて、商品やサービスを利用した際にかかる料金を指します。
超過を使った例文は、以下のとおりです。
【例文】
- プロジェクトにかかった経費が、予算を10%超過してしまった
- 法定労働時間を超過した分の勤務については、残業手当を支給します
- 納期の超過を防ぐために、進捗管理を徹底してください
参考:デジタル大辞泉
未満と以下の違い

未満と以下は、いずれも数量などを限定する点では同じです。ただし、「その数を含めるかどうか」という点が異なります。両者の違いをそれぞれ見ていきましょう。
参考:デジタル大辞泉
■基準の数値を含まない場合は未満
基準となる数値を含まず、その数よりも小さい、あるいは少ないことを意味する際には未満を使います。
たとえば、社内のテストにおいて再テストを受けなければならない点数が「70点未満」の場合、70点の点数の人は再テストを免れ、それよりも点数の低い場合に再テストを受ける必要があります。
参考:デジタル大辞泉
■基準の数値を含む場合は以下
基準の数値を含めてそれより小さい、あるいは少ないことを意味する際は、以下を使います。つまり、再テストを受ける要件が「70点以下」の場合は、70点よりも低い人はもちろん、70点の人も再テストを受けなければならないことに注意しましょう。
以下を使った例文は、下記をご参照ください。
【例文】
- 添付ファイルのサイズは、10メガバイト以下で送信してください
- 購入金額が5,000円以下の場合、別途送料がかかります
- この助成金制度は、従業員数50名以下の企業のみが利用できます
参考:デジタル大辞泉
未満の使い方と例文
ここでは、未満を使った例文をいくつかご紹介します。
- 売上が目標の80%未満だった場合、追加の施策を検討しなければならない
- 発注数が100個未満の場合、数量割引が適用されません
- こちらは、従業員50人未満の企業を対象としたプランです
- 重量が20キログラム未満の商品は、通常配送の対象です
1つ目の例文では、売上が80%ちょうどの場合は追加の施策を講じる必要はないでしょう。一方、「売上が目標の80%以下の場合に新たな対策が必要としている」場合は、売上が80%であっても追加施策を検討しなければなりません。
2つ目の例文では、発注数が100個ちょうどの場合は数量割引の対象になります。また、3つ目の例文で挙げられているプランは、従業員が50人ちょうどの企業は利用できません。4つ目の例文の場合、商品の重さがぴったり20キログラムは通常配送の対象外となります。
未満の類似表現

未満には、いくつかの類似表現があります。ここでは、「以内」と「足りない」について、意味や使い方を解説します。
■以内
以内は、基準の数値や時間よりも小さい、あるいは内側の範囲であることを意味する言葉で、未満の類似表現といえます。ただし、基準を含んでいる点が未満との違いです。
未満を用いた例文は、以下をご参照ください。
【例文】
- ご注文から3日以内に商品を発送いたします
- お問い合わせいただいた内容について、2営業日以内にご返信いたします
- 出張時の宿泊費は、1泊につき15,000円以内で手配してください
以内について「基準の数を含まない」という、誤った認識を持っている方も少なくありません。そのため、相手も正しく言葉の意味を理解していると思い込み、安易に使用してしまうとやり取りに支障をきたす場合がある点に注意が必要です。
たとえば、「本日から3日以内に振込をお願いいたします」と伝えた場合、以内という言葉の意味を正しく理解していれば、今日を入れて3日以内、つまり明後日が振込期限だと理解します。
しかし、相手が「今日は含まれない」と認識していると、今日から数えて4日目までに振り込めばいいと捉えてしまうでしょう。
このように、期限を伝える際に双方の認識にズレがあると、後々トラブルに発展しかねません。そのため、次のように具体的に伝えることをおすすめします。
- 1週間以内に提出してください→提出期限は◯月◯日です
- 注文内容を変更する場合は、3日以内にご連絡ください→注文内容を変更する場合は、◯月◯日までにご連絡ください
- 5日以内に納品いたします→〇月◯日までに納品いたします
■足りない
足りないという言葉には、必要な数が揃っていない状態をあらわす意味もあります。未満も、基準の数よりも少ないことや小さいことを意味するため、類似表現の1つといえるでしょう。
足りないを使った例文は、以下のとおりです。
【例文】
- 新しい設備を導入するには、予算が500万円足りない
- 繁忙期に必要なアルバイトの人数がまだ足りません
- イベントの参加者が当初の想定以上に増えたため、参加ノベルティーが足りない
未満の意味を正しく理解しよう

未満は、ある数を基準として、その数自体は含まずにそれより小さい数をあらわす言葉です。
「不等号」という記号への置き換えが可能であり、たとえば、「3未満」を不等号を用いてあらわした場合は「3>」となり、あてはまるのは「2、1」です。基準の数値である3は含まれません。
未満のポイントは、その数自体は含まないという点です。この点を正しく押さえていないと、相手とのやり取りの中で齟齬が生じやすいため気をつけましょう。
未満の反対の意味を持つ言葉としては、「超過勤務」や「超過料金」などの表現で使われることのある、「超過」です。
また、類似表現としては、「以内」や「足りない」などが挙げられます。「以内」は基準を含み、未満は含まないため違いを意識して使い分けましょう。「足りない」は、基準の数よりも少ないことや小さいことを意味する言葉です。
未満の正しい意味を理解し、ビジネスを円滑に進めましょう。
構成/橘 真咲







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