
仕事を覚えられない原因には「わからないと言えない」「一度のミスに囚われ続ける」などがあり、ストレスが原因の場合もあります。対策としては、仕事の内容・目的の理解、チームでの業務、覚えた内容のアウトプットなどが有効です。心の不調がある場合は専門医に相談することも重要です。
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仕事をしていく中で、思うように業務内容を覚えられずに悩んでいる人も多いはず。業務内容を苦労せずに覚えられる人のほうが少ないでしょう。そのくらい誰にでも当てはまることです。
しかし、仕事が覚えられないことで何度もミスを繰り返してしまったり、そのことで上司に叱られたり、同僚に迷惑をかけてしまったり…、そのような状態が続くことは問題です。
そのような状態が続けば、仕事をすること自体が怖くなり、心の病を抱えてしまう可能性もあります。
本記事では、仕事を覚えられない原因、そして、対処方法をお伝えしていきます。
仕事を覚えられない原因とは
仕事を覚えられない原因は、本人にあるものもあれば、環境が関係しているものもあります。
1.「わからない」と言えない
わからないところや疑問点が出たときには、周囲に質問をしてその疑問点を解決することが大切です。
しかし、人に聞くことができずに疑問点をそのまま放置してしまう人がいます。「わからない」と言えない人は、質問することを恥ずかしいことだと思っていたり、周囲にダメな人だと思われる行為だと認識しています。疑問点をそのままにしていると、正しい仕事内容は覚えられません。
2. 一度のミスに囚われ続ける
してしまったミスをいつまでも気にしすぎていると、仕事への集中力が散漫になります。それによってそのミスをした以外の仕事を覚えることができなくなってしまうのです。
さらにその状態が続くと精神的に不安定になり、注意力の低下にもつながってミスも増えていってしまう可能性があります。
3.周囲とコミュニケーションが取れていない
周囲と円滑なコミュニケーションを取っていないと、周囲と相談して仕事を進めることができません。仕事を1人で進めてしまうしかない状況になり、1.のところで触れたように質問することもできず、仕事を覚える機会を持つことができません。
4.業務量が多すぎる
業務量が多ければ1つの仕事に時間を割けなくなり、仕事を覚えることが難しくなります。仕事を覚えるためには1つずつ自分の中で整理しながら業務を進める必要があるからです。量が多すぎるばかりに仕事がただの作業となってしまえば、仕事を覚えることは難しいでしょう。
5.仕事の内容や目的がわかっていない
仕事は、内容や目的を理解しながら進めることで覚えやすくなります。それらを理解できていれば、業務の優先順位などもわかっていきます。なぜこの業務をしなければいけないのかがわかっていなければ、仕事内容は一向に頭に入っていかないでしょう。
仕事を覚えられなくて「怖い」「不安」が強いなら、心の病の可能性も
覚えられないことによって、「怖い」「不安」「辛い」という気持ちがあるなら、それは過度なストレスを抱えている状態と言えます。ストレス過多な状態では、集中力や注意力は低下していき、仕事のミスも増えていきます。さらにストレス過多な状態が続けば、抑うつ症状、不安障害などになってしまう可能性もあります。
また、覚えられないこと以外にも、
・仕事の指示をすぐに忘れてしまう
・目の前のことに集中すると、前に頼まれたことを忘れてしまう
・興味がないことはすぐ忘れてしまう
・日常的に忘れ物が多い
・時間を守れないことが多い
・集中力が続かない
といった項目の多くに当てはまった人は、発達障害が関係している可能性もあります。仕事をすることに対して不安や恐怖、不自由さを感じているのであれば、一度専門医に相談することを選択肢に入れてみてください。
仕事が覚えるための対策3選
冒頭で触れた通り、誰もが仕事を覚えることに苦労した経験はあるはずです。大切なのは、覚えられないことによって起こるミスなどを繰り返さないことです。「わからない」状態を作らないための対策をご紹介します。
1.仕事の内容、目的を理解する
今取り組んでいる仕事の内容、目的を理解することで、仕事を淡々とこなすだけの作業から、自らの意思で取り組める業務に意識を変えることができます。
仕事の内容、目的を理解できれば、仕事の優先順位も明確になっていきます。仕事の優先順位がわかることで別日に回せる仕事もわかり、時間に追われることも減っていきます。1つの仕事に割ける時間も増えていけば、自然と仕事を覚えることができるようになっていくでしょう。
2.仕事は1人ではなくチームで行う
企業に所属して仕事を行う場合、仕事は1人で完結するものではなく、チームで行う場合がほとんどです。仕事を周囲と相談しながら取り組むことで、質問しやすい環境を作ることができます。
1人で仕事をしてしまうと間違ったことを覚える可能性や、その間違ったことの修正に時間を割かれ、覚えることに時間がかかってしまいます。効率良く仕事を覚えるためにも、チームで仕事をしているという意識を持つことが大切です。
3.一度覚えた内容をアウトプットする
仕事を覚えるためには、一度覚えたことをアウトプットすることが有効です。アプトプットすることで覚えた内容が整理され、定着しやすいと言われています。
アウトプットの方法は、「話す」「書く」などです。「話す」は一度覚えた内容を同僚などに伝えてみること、「書く」はメモなどを取ることです。一度覚えるためにメモを活用している場合には、そのメモの内容を整理して書き直してみてください。そのときには重要な部分のみの簡潔なものにまとめたり、重要な部分にはマーカーなどで線を引くなどの方法を取り入れると効果的です。
文・構成/藤野綾子
ライター・編集者。産業カウンセラー、EAPメンタルヘルスカウンセラー、メンタルヘルス・マネジメント検定Ⅱ種の資格を持つ。大学に通い直し、心理・福祉の国家資格取得に向けて勉強中。教育施設、就労移行施設などでカウンセラー研修、実務も続けている。
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