
「上司ガチャ」という言葉がある通り、新入社員にとってどんな上司を引き当てるかでその会社での働きやすさや成長スピードに差が付くことは間違いない。
では実際のところ、上司とのコミュニケーションにギャップを感じている新入社員はどれくらいいるのだろうか?また、新入社員にとってキャリアアップにつながる「理想の上司」とは?
ALL DIFFERENTおよび「人と組織の未来創り」に関する調査・研究を行うラーニングイノベーション総合研究所はこのほど、社会人1年目社員300人を対象に意識調査を行い、その結果を発表した。
1.“上司とのコミュニケーション”の入社前後のギャップ、「あり」は34.0%。「なし」は66.0%で過去最多
まず、上司とのコミュニケーションについて、入社前に想像していた状況と現実の差異について調べた。「入社前と入社後でギャップはありましたか」という質問に対し、「ギャップあり」と回答した人は34.0%、「ギャップなし」と回答した人は66.0%となった。
この調査結果を過去2年間のデータと比較したところ、入社前後で「ギャップあり」と答えた割合は2022年が57.7%、2023年が64.7%で、ともに「ギャップあり」と回答した割合は、「ギャップなし」よりも高い結果となった。2024年ではその割合が逆転し、3年間で「ギャップなし」と答えた割合が最大になった。(図1)
2.ギャップを感じた社会人1年目社員、「想像以上に良かった」43.1%、「想像以上に悪かった」56.9%
続いて上司とのコミュニケーションについて、入社前後でギャップがあったと回答した人に、そのギャップが想像以上に良かったのか、悪かったのか質問した。
結果、「想像以上に良かった」と回答した割合が43.1%、「想像以上に悪かった」と回答した割合が56.9%となった。(図2)
3.「想像以上に良かった」と感じた1年目社員の受け止めは「安心」・「嬉しい」が高く、「想像以上に悪かった」と感じた1年目社員は「貢献したい」がトップ
さらに上司とのコミュニケーションについて入社前後でギャップを感じている社会人1年目社員は、そのギャップをどう感じ取ったのかを調べた。
想像以上に良かったと答えた群では、「嬉しいと思った」「安心した」がともに52.3%で最多となった。以下「不満を抱いた」(9.1%)、「会社を辞めたくなった」(6.8%)と続いた。半数以上がポジティブな回答を選んでいるものの、一部にネガティブな受け止めも見られた。
想像以上に悪かったと答えた群では、「貢献したいと感じた」(32.8%)が最も多く、「落ち込んだ」(31.0%)、「成長の機会だと感じた」(25.9%)が続いた。そのほか、「大変だと感じた」(22.4%)、「不安に感じた」(20.7%)などネガティブな回答の割合が、「想像以上に良かった」と答えた群に比べて高くなった。(図3)
4.“理想の上司”は、「具体的に手順を細かく教えてくれる」がトップ
最後に、自分のキャリアアップにつながる“理想の上司”はどんな上司か質問した。
結果、「具体的に手順を細かく教えてくれる」が26.7%で最も高く、続いて「間違いを指摘して正してくれる」が25.3%となった。3位は「誰に対しても公平でえこひいきしない」で、20.7%となった。(図4)
構成/こじへい