育成に関わるコミュニケーション頻度は、4割弱が「ほぼ毎日」であるものの、残りは3日に1回以下」に留まることが判明(図表3)
育成に関わるコミュニケーション頻度は、「ほぼ毎日」(38.7%)の選択率が最も高く、「ほぼ毎日」「3日に1回」の人が57.5%であることを見ると、新入社員に多くの時間を割いて関わろうとする育成担当者が多いことが想定できる。
44.2%が「新入社員の期待どおりに成長した」と判断し、18.3%は「期待どおりにならなかった」と回答(図表4)
担当した新入社員が期待どおりに成長したかの自己評価は、「とてもあてはまる」「ややあてはまる」(44.2%)が、「全くあてはまらない」「ややあてはまらない」(18.3%)を上回り、肯定回答が上回った。
新入社員の変化を感じるまでにかかった期間は「3カ月程度」「半年以上」(33.9%)が同数(図表5)
育成を開始してから、新入社員の変化を感じるようになった期間は、「3カ月程度」(33.9%)と「半年以上」(33.9%)が多かった。
<図表3・4・5から>
→育成にかけるコミュニケーション量は必要だが、成長には時間もかかるという結果から、今日の新入社員育成の難しさが感じ取れる。育成への難しさが生じる背景として、「仕事習得難度の上昇」「育成の個別性(育成難度の上昇)」「新入社員の特徴(習得度合いの見えにくさ)」の3つが考えられる。
多忙な中でも育成に一定の時間を割いている人が多い現状を考えると、今後育成の「質」をいかに上げていくかが鍵になるだろう。
育成における苦労で最も挙げられたのは「新入社員のメンタルやモチベーション管理」(26.1%)が最多(図表6)
育成で苦労したことは「新入社員のメンタルやモチベーションの管理」(26.1%)、「新入社員との間のギャップ(考え・価値観・経験など)」(23.7%)、「新入社員への効果的な関わり方や育て方(育成スキル)」(16.2%)が上位となった。
→結果から、育成スキル不足や時間不足に苦労する割合よりも、新入社員の心理的側面へのフォローや価値観などから生じるギャップに苦労する割合の方が多いことがわかる。支援策としては、ただ育て方のスキルを学ぶ場だけでなく、新入社員の特徴とその背景にある価値観を理解しながら、日々接する新入社員との意思疎通がより円滑に進む周囲からのサポートが、育成担当者の苦労を軽減する可能性がある。
新入社員の育成体制はわずかの差ながら「上司と育成担当者による連携」(38.3%)がトップ(図表7)
職場での新入社員育成体制は、「育成担当者中心」「上司と育成担当者の連携」「上司と育成担当者に加え周囲の同僚とも連携」がそれぞれ30~40%程度となった。