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110周年のコンセプトは「森を愉しみ、森を識る」、軽井沢・星野エリアが若年層に響く理由

2025.02.15

星野リゾート創業の地、『軽井沢星野エリア』。創業110周年を迎えた今年は「森を愉(たの)しみ、森を識(し)る」をテーマに、さまざまな取り組みを行っている。

今回は、星野リゾート 軽井沢星野エリア 日帰り施設 総支配人 馬場淳太さん、星野温泉 トンボの湯 支配人 野方謙一さんに、イベントの詳細と反響、そして『軽井沢星野エリア』が愛され続ける理由についてお話を伺った。

*本稿はVoicyで配信中の音声コンテンツ「DIMEヒット商品総研」から一部の内容を要約、抜粋したものです。全内容はVoicyから聴くことができます。

110年の歴史を紡ぐ『軽井沢星野エリア』の歩み

左)星野リゾート 軽井沢星野エリア 日帰り施設 総支配人 馬場淳太さん、右)星野温泉 トンボの湯 支配人 野方謙一さん

『軽井沢星野エリア』の歴史について、馬場さんは次のように話す。

「星野家初代・嘉助(かすけ)は製糸業を行っていました。軽井沢の土地で温泉掘削を始めたのは、2代目の星野國次(くにじ)です。苦労の末に温泉を掘削し、1914年に星野温泉旅館が開業します。開業当初は、15室の和室と広間がある小さな温泉旅館でした。避暑地として、また保養を目的に多くの方々に利用いただく宿となり、当時の文化人である北原白秋や与謝野晶子、内村鑑三などに利用いただいたと聞いています」(馬場さん)。

『星野温泉旅館』は長年の役目を終え、2005年に『星のや軽井沢』が誕生。創業当初から使われていた自家水力発電は、現在も活用されているという。

「水力発電や、地中熱利用システムなど、自然エネルギーを利用しながら運営しているのが当エリアの特徴です。『星のや軽井沢』では地中熱を活用した床暖房を使ったり、自然の風を取り入れて快適に過ごせる建築の仕組み『風楼』を取り入れたりして、快適に過ごしていただける工夫をしています」(馬場さん)。

コロナ禍を経て旅のトレンドは変化し、暮らすように軽井沢の自然を楽しむ人が増えていると話す馬場さん。創業110周年は「森を愉しみ、森を識る」をコンセプトに、『軽井沢星野エリア』の豊かな自然を発信した。

「『星のや軽井沢』では、施設内の棚田風景を眺めながらアフタヌーンティーが楽しめる『棚田ラウンジ』がオープンしました。同エリアにある『軽井沢ホテルブレストンコート』では、軽井沢の四季を感じられるアフタヌーンティーをラウンジで準備しました。また、ハルニレテラスでは草木染で110色に染められた布で装飾する『organic wind』を新たに行っています」 (馬場さん)。

大正4年に開湯し、数々の文人墨客が訪れた日帰り温泉『星野温泉 トンボの湯』でも、さまざまな取り組みを行った。

「まず、足湯に入りながらクラシックコンサートを聴く『温泉クラシックス』を開催しました。内湯のお湯を減らして足湯にし、演奏者の方には屋外で演奏していただきました。野鳥の声も一緒に聞こえてきて、とてもリラックスして楽しめるイベントになったと思います」(野方さん)。

温泉と人をつなぐ集いの場『トンボの湯』の多彩な取り組み

地域の子どもに温泉文化を根付かせたいと考え、温泉のマナーや入浴方法を学ぶ「KIDSひとり温泉デビュー」の取り組みも行った。

「お母様、お父様の意見を聞いたところ、お子様と一緒に入れる年齢に制限があることに困っていると分かりました。そこで、実際に数名のお子様に温泉に入っていただき、まずは体を洗うこと、お風呂の中では走ってはいけないことなどをスタッフがレクチャーしました。他のお客様もいるリアルな状態で体験したこともあり、お子様も自信がついたようです。とても好評のイベントでしたので、今後も継続したいと考えています」(野方さん)。

数年前から実施していた「りんご湯」もりんごの数を1000個に増やし、パワーアップして開催。

「良くしていただいているりんご農家の方とコンビを組んで行いました。使ったりんごは堆肥にして、りんごの木の周りに撒いています。今年利用したりんごの湯のりんごも、堆肥の成分が入っているかもしれません」(野方さん)。

温泉文化を多くの方に触れてもらえる機会を作り、トンボの湯を“集いの場”にしたいと話す野方さん。それぞれの企画は、星野エリアで勤務するスタッフが考案していると続ける。

「企画メンバーは、星野エリアで勤務しているスタッフの立候補です。世の中のトレンドやお客様のニーズなどを踏まえてゼロベースで開発していくものもありますし、前年好評だった企画をブラッシュアップするものもあります。1年がかりのプロジェクトですね。皆で意見を出し合い、精力的に活動しています 」(野方さん)。

多くの人が利用する「トンボの湯」。人気の背景には、スタッフの想いがあった。

「私たちは、お客様に“明日への活力”になる時間を提供したいと考えています。ご自身を静かに養えること、贅沢な気分になれること、煩わしさを感じさせずに温泉に入れること。そのために、泉質や温度、清潔さを常に管理しています。また、お客様同士で環境作りをしていただけるよう、マナーに関する注意喚起も行っています」(野方さん)。

強みを引き出し、トレンドを掴む!軽井沢星野エリアが若年層に響く理由

野方さんは、来客層にも変化がみられるようになったと話す。

「若い世代の方が多く訪れるようになったきっかけの一つに、『BEB5軽井沢by星野リゾート』の誕生があります。『BEB5軽井沢』は、2019年に誕生した星野エリアの新しい宿泊施設です。“居酒屋以上、旅未満。皆でルーズに過ごすホテル”のコンセプトに基づき、若年層をターゲットにさまざまな取り組みを行っています。今の時期だと、足だけをサウナに入れてリラックスする『足だけサウナ』を開催しています」(馬場さん)。

イベントを企画するときは、多角的な視点からコンセプトを検討しているという。

「企画の際は、個性を出すだけでなく、世間のニーズとのバランスを大事にしています。自分たちのこだわりを押し出し過ぎると、一辺倒の企画になってしまいます。そこで、Webや雑誌で一番取り上げられているネタを調べたり、SNSの話題をリサーチしたりします。温浴施設だけでなく、テーマパークや海外のイベントを参考にすることも多いです」(馬場さん)。

2025年1月・2月は、トンボの湯をサウナーのために貸し切る「トンボのサウナDAY」を開催。

「トンボの湯の魅力であるボナサウナや湧き水を使った水風呂、自然環境に囲まれた外気浴を活かしながら、露天風呂をすべて水風呂に変えた巨大水風呂を用意してイベントを行います。また、テントサウナを設置して、その中でウィスキング体験を行うイベントも企画しています。ウィスキングは白樺の葉っぱなどを使い、体を叩いて行うリラクゼーションです。本格的なサウナーの方にも楽しんでもらえるイベントになっていると思います」(野方さん)。

軽井沢星野エリアが守り続ける「森との共生」という価値観

110周年で開催した特別イベントは、発信してすぐに良い反応が返ってくると話す馬場さん。普段からトンボの湯を利用している人はレスポンスが良く、意見も参考になるものが多いという。

「アイテムが変わった当日に、『これ変わったね』と受付でおっしゃっていただくこともあります。褒めていただくこともありますが、時には厳しいご意見をいただくこともあります。そういった意見はトンボの湯を愛するからこそだと思いますので、真摯に受け止め、より良い施設になるよう努力していきたいと考えています」(馬場さん)。

110周年の今年は、「森を愉しみ、森を識る」をテーマにさまざまな企画を行った。

「夏には軽井沢発のクラフトビールブルワリー『ヤッホーブルーイング』とコラボして、屋外で気持ちの良い風を浴びながらビールを楽しむ企画『軽井沢 Cheers to Nature』を開催しました。11種類のクラフトビールを楽しめるイベントで、お風呂上りにビールを楽しむ方をたくさん見ることができました。秋には、公園の中で読書を楽しむ『紅葉図書館』を開催しています。また、『SDGsツアー めぐみ巡るほしの』では、自然エネルギーの活用や自然観察の歴史などをご紹介させていただきました」(馬場さん)。

星野温泉時代から「森との共生」を大切にしてきた『軽井沢星野エリア』。110年もの間多くの人に愛され続けた理由は、この価値観にあると馬場さんは推測する。

「イベントだけでなく、日々の取り組みにも『森との共生』の考えがあります。それこそが、ご支持いただいている大きな要因だと考えています。この考えを大切にしながら、トレンドの先を行くような新しい企画をどんどん生み出していきたいと思います。これまで『軽井沢星野エリア』を訪れたことがない方はもちろん、過去に訪れたことのある方にもぜひお越しいただきたいです。新しい発見を提供できるよう、私達も頑張ります」(馬場さん)。

https://www.hoshino-area.jp/

取材/DIME編集部 文・撮影/久我裕紀

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