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インスタの運用で行き詰ったらコレ!ビジネスを加速させる「シン・インスタ運用」のすすめ

2025.02.11

トライバルメディアハウスの久保杏菜さんは「インスタはビジネスを加速させる」と言い、「シン・インスタ運用法」を企業向けに提唱している。デジタルマーケティング支援会社として培った、ビジネス全体を俯瞰した上で考える戦略設計で、インスタ運用に行き詰ったブランド担当者などから評価が高い。

飽和状態に見えるSNSの中で、なぜインスタが使えるのか。インスタ活用術について紹介してもらおう。

インスタグラムを正しく理解することが第一歩

最初になぜインスタグラムがビジネスに活用できるツールなのか。久保さんによると、インスタグラムは個人のアカウント同士の繋がりだけでなく、個人アカウントとビジネスアカウントの繋がりが強く、利用者同士のネットワークが広がり続けている点をその理由の一つにあげている。

消費者は情報探索や選定、購入までさまざまなルートを通っている。オンラインとオフラインを上手に使って情報を収集し、購買していることから、インスタが購買ツールとして非常に有力であることも見逃せない。インスタは購買意思決定の重要なプラットフォームである。効果的に使えば、ビジネスを大きく加速させることができると、久保さんは主張している。

消費者の行動やプラットフォームの特性を理解しながら、インスタを戦略的に使う第一歩として久保さんが考えているのは「インスタグラムを正しく理解すること」である。

まず日本ならではの特徴はハッシュタグの検索回数である。実にグローバル平均の約5倍も利用されていた。その理由の一つは、日本固有の空気や文脈を読み取る文化が発達している点を、久保さんは紹介している。ハッシュタグだけを見て、どんな意図や意味があるのか、どのような投稿が集まるハッシュタグかを読み取って投稿するのである。

さらに久保さんによるとインスタはHOW(どんな文脈で)の表現に特徴があると指摘している。「商品やサービスを手に入れた自分は何なのか、どうなるのか」という手にした際の文脈を重視するのである。逆に言えばその文脈を重視すれば、ユーザーの真意を正しく読み解き、戦略的にアプローチできる。こうしたインスタならではの特徴を正しく理解することが、インスタ活用の第一歩となる。

正しい運用目的を設定すること

では実際にインスタをどのような目的で利用するのがもっとも戦略的なのか。「アカウントの運用目的を、サービスや商品の売り上げをアップさせるなど直接的な効果を求めることは大きな落とし穴になり危険です」と久保さんは訴える。

「インスタグラムのコミュニケーション“だけ”で商品を売ることはできません。売り上げはブランドやサービスを作る戦略や手法を含む、マーケティング活動の集大成なのです」としている。とはいえ、インスタが効果を発揮する場面は確かにある。

それは商品の「想起率向上」と「好意度向上」への貢献である。想起率とは、購入しようと思った時に、人が脳裏に思い浮かぶ確率のこと。好意度はその商品やサービスを好ましいと思い、購入し利用し続けることができる確率で、インスタグラムはこの2つを向上させることができるツールだった。

インスタを戦略的に使おうとする際は、こうした正しいアカウント運用を目指すべきであり、単に「売り上げを上げたい」としても難しい。久保さんは運用に行き詰っている多くの企業に、「正しい運用目的の設定」を呼び掛けている。

アカウント成功のカギはコンセプト策定にあり

さらに詳しくアカウント設定のカギを教えてもらおう。インスタの運用戦略にはいくつか課題があり、インスタでコミュニケーションを取るべきターゲットをどう設定するか。また、現状に合うアカウントの型をどう設定するかでも、効果に大きな差が出る。

特にアカウント成功のカギの一つとして、コンセプトの策定は大きなポイントになる。ターゲットとコミュニケーションを取る時、発信する内容の一貫性はとても重要である。一貫性を維持するためにはアカウントのコンセプト策定が重要なのである。

特に、自社の商品やサービスが消費者にどう語られているかを理解した上でコンセプトを策定すること。ありがちな商品やサービスのスペックからコンセプトを立ち上げるのではなく、消費者にとって、どんな文脈で語られているか。前述したインスタの特徴であるHOWの部分を重視して、「ターゲットにとっての意味付け」からコンセプトを立ち上げるべきだと言う。

ユーザーにとっての情緒的価値からコンセプト案を考え、「コンセプト=何を価値として届けるか」を明確にすることが、アカウント成功にとって大きなポイントとなる。

ハッシュタグを制する者はインスタを制す

日本ではハッシュタグ検索が多いことから、効果的なハッシュタグをつけたい。設定のポイントは1)ユーザーに検索されやすいこと、2)ハッシュタグ同士の関連性を意識すること、の2つである。

一般名詞や固有名詞のハッシュタグはユーザーが検索する時に思い出しやすく、検索される可能性は高いものの、投稿も多くなる。せっかくの投稿が埋もれてしまう可能性も高い。

ハッシュタグは投稿数により「ビッグハッシュタグ(投稿数50万件以上)」「ミドルハッシュタグ(10~50万件未満)」「スモールハッシュタグ(1~10万未満)」の3つに分類されるが、「ビックグ」ばかりにすると、人気投稿として表示されなくなる。逆に「スモール」は人気投稿に表示されても、リーチ数を伸ばすことができない。

最初は「ミドル」と「スモール」の組み合わせから始め、少しずつ「ビッグ」を取り入れるなどバランスを取りながら効果を検証していこう。

2)のハッシュタグ同士の関連性の高さでは、ハッシュタグと投稿画像や内容に関連性があるかどうかだけでなく、投稿についているハッシュタグ同士の関連性のことでもある。

久保さんは「例えば#アイシャドウ、では#ブラウンメイク、#コスメレポなどとのハッシュタグ同士の関連性は高いと言えますが、#美味しいもの大好き、や、#パンのある暮らし、とは関連性が低いと考えられます」と具体例をあげてくれた。

こうした関連性の高いハッシュタグを見つけるのは大変だが、投稿ごとのインサイト情報からハッシュタグ経由のインプレッション数を確認しながら運用すること。そして、上位表示を狙いたいハッシュタグのトップによく表示されている投稿のハッシュタグを参考に設計すると良いと、久保さんはアドバイスしてくれた。

こうしたアカウントを成功に導く戦略を、さらに具体的に紹介した「シン・インスタ運用術 ~アカウントを成功に導く5つの戦略」(SBクリエイティブ発刊、定価1760円)が発刊された。上記の活用術以外にも、ユーザーに届く投稿コンテンツを生み出すカギなど、インスタを戦略的に使おうとする人には参考になる。特に最近のアルゴリズムの変化に関する解析などは、押さえておきたい。

久保杏菜さん
株式会社トライバルメディアハウス 部長として InstagramをはじめとしたSNS戦略策定の提案、アカウント運用・プロモーション企画に従事。 Instagramを活用した支援のスペシャリスト。Facebook Japan社より「Instagram運用に強い企業」として紹介されるトライバルメディアハウスの第一人者。

文/柿川鮎子

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