ドン・キホーテの店舗従業員「髪色自由化」ルールがもたらしたポジティブな影響とは？

大手ディスカウントストア「ドン・キホーテ」が設けた従業員への「髪色自由化」のルールは、どんな効果を生んだのだろうか？

ドン・キホーテは、2022年3月に店舗従業員の服装ルールの緩和を行い、髪色自由化を実施した。今回、自由化以降2回目の、同社店舗で働く従業員が実際に何色の髪色が多いのか調査を行い、その結果を発表した。

カラー（黒髪以外）を楽しむ従業員は全体の55.4%に

従業員の髪色比率としては、黒髪が42.8％と最も多いが、昨年より4.9%減少した。一方、カラー（黒髪以外）を楽しむ従業員が昨年に比べて3.1%増え、半数以上の55.4％にのぼった。

カラフルな髪色「派手髪」を楽しんでいる従業員が昨年よりも4.5%増えて23.8％にのぼり、「派手髪」を楽しんでいる従業員の割合のみが増加する結果になった。

髪色別・性別比率を調べたところ、「黒・ブラック」の約6割が男性、「茶・ブラウン」と「派手髪」の約8割は女性という結果に。さらに女性従業員のほうがカラー（黒髪以外）を楽しんでいるということがわかった。

年代別では10代の「派手髪」率が最も高く39.0％に

年代別髪色比率では、すべての年代にカラフルな髪色「派手髪」を楽しむ従業員がいるということがわかった。中でも10代の「派手髪」率が最も高く39.0％、前年より4.0%増加した。また、10代から30代までの若い世代では、「派手髪」率が3割を超える結果に。加えて、「派手髪」率が一番増えたのは20代で、前年と比べて9.1％増となり、より多くの20代の従業員が「派手髪」を楽しむようになっていることがわかった。

「派手髪」率が前年比で最も増えた20代を雇用区分で比較すると、社員の「派手髪」率が16.4％増と大きく増加していることがわかった。

派手髪色比率では、「派手髪」を楽しむ従業員の23%が「金・ゴールド」の髪色であることがわかった。以下、「アッシュ」や「桃・ピンク」、「赤・レッド」といった髪色が続く。

前年と比較すると、色比率の上位5位までの髪色は前年と変わらなかったが、上位の髪色比率は減り、より多様な髪色が選ばれている傾向にあった。

社内外からのポジティブな意見が多く、接客面や社内コミュニケーションなどにも好影響に

髪色を変えたことによる周囲の反応は、「ネガティブ」はわずか2.1%と非常に少なく、「ポジティブ」や「ニュートラル（反応がない）」という回答が大多数で97.9%を占めた。

「派手髪」であることで、商品接客から実際に購買へとつながるなど、営業面でのプラス効果や従業員間のコミュニケーション活性化に寄与していることがうかがえる。

また、髪色を変えたことにより、モチベーションが「下がった」従業員は0.3%とわずかで、モチベーションが「上がった」が約半数、「ニュートラル（変化なし）」が半数という結果になった。髪色を楽しむことや、褒められることが仕事へのモチベーションにつながるという好循環が生じているようだ。

自由化後に入社した従業員の約7割が髪色自由であることを事前に意識したという結果に

入社を決める要因の1つとして、髪色自由化を意識していたと回答した従業員は67.9%にのぼった。特に、女性とパート・アルバイトの約7割が髪色自由化を意識して入社しており、その傾向が高い。

年代別にみると、10代の88.7%が最も髪色自由化を意識しており、特に若年層のパート・アルバイトにおいて、髪色自由化は入社を決定する要因の1つとなっていた。

＜アンケート概要＞
対 象 者：ドン・キホーテ店舗従業員（社員/パート・アルバイト）
調査期間：2024年11月21日～12月5日
回答者数：2,931人

出典元：ドン・キホーテ

構成／こじへい