「パープル企業」とは、ブラック企業とホワイト企業の中間に当たる企業のこと。明確な定義はないが、ブラックの「長時間労働・不払い残業・パワハラ」などの理不尽さは一掃されている一方で、やりがいが感じられず、成長や昇給も期待できず、先のキャリアが描きづらい企業を指し、「ゆるブラック企業」とも呼ばれる。
パープル企業は理想の組織か?
退職代行サービス「モームリ」を提供する株式会社アルバトロスの代表取締役・谷本慎二さんは、この言葉の浸透について語る。
「ブラックともホワイトともどっちつかずの会社に勤める人にとってピッタリな言葉が見つかり、共感を呼んだのではないでしょうか。また働き方改革の影響もあり、法令厳守は当たり前だと考える企業が増えたのも一因と考えられます」
パープル企業で働くことにふがいなさを感じ、脱パープルを試みる会社員の動きはあるのだろうか。
「当社のご依頼者に限れば、やりがいのなさや成長機会に不満を持つ方よりも、まだまだ労務関係や人間関係で悩まれている方が多い印象です。法令は厳守しているため、よほどの不満がなければ現状維持を選ぶのでは。ただ今後、成長機会や昇給などを意識する企業は少しずつ増えるでしょう」
【DIMEの読み】
ゆるく働き、やりがいや給与面を重視しない場合、パープル企業は理想の組織だ。今後、会社選びにおいて「限られた時間の中でいかに自身が成長し、満足のいく成果を出せるか」が個々に問われる。
あなたの会社はどのゾーン? 早見チェック表
労働時間や人間関係においては一見ホワイト企業と同じく好条件に見えるパープル企業だが、成長機会と昇給の2項目はブラック企業以上にブラックかも…?
パープル企業で働きたくない理由ランキング
(出典)株式会社AlbaLink「ゆるブラック企業に関する意識調査」をもとに編集部作成
回答した348人の理由TOP3は「成長できない」「収入が増えない」「やりがいがない」。働き手の意識がより質の高い企業を求める方向に動いていく兆候と取れる。
取材・文/石原亜香利