「好き」を積極的に発信すれば新しい扉が必ず開く
玉川 やっぱり「好きなことは仕事になる」ということなんですね。
松井 当初は仕事にしようと全く思っていませんでした。けれど、お互いの製作物を褒め合う模型サークル「ろうがんず」に所属して、趣味の成果をどんどん表に出していくようになったんです。そういうことが「好きを仕事にする」ためには、大切なのかもしれません。
玉川 僕の場合は「テレビが好き」で、その仕事をひたすらやり続けてきたことが、今につながっていると感じています。
松井 玉川さんや私のように「ずっとやってきた好きなことしか仕事にならない」ということではなく、チャレンジしてみたかった新しい「好き」を始めてみるのも、私は全然アリだと思いますよ。私は、娘の結婚式に向けて、ソプラノサックスに初挑戦したことがあります。一度も吹いたことがなかったのに、プロのレッスンを9か月受けて特訓し、披露しました。だから、何でも始めるのに遅すぎることはありません。思いがけないきっかけが新しい世界を切り開いてくれるでしょう。
(左)福島原子力発電所の模型は精巧な1/144スケール。(右)富山県の実家にあるコレクション。「数は把握できていません(苦笑)」(松井さん)
地元の活性化では、情報収集や拠点の移転などによって信頼を得たことが大きい。一方のプラモデルでは、自身の強みをホームページで発信し、模型のキーパーソンとの関係を保つことで仕事に結びつけることができた。
【今回のまとめ】
松井さんや僕が好きな仕事を続けている姿を見て「たまたまでしょう?」と思われる人がいるかもしれません。でも、そうじゃない。好きだからこそ、生涯続けられる仕事にできるのです。「好き」は最強だな、というのが今回の対談で得た実感です。松井さんはプラモデル好きを突き詰めた結果、タミヤの仕事をされています。さらにアナウンサーの仕事のオファーも来る。僕もテレビが大好きだったから、退職した今でもテレビの仕事を続けています。テレビの仕事は長時間勤務で、給与に換算すると割に合わない仕事のひとつ。でも好きだから続けられる。多くの人は就職先を給与の条件で選びますが、好きかどうかという点も、僕はとても重要だと思いますね。
「好き」を突き詰めて強みをつくれば必ず仕事につながる!
玉川徹さん
テレビ朝日系朝の情報番組『羽鳥慎一モーニングショー』のレギュラーコメンテーター。パーソナリティーを務めるレギュラー番組『ラジオのタマカワ』(TOKYO FM/毎週木曜日11:30~13:00)が大好評オンエア中
取材・文/柿川鮎子 撮影/湯浅立志(Y2)
取材協力/TAMIYA PLAMODEL FACTORY TOKYO