Excelの折れ線グラフは、売上や気温などの時系列データの推移を視覚的に表現するのに便利。この記事では、折れ線グラフの作成方法と、よくある疑問の解決策を紹介する。
目次
Excelの折れ線グラフは、売上推移や気温変動など、時系列で動くデータの傾向を一目で把握するのに役立つグラフです。基本操作は「データ選択→挿入タブ→折れ線」の3アクションで完結しますが、見やすく仕上げるには線種の選び方や軸設定のコツが欠かせません。この記事では、折れ線グラフの作成手順、種類の使い分け、応用テクニック、よくある失敗の対処法までを実務目線で整理します。
折れ線グラフが適している場面と他のグラフとの使い分け
折れ線グラフは「時間の経過に伴う数値の変化」を表現するのに最も適したグラフです。点と点を線で結ぶことで、増減のスピードや変化の向きが視覚的に伝わります。
Microsoft公式でも、折れ線グラフは時間など等間隔の項目に沿った変化を示すグラフとして位置づけられています。
参考:Microsoft サポート「Office で利用可能なグラフの種類」
折れ線グラフ・棒グラフ・面グラフの使い分け
似た用途で使われる3種類のグラフを、目的別に整理しました。
| グラフ | 主な用途 | 適した場面 |
| 折れ線グラフ | 時系列の変化・傾向の把握 | 月次売上の推移、気温の変動、株価の動き |
| 棒グラフ | 項目間の量の比較 | 店舗別売上、商品別販売数、部署別人員 |
| 面グラフ | 全体量の推移+構成比 | 製品カテゴリ別売上の累積推移 |
「比較したいのか、推移を見たいのか」が分かれ目です。横軸が時間軸で、しかも複数時点を結んで傾向を見たい場合は折れ線グラフが最適解になります。なお、横軸の値が等間隔でない数値データ(実験値や2変数の関係)を扱う場合は、折れ線グラフよりも散布図のほうが正確に表現できる点に注意が必要です。
参考:Microsoft サポート「データを散布図または折れ線グラフで表示する」
Excel(エクセル)折れ線グラフの作り方
Excelで折れ線グラフを作る基本手順は4ステップです。元データの表があれば、数十秒で作成できます。表作成の段階でつまずく場合はエクセルで表を作る方法もあわせて確認してください。
- 折れ線グラフにしたいデータを用意する

- 折れ線グラフにしたい範囲を選択して、メニューバーの「挿入」→「折れ線グラフのアイコン」をクリック

- 「2-D折れ線」の中から作成したい折れ線グラフのタイプを選択

- グラフが表示される

ショートカットキーでグラフを瞬時に作成する
データ範囲を選択した状態で Alt + F1(Windows)または fn + ⌥ + F1(Mac)を押すと、選択範囲を元に既定のグラフが同じシート上にすぐ表示されます。提案されたグラフが折れ線でない場合は、グラフを選択した状態で「グラフのデザイン」タブ→「グラフの種類の変更」から切り替えてください。
折れ線グラフの種類と選び方
折れ線グラフは「2-D折れ線」「3-D折れ線」を合わせて7種類が用意されており、データの性質に合わせて選び分けることで伝わりやすさが大きく変わります。

| 種類 | 適した用途 |
| 折れ線 | 単一・複数系列の時系列推移をシンプルに表現 |
| 積み上げ折れ線 | 複数系列の合計推移と各系列の寄与度を確認 |
| 100%積み上げ折れ線 | 各系列の構成比の推移を確認 |
| マーカー付き折れ線 | 各データポイントの値を強調 |
| マーカー付き積み上げ折れ線 | 積み上げ+データポイント強調 |
| マーカー付き100%積み上げ折れ線 | 構成比推移+データポイント強調 |
| 3-D折れ線 | 立体表現が必要な場合に限定的に使用 |
なお、積み上げ折れ線グラフはデータが加算されて表示される仕様のため、各系列の絶対値を比較したい場面では意図と異なる読み取りを生む可能性があります。「合計と内訳を同時に見せたい」目的が明確でない場合は、通常の折れ線か積み上げ面グラフの利用を検討してください。
参考:Microsoft サポート「Office で利用可能なグラフの種類」
Excel(エクセル)で見やすい折れ線グラフを作るポイント
Excelで見やすい折れ線グラフを作るためのポイントを紹介していきます。
「マーカー付き折れ線」で、データを読み取りやすくする
折れ線グラフで「マーカー付き折れ線」を選択すると、各データポイントが強調され、グラフ上で個別の値を確認しやすくなります。数値の変動を一目で把握できる点も利点です。
例えば売上データを表示する際、通常の折れ線グラフでは線だけで変動を追う形になりますが、マーカー付きの折れ線グラフでは各月の売上値が明確に示され、どの月に大きな変動があったかを視覚的にすぐ判別できます。
グラフ内での色使いに注意する
折れ線グラフの色は、基本的に2〜3色程度に抑えることが望ましいです。複数のデータ線を表示する場合、使用する色が多くなりすぎるとデータの読み取りが難しくなります。
例えば、強調したいデータ以外の線をグレーにするなど、注目すべきデータが一目でわかるシンプルな色使いを心がけましょう。
情報を詰め込みすぎない
Excelで折れ線グラフを作成する際は、「情報を詰め込みすぎない」ことが非常に重要です。データが多すぎると線が重なって視認性が悪くなり、どのデータに着目すべきか判別しづらくなってしまいます。
例えば月ごとの売上データを表示する場合、全てのデータを一度に表示すると線が重なって見づらくなります。代わりに、主要な月や強調したい系列に絞って表示すると、グラフはシンプルでわかりやすい仕上がりになるでしょう。
折れ線グラフの応用テクニック
基本のグラフが作れたら、データラベルの表示や近似曲線の追加など、伝わりやすさを高める機能を組み合わせていきましょう。
データラベルを表示して数値を見える化する
各データポイントの正確な数値をグラフ上に表示したい場合は、データラベル機能を使います。

- グラフを選択して、グラフ右上の「+」(グラフ要素)をクリック
- 「データラベル」にチェックを入れる
- 表示位置を「上」「下」「左」「右」などから選択する
データラベルが多すぎてグラフが煩雑になる場合は、強調したい1〜2点のデータポイントだけクリックしてラベルを個別に追加すると、視認性を保てます。
参考:Microsoft サポート「グラフのレイアウトやスタイルを変更する」
近似曲線を追加して傾向を可視化する
データ全体のトレンド(増加傾向か減少傾向か)を視覚的に伝えたい場合は、近似曲線を追加します。

- グラフ内の対象データ系列を右クリック
- 「近似曲線の追加」を選択
- 「近似曲線の書式設定」ウィンドウで「線形」「指数」「対数」「多項式」などから種類を選ぶ
最も汎用的なのは「線形近似」で、データが一定の比率で増減している場合に向いています。データの変動が複雑な場合は「多項式近似」、急増したあと水平になるデータには「対数近似」が適しているので使ってみてください。
参考:Microsoft サポート「グラフに近似曲線や移動平均線を追加する」
グラフにデータを追加・削除する
作成後に元データを増減した場合、グラフのデータ範囲も更新する必要があります。
データを追加する手順
- グラフを選択
- 「グラフのデザイン」タブ→「データの選択」をクリック
- 「凡例項目(系列)」の「追加」または範囲指定で新しいデータ範囲を含める
データを削除したい場合も同じ画面から「削除」ボタンで対応可能です。
なお、元データがExcelテーブル(「ホーム」タブ→「テーブルとして書式設定」で変換した範囲)になっている場合、データ行を追加するだけでグラフが自動的に拡張されます。頻繁にデータを追加する用途では、最初からテーブル形式にしておくと運用が楽になるのでおすすめです。
「おすすめグラフ」機能で素早く作成する
どのグラフが適切か迷ったときは、Microsoft 365のおすすめグラフ機能が便利です。

- グラフ化したいデータ範囲を選択
- 「挿入」タブ→「おすすめグラフ」をクリック
- 候補からデータに合うグラフをプレビューで確認して選択
「おすすめグラフ」はMicrosoft 365サブスクライバー向けの機能で、Excel for the webやデスクトップ版で利用できます。データの傾向を自動で読み取り、折れ線・棒・円など複数の候補が提案されるので便利です。




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