相関係数の注意点
相関係数による分析には多くのメリットがあるが、注意点もあることを忘れてはいけない。以下では相関係数を用いる場合の注意点を解説する。
■因果関係を示すわけではない
相関があっても必ずしも因果関係があるとは限らない。例えば、アイスクリームの売上とプール利用者数に相関があっても、それが直接の因果関係とは言えない。これらは、暑い気候という共通の要因によって影響を受けている可能性がある。
このように、相関関係だけで結論を出してしまうと、誤った因果関係を推測してしまうリスクがある。そのため、因果関係を明らかにするには、追加の分析や実験が必要だ。
■外れ値の影響を受けやすい
データの中に極端な値が含まれていると、相関係数が正確に計算できない場合がある。このような外れ値は、実際のデータの傾向を歪め、相関係数を過大評価または過小評価する原因となることがある。したがって、分析を行う際には、外れ値の有無を確認し、それらが分析結果にどのように影響するかを慎重に検討しなければならない。場合によっては、外れ値を除外するか、ロバストな手法を用いて分析を行うことが推奨される。
まとめ
相関係数は、データ間の関係性を数値で把握するための重要な指標だ。エクセルを使えば、簡単に計算したり視覚化したりできる。
ただし、因果関係を示すものではない点や外れ値の影響に注意が必要だ。本記事を参考に、データ分析に相関係数を活用してみてほしい。
本記事の内容を以下で簡単におさらいしておこう。
〇相関係数とは
・2つのデータの間にどれだけ強い関係があるかを数値化した指標
〇相関係数の読み取り方
・0.8:強い正の相関
・0.3:弱い正の相関
・-0.5:負の相関
〇Excelで相関係数を求める手順
・CORREL関数を入力する
〇散布図を作成する手順
・データ範囲を選択
・挿入タブから散布図を選択
〇相関分析のメリット
・データの関係性を視覚化できる
・意思決定に役立つ
・他の分析手法への足掛かりになる
〇相関係数の注意点
・因果関係を示すわけではない
・外れ値の影響を受けやすい
構成/編集部