イベント開催・参加を通じて米粉の魅力を発信
イベントを通じて米粉の魅力を対外的に発信する活動も行っている。
●「米粉フェア」の実施
「米や米粉に省内職員がもっと知ってもらえたらという想い」(石田氏)から、省内建物に入居する食堂、コンビニ店舗、売店、書店にて、月間を通して米粉を積極的に活用する施策を実施した。
例えばとんかつ料理店では米粉を揚げ衣に使ったカツ丼やあじフライ、食堂では米粉のプチデザート小鉢や甘辛の米粉唐揚げ、米粉カレー、おむすび店では米粉唐揚げや米粉バウムクーヘンが提供された。
●料理レシピコンテストへの参加
2024年11月には、総合サービス企業シダックスグループが、東京栄養食糧専門学校にて米粉をテーマに社内料理コンテスト「第19回シダックスグループ料理コンテスト~SHIDAX Maestro of The Year 2024~」本選大会を開催した。
最終審査の場にはコメニメンバーも立ち会った。 「1,000以上のレシピアイデアには、幼稚園や学校、福祉施設など実際に食されるお客様に応じた献立を、大量調理かつクイック調理で実現する様々な工夫が込められていました」(石田氏)
イベントなどへ参加した模様は、同省の公式Xや、YouTubeチャンネルにて動画配信もしている。
米粉利用の課題を受け、さらに研究意欲に火がついた!?
これまでの活動を受け、コメニ内ではある変化が起きているという。
「コメニ結成後、米粉の特徴について自ら学習したり、企業様からのご意見等も聞くに付け、米粉の利用にもメリット・デメリットがあることを理解しました。
どのような食材もそうであるように、米粉の使い方によっては、その特徴がメリットにもなればデメリットにもなります。例えば、米粉パンの製造であれば、グルテンを含む小麦のパンのようなふくらみややわらかさを作ることは簡単ではありません。また冷めると固くなってしまう『老化』と呼ばれる性質をどう克服していくのかなど、まだまだ研究の余地があります」(石田氏)
ただ米粉利用を訴求すれば良いというわけではない。「どう使って、どう美味しく食べてもらえるか」というところまで考える必要がある。
「利用上の課題に対し、その解決に向けた研究意欲に火がつき、まるで本業のように取り組むメンバーも現れてきました。企業様との連携した取組は、普段の机上の業務にはない新鮮な活動となり、苦労の中に楽しさを見い出して取り組むことの大切さを体験しています」(石田氏)
日本の未来のキッチンの姿
今後、日本ではどのように米粉が普及していくことが展望されているのだろうか。
「知らないうちに私たちの食に米粉が浸透し、自然に食料自給率の向上につながればいいなと、コメニ一同考えています。飲食店等のメニューにいつの間にか米粉が使用されている、ご家庭でも毎日食卓に提供される冷凍食材やレトルト食材にも米粉が使われ、キッチンには米粉が常備されているという食環境が近未来に訪れることを期待しています。
米粉の利用拡大については、企業様とのネットワークが何より重要ですが、コメニがその一助になってくれていることは、予想以上の成果と考えています。」(石田氏)
コメニは今後も、米粉の利用促進について、企業を中心にアプローチを続けていく。
「コメニは有志チームであり、正式な部署ではありませんが、より多くの企業様に米粉の良さを知ってもらうための、いわば営業の役割を果たしてほしいと思っています。そして、企業様と連携してできた米粉商品やメニュー、利用に対するノウハウなどが、消費者の皆様のご満足につながれば幸いです。」(石田氏)
コメニから伝わってくる熱意から、米粉が当たり前のように私たちの食卓に並ぶ日は、決して遠くはないように感じられた。
取材・文/石原亜香利
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